2003年12月8日発行(第2・4月曜日発行)
News Source of Educational Audiology
聴能情報誌
みみだより
第3巻
第466号
通巻551号
編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
購読料照会・新規購読申込・記事内容照会などは、郵便かFAXでお問い合わせいただくか、
下記のアドレスへメールをお送り下さい。
立入 哉 :h-tachi@js2.so-net.ne.jp
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【目次】第466号
特別支援教育に関すること,特別支援学校,特別支援学級に関する東京都の検討結果が集約されています。
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ご関係の方々につきましては、とりあえず、日程の確保と航空券の確保をお願い致します。
聴覚障害児の補聴に関する国際会議「International Forum'04」
実施要領
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期 日 2004年2月21日(土)9:30開場 10時〜16時
会 場 足立区こども家庭支援センター
地下鉄千代田線「綾瀬駅」東口下車 徒歩7分
(東京都足立区東綾瀬1−5−17 TEL:03-3606-2228)
招聘講師 |
Carol Flexer Ph.D.
米国コロラド州 州立メトロポリタン大学
オーディオロジー・スピーチ・心理学部教授,
デンバー大学オーディオロジー修士課程教授
元 AAA(米国オーディオロジー学会)会長
元アメリカ教育オーディオロジー協会会長
元AUDITORY-VERBAL INTERNATIONAL理事 |
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講演依頼内容(変更になる場合があります)
1.聴覚障害児のリテラシーについて
聴覚障害児教育の現場で手話が用いられるようになり,よりリテラシー(読み書き能力)の発達を考える必要が生まれています。彼女の最も新しい著書の中から,特に聴覚の活用に関連した部分についてご講義いただきたいと思っています。
2.軽中度難聴児に対する補聴について
特別支援教育の開始に伴い教室の軽・中度難聴児に対してより細かな支援を聾学校や特別支援教室が行っていくことが要請されています。彼女には11月に開催された「FMに関する国際会議 ACCESS」の内容を踏まえ,軽・中度難聴児に対する支援の必要性と具体的方法をお話しいただきたいと思っています。
国際会議の昼休み,また夜には教育オーディオロジーの将来を考える懇親の場を設ける予定ですので,お泊まりをお考え下さい。その他,重要な会を同時に開催する予定です。
日本の教育オーディオロジーに関する懇談会
期 日 2004年2月21日(土)18:00〜(予定)
会 場 足立区こども家庭支援センター近辺(予定)
※ご参加にあたり事前申込みは必要ございません。
照会先 愛媛大学教育学部 立入 哉 Tel:089-927-9513 Fax:089-946-5211
【目次】
シンポジウム
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特別支援教育とこれからの難聴学級,ろう学校のありかた |
主催:東京都立ろう学校 聴能教育研究会
会長:東京都立大塚ろう学校教頭 竹淵正人
後援:関東地区教育オーディオロジー研究協議会
1.日 時: 2004年1月17日(土) 午前10時00分〜午後3時30分
2.会 場: 東京都立品川ろう学校(リズム室)
3.テ−マ: 『特別支援教育とこれからの難聴学級,ろう学校のありかた』
〜これからの聴覚支援のありかた〜
シンポジスト:庄司和史(筑波大学附属聾学校乳幼児教育相談担当)
大石視朗(平塚ろう学校通級学級担当)
未定(きこえとことばの教室担当)
コ−ディネ−タ:中瀬浩一氏(筑波技術短期大学教育方法開発センター)
4.日 程 10:00 受付
10:20 開会
挨拶・コ−ディネ−タの紹介
シンポジウム
12:00 (昼食) 【補聴器等展示】
13:30 講演「特別支援教育についての概要」
15:30 閉会
5.参加費 500円
6.定 員 50名
7.参加対象 ろう学校・難聴学級の教員及び聴覚障害教育に携わる施設職員等
8.申込方法:所属機関名・住所・氏名・連絡先をご記入の上,1月9日(金)までに,
下記宛にFAXにてお申し込み下さい。
9.照会先 東京都立ろう学校聴能教育研究会 代表 庄野 きよ美
勤務先:東京都立葛飾ろう学校 TEL 03(3606)0121
FAX 03(5697)0275
【目次】
高速道路通行料金の割引方法が変更になることを465号にて紹介致しました。この変更に伴いETCを使用した割引制度が誕生し,割引料金での通過がよりしやすくなると思います。しかし,ETCは装置代が高価・・・と悩む場合も多いと思います。そこで,財団法人道路サービス機構が中心となり,先着15万人の方を対象に,ETC車載器購入代金の一部として,一人当たり10,000円を助成することになった。
申込受付日 2003年12月1日から受付開始,15万人達成まで
助成対象者 通行料金割引を受けることができる障害者(詳細は
465号参照)
※既に ETC車載器をお持ちの方も対象となる。
助成の手順
1)福祉事務所等で「ETC車載器購入助成申込書」「申込書送付用封筒」を受け取る。
2)「申込書」に記入後,「申込書送付用封筒」に80円切手を貼付し,郵送する。
3)申込後 2ヵ月程度で「郵便振替払出証書」が郵送されてくる。
これを郵便局窓口に出すと現金 10,000円と換金できる。
※申込みには事前にETCカードを用意し,車載器を購入しておくことが必要。
※申込み内容の確認をし,不備等がある場合は,助成の対象とはならない。
現在のお申込み受付状況は7,880人(12月18日現在)なので,まだ余裕はあるようですが,申込みから「払出証書」が届くまで2ケ月もかかるので,失敗がないように手続きをしていきたい。実際は,ETC利用申請の際に,福祉事務所等からETC利用対象者証明書とともに,助成申込書及び専用の封筒(ETC車載器購入助成係行)が配布されているで,証明書をよく確認のうえ申込書に記入し,専用の封筒により郵送する。
≪注意事項≫
お申込みをいただきましても,先着順又はお申込み内容の確認の結果により助成できない場合がございますので,ご了承願います。
財団法人 道路サービス機構 ETC車載器購入助成係 TEL 03-5458-5569
【目次】
もうご存じでしょうが,教室の大きな騒音源=椅子や机を動かすときに出るノイズを低減させるためにテニスボールをそれらの脚に付けることが有効です!。
関連記事 みみだより327号,360号,377号,392号,393号,402号,408号,418号,433号,450号
これら中古のテニスボールは,グローバル・スポーツ・アライアンス(GSA)というNPOから入手することができます(329号で紹介済み)。しかし,その後,利用数が減っているそうで,ご提供いただいているGSAから下記のメールをいただきました(抄)。
全国のテニス事業者・愛好家と協力し,硬式テニスボールを全国で収集し,小中学校への運送を行っております。
現在,ボール提供の申込みが殺到している反面,学校からの申込みが少なくなっております。もしボールを必要とされている学校さんがございましたら,ぜひ私どもの団体のことをご紹介いただければと存じます。
なお,以前は学校さんの負担を完全無料としておりましたが,事業の継続のために,送料負担に相当する募金をお願いしています。1箱300球当たり,1000円でお送りしています。
http://www.sports-eco.net/ からは,今までの寄贈先からの手紙,写真などが閲覧できます(なぜか聾学校が含まれていない・・・じゅうたんがあるから良いのか,子ども数が少ないので自己調達できるのか?)。新入学が増える春には,需要が出てくると思いますが,せっかくの活動が継続できるよう,ご支援をお願い申し上げます。
【目次】
このたび本学教育方法開発センター(聴覚障害系)の教官を下記のとおり公募することになりました。つきましては,貴機関及び関係機関に御周知いただき,適任者があれば,御推薦賜りますようお願い申し上げます。
1 職名・人員 助手 1名
2 専門分野 聴覚障害補償教育
3 担当領域 コミュニケーション指導,教材作成等
4 応募資格
短期大学設置基準に規定する助手の資格を有する者で,次の条件に該当する者
(1)手話を含めたトータルなコミュニケーション指導に関する能力,研究業績および教育工学的支援の能力を有す者
(2)おおむね30歳以下の者
5 採用予定日 2004年4月1日
6 応募締切日 2004年1月16日(金)(必着)
7 提出書類 (1)履歴書(別紙様式による)/(2)主要業績目録等(別紙様式)
(3)全業績リスト一覧(書式適宜)/(4)主要論文別刷(5編,コピー可)
(5)研究・教育計画書(様式適宜)(研究・教育についての将来の抱負を含む)
8 送付先 〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-3-15
筑波技術短期大学 庶務課人事係 電話 029(858)9308
封筒に「教育方法開発センター(聴覚障害系)教官公募書類在中」と朱書し,書留郵便で送付してください。なお,応募書類は返却しませんので,ご承知おき下さい。
9 照会先 筑波技術短期大学 教育方法開発センター(聴覚障害系)主任 小林正幸
10 その他 本学は聴覚障害者及び視覚障害者のための3年制の国立短期大学です。本センターは聴覚障害者の障害補償・情報保障の教育・支援に関する全国高等教育機関のセンター的機能をもつことが期待されています。
【目次】
障害者の法定雇用率(1.8%)を達成していない企業は「雇用納付金を納めれば,それで良い」という風潮があり,雇用率達成に向けての障害にもなってきた。
そこで,DPI(障害者インターナショナル)日本会議の金政玉氏が開示請求人となり,東京労働局長に対して障害者雇入れ計画の実施状況報告書(雇用率が低い企業に対し雇入れ計画を出させる報告書。雇用率が不達成の場合に制裁的な公表がされることになっている)と雇用率未達成企業一覧を,情報公開法に基づきそれぞれの全面開示請求を行った。
東京労働局長はほとんどの部分を不開示とする決定をしたため,2002年2月1日に厚生労働大臣に対し行政不服審査法に基づく審査請求の異議の申立を行ない,情報公開審査会(内閣府)において審査が開始された。
情報公開審査会は2002年11月22日付で,「雇用率未達成企業一覧につき,障害種別の一部を除いて企業名などは開示すべきこと」と,開示の答申を行ない,厚生労働大臣も同じ裁決を行なった。2003年5月16日,東京地裁は,全面開示ではないものの情報公開審査会の答申を追認する判決を下し,2003年9月8日,厚生労働省東京労働局は東京都内に本社がある未達成企業9012社の社名とその実雇用率などの一覧を公開した。
2000年度障害者雇用率未達成企業 9012社リスト
ここには,会社名,産業分類,全労働者数,障害者雇用数,障害者雇用率,雇用すべき障害者数が一覧の形で見ることができる。ざっと見た範囲では補聴器関連会社は入っていない。私立の大学の名前はいくつか挙がっている。来春から,国立大学が独立法人「国立大学法人」に変わり,おそらく雇用率も問題になってくることになるのであろう。また,教育公務員の法定雇用率は2%だが、総職員数 560,779人、重度障害者 1,880人、重度以外の障害者 3,220人で、重度障害者は1人雇用で2人雇用したとみなされるため、総雇用人数は1,880人×2+3,220人=6,980人となり、雇用率は 1.24%である。「雇用率は達成されていない」と言うことができ,かつ国、地方公共団体の雇用率 2.4%(法定雇用率 2.1%)に比べても低い値になっている。
■日本障害者雇用促進協会が独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」に
旧日本障害者雇用促進協会は,障害者の職業リハビリテーション,雇用率未達成企業からの納付金の徴収,それらを調整金,報奨金,助成金として配分する業務などを行ってきた。今年10月から,同協会は高年齢雇用開発協会と合併,新たな独立行政法人として生まれ変わった。
ホームページ= http://www.jeed.or.jp/。
【目次】
■大阪府立高等聾学校が誕生(2006年4月開校予定)
大阪府立生野高等聾学校と府立堺聾学校高等部が再編され,新たに「大阪府立高等聾学校」が開校されることなる。堺市大仙町(JR百舌鳥駅から歩15分)の大阪女子大学近くの土地にすでにある高等学校の校舎を利用し開校となる。開校に対しては,通学が遠くなる,周辺環境が良くないなどの反対運動も起こっている。
この開校により堺校の伝統ある歯科技工科は既に募集停止なるなど大幅な学科改編がなされ,普通科と職業科3学科,プラス2年制の専攻科となる。普通科には重複障害学級を併設。職業科は工業テクノロジー科,情報コミュニケーション科,ライフ・サポート科の3科。専攻科も職業3科となる。すでに2004,2005年度生徒募集もこの編成で行われる予定で,開校後,新しい学校に転学することになる。
■みずほ教育福祉財団がこばと聾学校藤岡先生に助成金贈呈
みずほ教育福祉財団は今年度から障害児教育の研究振興のために助成金を贈呈する事業を開始した。財源はみずほ銀行によるもの。初年度は熊本県立盲学校,一関市立山目小学校特殊学級の他,兵庫県立こばと聾学校の藤岡久美教諭の「聴覚障害児の早期コミュニケーションについての研究」が研究奨励の対象となった。助成金は3校併せて100万円。今年度末までの期間で研究報告をとりまとめ,冊子として発行されるという。
■米ノーリス社が日本に携帯電話用マイクを供給開始
アメリカのノーリス社と言えば,ダンバー,マイク,レシーバなど補聴器関連部品を独占的に製造しているメーカー。携帯電話が軽量,小型になるに従い,微細加工技術を持つノーリス社のマイク製造技術が買われた。このマイクは従来のエレクトレットコンデンサーマイクと異なり,ICチップのような形状で,振動に強く,ゴムの覆いが不要,高音に耐えられ基盤に直接無鉛ハンダ付けできることが特徴。100万個オーダーで1個70円ほどと聞くが,補聴器の世界では考えられない数。
■大学入試センター試験で2006年から英語にリスニングを導入
大学入試センター試験で2006年から英語にリスニングを導入する。聴覚障害受験者への対応がどうなるかは注目すべき点。さて,この際,受験生は教室のスピーカから一斉に聞くのではなく,一人づつ個別のイヤホンまたはヘッドホンを装着して再生機からの英語を聞くことになった。このイヤホンまたはヘッドホンは,回収・保管の手間を省くため,検定料に購入費用(1000〜2000円)が上積みされ,試験の度に購入され,試験終了後は処分されるという。う〜む,もったいない。
■周波数圧縮変換型補聴器「インパクト」が販売中止に
AVR社周波数圧縮変換型補聴器「IMPACT モデルDSR675」がAVR社で製造中止となり,国内でもGNダナジャパン(GNResoundジャパン)社が販売を中止することとなった(販売中止期日:12月末日)
なお,後継器種としては,「Impact Xp」が,耳かけ形FM補聴器 Extend-Earの後継器種としては「Logicom」が,海外では市販されているが,状況から国内での販売は難しいのではないかと思う。
■次回,APCDの実施大綱が明らかに
第9回アジア太平洋地域聴覚障害問題会議(The 9th Asia-Pacfic Congress On Deafness)は日本での開催が決まっているが,第40回全日本聾教育研究大会と抱き合わせで,2006年10月8日(日)〜10月11日(水)の間に,文京シビックホール(予定),筑波大学附属聾学校,筑波技術短期大学,筑波大学学校教育部などで開催される。
■補聴援助システムの大手通販がカタログを公開中
アメリカの補聴援助システムを中心に取り扱っている通販会社がカタログを公開している。来年3月までは下記のサイトで閲覧できる。
※やや大きなファイルなので高速な回線が使える環境でダウンロードして下さい。
※閲覧には Adobe Readerが必要。お手持ちない場合は下記からダウンロードして下さい。
【目次】
2月 釣りバカ日誌8 8日(日)AM 7:00〜
座頭市物語 15日(日)AM 7:00〜
AIKI 22日(日)AM 7:00〜
切腹 29日(日)AM 7:00〜
字幕入り放送へのご意見/リクエスト等は 衛星劇場編成部まで FAX:03-5250-2324
受信に関する照会は,パーフェクTV FAX:03-5802-8438か,上記衛星劇場まで。
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【目次】
■リード・マイ・リップス
孤独な男女が共犯関係によって結ばれる様子をサスペンス色たっぷりに描くラブストーリー。
カルラ(エマニュエル・ドゥヴォス)は,補聴器を装用し聴覚障害を持つOL。同僚から単調な仕事を押しつけられ不愉快な生活を過ごしていた。ある時から,服役を終えたばかりのポール(ヴァンサン・カッセル)が助手として付くことになる。ポールは粗野な男だが,カルラは強く引かれる。一方のポールは,彼女が読唇術の持ち主であることを知り,闇の組織から金を強奪する計画に利用しようと思いつく。
2人は恋愛を楽しむように共犯関係を深める。強奪計画を進めるカルラとポールが読唇術でやりとりをする場面では,“唇”のフェティッシュなクローズアップのほか,聴覚や視線にこだわった緻密な演出が施されている。監督・脚本は「天使が隣で眠る夜」のジャック・オディアール。 1時間59分。
写真から想像するに使用している補聴器はスターキーA675AVMM??。
上映予告:1月10日(土)〜23日(金) 新潟シネウィンド
上映時間照会 → http://www.wingz.co.jp/cinewind/
〒950-0909 新潟市八千代2-1-1 万代第2駐車場ビル1階
新潟駅より徒歩。TEL 025-243-5530 FAX 025-243-5603
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■暖〜ヌアン
第16回東京国際映画祭コンペティション部門出品され,東京グランプリを受賞した作品。農村を舞台に,初恋や希望を胸に抱える若者たちが,思いと裏腹に運命に翻弄される姿を綴った追憶のドラマ。日本人俳優 香川照之が耳の不自由な男ヤーバ役を演じ,優秀男優賞を受賞。『山の郵便配達』のフォ・ジェンチー監督。2004年秋公開予定。
【目次】
東京都教育委員会は,2002年7月に東京都の心身障害教育の諸課題に的確に対応するとともに,心身障害教育改善のための基本的な考え方・方向性を明らかにするため,「東京都心身障害教育改善検討委員会」を設置し,途中,「中間まとめ」を発表,意見募集,シンポジウム,説明会を実施してきた。これらの審議の結果をまとめた最終報告が公表されている。
「これからの東京都の特別支援教育の在り方について(最終報告)」
もちろん,東京都のまとめたものなので,全国に適用されるものではない。しかし,もっとも早くにとりまとめられたものとして参考にされるケースが続くのではないかと思う。ぜひ関係者の必読をお願いしたい。
全51ページに渡るもので私自身もすべてを読み通せていないが,気になったことは下記の通り。
1)「今後,法改正を含めた国の制度改正が,「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」(平成15年3月)のように進められることを前提として」と断っているものの,盲・ろう・養護学校を特別支援学校,小・中学校の特別支援教育の場を特別支援教室と表しており,かつ「盲・ろう・養護学校を(中略)特別支援学校に転換する」と書いてある。一方で,「特殊教育諸学校」の用語の替わりに「特別支援学校」を用いている箇所もあるなど,「転換」の真意がくみとれなかった。単純に「転換」し,いわゆる総合化を目指すとするならば,ろう学校存続の道をいかに求めていくかの次の課題が生まれて来るであろう。わずかに聴覚障害やろう学校に対する事情に言及しているものの,学校種別を「転換」する中で,聴覚障害の特性に必要な教育環境を維持するかの具体的記述が見られない。
2)LDへの対応が急務といえ,LDに関する記述が多く,特別支援教育全体に関する記述が相対的に少ない。特に視覚障害児教育に関する記述などは非常に少ない。
3)特別支援教室の具体的イメージを描いており,難聴・言語障害学級の存在について一定の理解を示したことは大きく評価できる。
4)地域の小・中学校に「副籍」を置くことを宣言している。とはいえ,その意味,教育的価値についての記述は少ない。特殊学校に籍を置く幼児児童生徒の保護者に対する,いわゆる「ガス抜き」のためとしか思えない。中途半端な籍の分配は,教育をする側の責任感を希薄化したり,十分な授業時間数の確保が難しくなると言う問題も考えられよう。何の意味の副籍なのか,最終報告を読んでも理解できなかった。
【目次】
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