2004年7月12日発行(第2・4月曜日発行)
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聴能情報誌 みみだより 第3巻 第477号 通巻562号
編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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立入 哉 :h-tachi@js2.so-net.ne.jp
講習会開催:福岡県立久留米聾学校第8回聴覚障害教育夏期講習会
研修会開催:第4回障害者高等教育支援【交流・研究・研修】会
研究会開催:日本音響学会聴覚研究会・建築音響研究会
製品紹介:(輸入)和太鼓
議事要旨:中央教育審議会特別支援教育特別委員会
関連学会,研究会誌 Contents
「骨で聞く商品 続々」読売新聞2004年1月21日掲載記事転載※
「頭がい骨で聴こう」毎日新聞2003年12月11日掲載記事転載※
「骨を震わせ声を聴く」産経新聞2003年12月11日掲載記事転載※「脳聴覚研究と工学融合」日本経済新聞2004年4月15日掲載記事転載※※インターネットHPへの掲載を許可されていません。
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講習会開催
福岡県立久留米聾学校 第8回聴覚障害教育夏期講習会
1 期 日 2004年7月22日(木)〜23日(金)
2 会 場 福岡県立久留米聾学校
3 対象者 聴覚障害児が在籍する幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学の教員及びことばの教室、
難聴学級の教員、交流校教員、聾学校教(経験の浅い方)、病院、通園施設その他関係者
(定員100名程度)
4 参加費 1000円(資料代等)
5 申込方法 参加申込書を7月15日(木)までに、郵送またはFAXにて送信
6 申込先 〒839-0852 久留米市高良内町2935 久留米聾学校 野村健二FAX:0942-45-0139 email:jimu@fhkurume.fku.ed.jp
7 日 程第1日目(7月22日)《第8回聴覚障害教育基礎講座》
9:00〜 9:30 受 付(玄関ロビー)9:30〜10:20 公開授業(幼児教育相談、幼稚部、小学部、中学部)10:30〜10:45 開講式(プレイル−ム)10:55〜12:30 シンポジウム「聾学校のセンター的役割を考える。」コ−ディネ−タ 本校教頭 麻生勝喜シンポジスト 本校卒業生保護者 冨山敬子氏聖マリア病院 言語治療室 西山栄子先生本校同窓会 井形美子氏福岡県教育センタ−特別支援教育部 中野康子先生12:30〜13:30 昼 食13:30〜16:20 基礎講座(プレイルーム・ランチルーム・応接室)
13:30
14:50
15:00
16:20
プレイルーム 応 接 室 ランチルーム 講座A:ことばの教室の取り組み <実践事例発表と協議〉
大野城市立大野北小学校
ことばの教室講座B:きこえと補聴器について
<聴覚障害児のきこえや補聴器について>
【 本校職員 】講座C:聴覚障害児と障害認識
<障害認識についての概論と事例報告>
【 本校職員 】休 憩 講座D:発音・発語指導 <発音指導の基礎と演習>
【 本校職員 】講座E:LD・ADHD児の指導について
柳川市立城内小学校
酒見さつき教頭先生講座F:教科指導の実際<教科指導における配慮点や実践報告>
【 本校職員 】
9:00〜 9:30 受 付(玄関ロビー)9:30〜 9:45 諸連絡9:45〜12:00 講演会 演題:「手話を活用した日本語の指導について」12:00〜13:00 昼 食
講師: 兵庫教育大学教授 鳥越隆士先生13:00〜14:50 分科会テ−マ「インテグレーションの現状と課題」第1分科会:幼稚園・保育園(プレイルーム)(協議題)「聴覚障害のある幼児の園生活について」(報告者) かおり保育園 永江ふみ子先生
第2分科会:小学校低学年(ランチルーム)(協議題)「学習や生活場面における、お互いが伝え合うための方法について(報告者) 山門郡瀬高町立水上小学校 木下千恵先生
第3分科会:小学校高学年(図書室)(協議題)「聞こえないことの理解を広げる取り組み」(報告者) 筑後市立古川小学校 大月弘子先生
第4分科会:中学校・高校(応接室)(協議題)「聴覚障害のある生徒の学力保障」
(報告者) 福岡県立小郡高等学校 時津佳代先生
福岡県立福岡高等聾学校 堀江卓生先生
14:50〜15:00 閉会行事(各分科会にて閉会、アンケート回収)
参加申込書 送信先FAX:0942-45-0139
氏 名 所 属 住 所
(TEL)参加希望日 第1日目(22日) 第2日目(23日) 1日目
参加希望講座13:30〜14:50 講座A 講座B 講座C 15:00〜16:20 講座D 講座E 講座F 2日目
参加希望講座第1分科会:幼稚園・保育園 第2分科会:小学校低学年
第3分科会:小学校高学年 第4分科会:中学校・高校お弁当 22日(注文・不要) 23日(注文・不要) 講座に対する希望や、日頃の指導上の悩み等があれば記入してください。
また、手話通訳やFMマイク等の使用に関して必要の有無があればご記入下さい。
研修会開催
第4回障害者高等教育支援【交流・研究・研修】会
毎年恒例の,障害者高等教育支援【交流・研究・研修】会を下記の要領にて開催いたします。今回は,午前中に愛媛大学の立入先生に愛媛大学での取り組みについてご講演を,午後からは,この【交流・研究・研修】会としては初めて,軽度発達障害のある学生への支援を取り上げます。会員の皆さまをはじめ,関係者の皆さまもぜひご参会ください。
日 時 2004年7月25日(日) 10:00〜16:00
場 所 早稲田大学(西早稲田キャンパス) 国際会議場 井深大記念ホール
内 容9:20〜 受付開始総合司会 支援センター副会長 谷□満男9:50 開会挨拶 支援センター会 長 寒川英希
10:00〜12:00 講演「愛媛大学における障害学生の支援」
愛媛大学教育学部 助教授 立入 哉
12:00〜13:20 昼食 休憩
13:20〜16:00 シンポジウム「大学における軽度発達障害のある学生への支援」話題提供者 独立行政法人 国立特殊教育総合研究所 主任研究官 佐藤克敏
東海大学教育研究所 助教授 福田真也
成蹊大学文学部 専任講師 岩田淳子岐阜市立岐阜養護学校 教諭 神山 忠司会者 支援センター理事・第4回準備委員長 関戸英紀
16:00 閉会挨拶 支援センター副会長 鈴木陽子参加費 3000円
今回は,事前の申し込みは必要ありません。直接会場にお越しください。また,申し訳ありませんが,お渡しできる資料は,活字印刷物のみとなります。情報保障に関しては,パソコン要約筆記の用意をしています。
連絡先 日本障害者高等教育支援センター 事務局長 鶴岡大輔〒162-0051 東京都新宿区西早稲田2-2-8 国心身障害児福祉財団ビル内Tel/Fax 03−5272−3480E-Mail center@jahed.jp URL http://www.jahed.jp
研究会開催
日本音響学会 聴覚研究会・建築音響研究会
1.聴覚・建築音響研究会開催日 :2004年7月26日(月)10:30-17:00
場 所 :NHK放送技術研究所 2階 第一・第二会議室(東京都世田谷区砧1-10-11, http://www.nhk.or.jp/strl/)
演 題 :15:30-16:30演題7.純音の聴覚閾値と音楽聴取時の可聴周波数上限○蘆原 郁,桐生昭吾(産総研)2.日本音響学会聴覚研究会開催日 :2004年9月17日(金) 10:00-17:00
会 場 :機械振興会館(東京都港区芝公園3−5−8)地下3階2号室
開催趣旨 : 発達や加齢に伴う言語認知過程や能力の変化を捕らえる研究は,発達,加齢に直接関わ
る,教育や福祉分野への貢献のみならず,言語脳機能解明のための重要なデータを提供して
くれると期待されます。今回,麦谷先生には,言語の獲得,発達過程に関して,辰巳先生には,
加齢による言語処理の変化に関して,これまでの知見,最新の動向を含め,ご自身の研究を
紹介していただきます。
招待講演 :(講師の方の都合により変更になる場合があります):1.「乳幼児の音声言語獲得」麦谷綾子(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)乳幼児の母語獲得過程を,音声知覚と音声発話から検討した研究を紹介する。2.「言語機能の加齢変化」辰巳 格(東京都老人総合研究所)加齢に伴う言語機能の劣化に関して失語症などとの比較も含めて紹介する。
題目申込 :2004年7月16日(金)締切
募集テーマ:「言語の獲得から忘失まで;発達と加齢を中心に」
申込方法 :件名(subject) 欄は「submit」で下記を送信する。e-mail: To: kondoutdh@nttdata.co.jp; unoki@jaist.ac.jp(2カ所に送信する)思考と言語研究会・聴覚研究会 発表申込書 申込日: 年 月 日[発表予定内容情報] 題目,英題目,著者名(所属)[口頭発表予定者に○],英著者名(英所属),
キーワード,アブストラクト(200文字程度),発表時間のご希望があればお書きください(プログラム編成上
必ずしもご希望に添えるとは限らない点予めご了承下さい),発表に必要な機材(OHP, VHSビデオ, プロジェクター等)[原稿案内送付先・連絡先情報](原稿執筆案内はメールにて送付されます)住所:〒,氏名,E-mail,TEL,FAX詳しくは,日本音響学会聴覚研究会(http://wwwsoc.nii.ac.jp/asj/H)を。
製品紹介
( 輸 入 ) 和 太 鼓
和太鼓といえば「高級品」。しかし,最近,輸入品が登場してきた。輸入品の特徴は何と言っても価格。国産和太鼓に比べてかなり安い価格で流通し始めている。下記の会社では,輸入和太鼓をネット販売している。流通マージンのない価格で購入できるので,さらにお得。「あと1台ほしい」「破れてしまって・・・」というとき,ちょっと比較してみて下さい。株式会社 諏訪工芸 埼玉県北足立郡伊奈町寿2−343電話 048-722-5154 FAX 048-722-9980写真上:厚皮和太鼓 2.0尺 台座、バチ二組付き 53,000円太鼓、台座、バチ二組のセット価格です。皮は牛皮使用 胴と台座は松材を使用 金具4個で銅製サイズ:面62cm×胴長72cm×全高135cm写真下:厚皮和太鼓 2.0尺 四角台座、バチ二組付き 53,000円太鼓、台座、バチ二組のセット価格です。皮は牛皮使用 胴と台座は松材を使用 金具4個で銅製サイズ:面62cm×胴長72cm×全高88cm
■GNリサウンドジャパン株式会社はコクレア製品の販売を中止。
人工内耳の販売チャネルは,日本コクレア社が全面的に行うことになった。
両者は,7月1日より,それぞれの専門分野に集中すること、つまり日本コクレアは人工内耳に、GNリサウンドジャパン(旧:GNダナジャパン株式会社)は主力製品である補聴器及び聴覚検査機器に特化することで将来の展開を図っていくことで相互に合意した。日本コクレアは今後,全国に独自の流通網を段階的に導入する。
議事要旨
中央教育審議会 特別支援教育特別委員会
中央教育審議会初等中等教育分科会(第20回)の論議で誕生した「特別支援教育特別委員会」の審議が始まっている(詳しくは「みみだより472号6ページ」参照)。今回は,第1回,第2回の議事を紹介する。全文を載せられないので,聴覚障害関連の部分を主に抜粋し,順序なども変えてある。お時間のある方は,ぜひ全文を読んでいただきたい。中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育特別委員会(第1回)議事要旨(抄)
1.日時:2004年3月18日(木曜日)10時30分〜13時
2.場所:都市センターホテル5階「オリオン」
3.議題:(1)委員長の選任について(2)特別支援教育の在り方について(3)自由討議(4)その他
4.配付資料資料1 中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育特別委員会委員名簿資料2 特別支援教育特別委員会の設置について資料3−1 「今後の特別支援教育の在り方について」及び対応した施策の概要資料3−2 「特別支援教育」に関する検討について資料4−1 義務教育段階における特殊教育に関する制度について資料4−2 特別支援教育の現状資料4−3 「最終報告」を受けた文部科学省の取り組み資料4−4 各都道府県(政令市)における特別支援教育の取組資料4−5 「今後の特別支援教育の在り方について」に対する主な意見
5.出席者(委 員)木村分科会長、高倉委員(委員長)、西嶋委員、宮崎委員(委員長代理)、阿部委員、市川委員、伊東委員、伊藤委員、今井委員、大南委員、川邊委員、斎藤委員、 佐藤委員、瀬戸委員、中島委員、藤田委員、藤原委員(事務局)馳大臣政務官、樋口初等中等教育局担当審議官、金森初等中等教育局担当審 議官、上月特別支援教育課長、内藤特別支援教育企画官、中山国立特殊教育総合研究 所理事、その他関係官6.概要(1)事務局から、委員長に高倉委員を指名し、委員長の指名により、委員長代理に宮ア委員が就任した。(2)事務局から資料の説明があった後、意見交換が行われた。その概要は以下のとおり。教員の免許状についての検討の際に、この特別委員会と教員養成部会の特殊教育免許ワーキンググループとどのように連携させるのか。盲・聾・養護学校制度についての議論を本特別委員会で行い、特殊教育免許については本特別委員会の議論を踏まえ、特殊教育免許のワーキンググループにおいて検討を行っていただきたいと考えている。特殊教育免許のワーキンググループにおいては、既に盲・聾・養護学校制度を前提に特殊教育免許の総合化について検討しているので、盲・聾・養護学校制度を見直すことになっても十分関連性を持った議論ができると思う。盲・聾・養護学校制度をどう考えるのかという議論を先にして、その後に特殊教育免許についてもまた考えていくということか。特殊教育免許の総合化と盲・聾・養護学校制度の見直しには共通する課題があると考えているのでそのようになると考える。盲・聾・養護学校の幼稚部、高等部は検討の対象にしないのか。幼稚部、高等部、あるいは専攻科についても検討の一部としてぜひ加えていただきたい。基本的には義務教育の段階が中心に検討をお願いすることとなると思うが、幼稚部段階、高等部段階を対象としないというわけではない。資料4−5で各関係団体からの要望というのが出ている。これらの課題を整理して、この委員会で解決されることを期待したい。特別支援教育コーディネーターの位置づけ、職務が明確になっていない。コーディネーターには、特別支援教育に対する専門性のほか、校内での調整役としての資質も必要であるので、養成が重要である。しかし、特別支援教育コーディネーターにとっては、コーディネーターとしての経験に加えて、その学校における経験も必要ではないか。小学校の実態としては、通常学校、通常学級の中に多数の障害のある児童を受け入れ、不十分な支援の体制の中で障害のある児童に対して教育を行っている。従って、特別支援体制に向けての具体的な条件整備、人的配備、財政的な援助も含めて各都道府県教育委員会等に対する具体的な施策を明確にしてほしい。条件整備については、初等中等分科会教育行財政部会教育条件整備に関する作業部会で検討しており、その部会とも連携をとりながら検討を進めていくことになると考えている。通常の学級に在籍するLD、ADHD等の子ども達への対応は必要だが、現在の学校は様々な教育課題があり、特別支援教育だけに専念できないのが現状。したがって、特別支援教育を推進するために、人的な措置についても検討する必要がある。通常学級の先生方には、教員としてのベースがあるので、障害児教育のノウハウを積み重ねていけば十分な支援ができるのではないか。従って、特別支援教育の中に通常学級の先生方の力を取り込んでいくことが重要なことではないかと思う。また、通常学級の先生方のLDやADHD等の障害に対する理解を高めていくことが必要なのではないか。一方では、教育の現場に障害のある先生が非常に少ないのが現状で、理解を進める上でも問題となっている。障害のある方たちも、資格を取れるような社会の仕組みも必要。今後、盲・聾・養護学校の制度が変わって特別支援学校という形態になるとしても、複数の部門を持つ学校だけでなく、例えば聾学校のような、単一部門のみの学校に対する強いニーズもあるということは理解してほしい。盲・聾・養護学校の現在の見直しについては実際に動き始めている自治体もあるが、現行の制度をもとにしているため、制度が変わればより円滑に動くようになると思う。なお、制度を変えるということは今までの盲教育、聾教育、養護学校の教育を否定するものではなく、盲学校、聾学校を壊すものではないだろうと思う。また、盲・聾・養護学校と小・中学校あるいは幼稚園、高等学校との連携というのは前々から言われているが、なかなか具体化していかない。ただ、先進的な実践は行われており、そういう事例を検討しておく必要がある。特に小・中学校において、新しい制度の中で現在の知的障害の特殊学級の役割なり機能をどういう形で新たなものに変えていくのか。さらに、一つの学校で考えるというのではなくて、区市町村単位で考えていく必要があるのではないか。教員の専門性について現在の盲学校、聾学校、養護学校教員免許を総合化した形でどういうふうにすればいいか。学校立てでいく今の制度そのままでいくのか、それとも特別支援教育という形で考えるか、これらを今後の課題として考えていく必要がある。特に、特別支援教育が制度上でどういうふうに位置づけられるかによって、免許状の内容が変わってくることに留意する必要がある。現在の通常の学校の中では、特別な支援を必要とする子どもについての対応が十分になされてこなかったこともあり、「今後の特別支援教育の在り方」の最終報告の中では、「盲・聾・養護学校の在り方」と「小、中学校の在り方」について、今の制度の見直しをしなければいけないというのが基本的な考え方だった。現在のいろいろな資源をどう再編・整備をしていくかということを踏まえ、条件整備について考える必要があるのだろうと思う。そのためには、法律の改正も当然考えざるを得ないだろう。その上で二点提起しておきたい。1点目は、13年1月に出された「21世紀の特殊教育の在り方について」の報告書の中で、乳幼児期から一貫した支援体制ということが言われており、これを基本的に考えながら、学校の制度をどう考えるかということである。盲・聾・養護学校と小・中学校がきちんとした連携をとる。お互いに相互乗り入れのような対応をしないと難しいのではないかと思う。一つ気をつけなければいけないのは、現在は盲・聾・養護学校が3種別ということでカテゴライズされているが、これを軽度発達障害まで広げたときに、カテゴリーをどうするか。「レッテル張り」というような懸念を踏まえつつ、判定や判断の在り方なども今後検討していただきたい。2点目は、小・中学校ではスクールカウンセラーが入ったりしているが、特別支援教育コーディネーターとのリンクという問題も同時にある。これらの者がうまく整合性を持っていけば、小・中学校の現場が今抱えている苦労がかなり軽減できていくシステムができていくと思う。中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育特別委員会(第2回)議事要旨(抄)
1.日時:2004年4月21日(水曜日)10時〜13時
2.場所:グランドアーク半蔵門3階「光」
3.議題:(1)特別支援教育の在り方について関係団体からの意見聴取(2)その他
4.配付資料資料1 全国特殊学校長会提出資料資料2 各障害種別全国PTA連合会提出資料資料3 全国連合小学校長会提出資料資料4 全国特殊学級設置学校長協会提出資料資料5 特別支援教育特別委員会の今後のスケジュール(案)
5.出席者(委 員)高倉委員(委員長)、宮崎委員(副委員長)、西嶋委員、阿部委員、市川委員、伊東委員、大南委員、川邊委員、斎藤委員、瀬戸委員、中島委員、藤田委員、藤原委 員、宮田委員(事務局)金森初等中等教育局担当審議官、嶋野主任視学官、辰野初等中等教育企画課 長、山下特別支援教育課長、内藤特別支援教育企画官、細村国立特殊教育総合研究所 理事長、中山国立特殊教育総合研究所理事、その他関係官
6.概要意見聴取の後、各団体について質疑応答。【全国特殊学校長会】各教育部門を柔軟に置くということでは、例えば地域の実情に従って単一部門の、例えば盲学校とか、聾学校というものが今後もあり得るという理解でよいか。特別支援学校について、センター校的な役割については、都市部では果たせるものと思うが、過疎地の場合はどうか。基本的には、あり得るという理解でよい。しかし、過疎地の場合は、子どもたちの望んでいる適切な就学状況が実現しない状況が出てくるので、特別支援学校として各教育部門を持った学校を設置することも、可能にしようということ。複数の教育部門を持った学校を備えていくことは、むしろ過疎部のほうにとって重要。できるだけ家から近いところに通えるように、複数の教育部門を持った学校を、今後は設置することができるような制度を希望したい。小・中学校等に対する教育上の支援、あるいは小・中学校における特別支援教育の推進体制の整備については、小学校の校長会、中学校の校長会、さらには幼稚園長会、高等学校の校長会等と、今後、どのように連携・協力していくのか。小・中学校の理解が進まなければ、特別支援教育は進んでいかないと認識しており、その地域、地域において、エリアの小・中学校を含めて連携を強めていく必要がある。同時に、全国特殊学校長会としても、障害種別の校長会も含めて今後、各校長会との連携を強めていく必要がある。小・中学校において必要があれば、その地域でセンター的な機能を担う盲・聾・養護学校に、連絡をとったり、小・中学校との連携協議会を開催するというような形で、今後、密接に連携をとりながら小・中学校での理解促進を進めていきたい。特別支援教室の教員の免許状というのは、特別支援学校の教員の免許とは別のほうがいいとお考えなのか、あるいは一本でもいいのか。免許状について、盲・聾・養護学校に勤務する教員については、総合化された免許状を誰もが持つという制度にする必要がある。同時に、現在の盲・聾・養護免許には、認定講習で取得できるという制度があるが、例えば特別支援教室、あるいは特別支援教育コーディネーターについても、そのような制度であれば、免許を持つ必要があると考えている。障害のある子どもの基礎的な、又は初期的な状況がわからない人が、特別支援教育コーディネーターをやっていくのはやはり難しいのではないか。その働きというのは、特別支援教育の中でネットワークをつくっていくときの中心的な役割を持つキーパーソンであり、基本的な勉強をしてほしい。ただし、最初に免許を持ってなければコーディネーターになることができないというようなことではなくて、コーディネーターを勤めながら免許を取得していくということも可能にしてもよいのではないか。【各障害種別全国PTA連合会】実践を伴う免許状という部分については、盲学校では、やはり点字ができるかどうかが重要。聾学校では、やはり手話ができない先生が来ても、指導をしていけないのではないか、と思う。意見によれば、特別支援学校になった際に、特に教員の各種別の専門性の低下を懸念されており、また同時に総合免許状が必要だとも言われる。両方の免許状を持った先生が配置される必要があるという考えなのか、あるいは専門的、総合的な免許状を持った先生が、いろいろ存在することが、子どもたちの成長・発達のために、本当に有効な教育をしてくれる特別支援学校になる、という考えなのか。教員の専門性については、子どもが複数の障害を抱えているときに、まず主障害としてどれを選択するかということを迫られるという状況になっているのが現実。こういう子どもたちにとっては、特別支援学校という形で、障害種別の部門を幾つか併設することで、同じ学校の中で複数の専門性を持った先生がいることになるため、学校の中のコミュニケーションで、専門性を配慮した教育を受けられるようになるのではないかと期待している。従って、それぞれきちんとした専門性を持つ先生が、特別支援学校の各部門にいることで、学校の中の総合的な専門性が向上していくのではないかと期待している。特別支援教育については、現実の問題としては一般の保護者にはほとんど認識されないまま動いている。今までは子どもたちだけではなくて、結果的に保護者も分離してしまっているので、お互いの情報交換はこれまで現実にはほとんどない。しかし、日本PTA全国協議会も、盲・聾・養護学校に通っている子どもたちの保護者の方々と連携をとろうという動きをしているので、一緒に、情報交換できる場を増やすことについて協力する必要があると思う。【全国連合小学校長会、全国特殊学級設置学校長協会】特別支援教室になった場合に、現在の特殊学級の教育的サービス、あるいは教育水準が低下するのではないか、という懸念があるとすれば、二、三具体的にお聞ききしたい。また、特別支援教室の教員に対する免許状、あるいは特別支援教育コーディネーターに対する免許状について、今後検討する特別支援学校の免許と同じものでいいのか、別のものを設定する必要があるのか。さらに、特別支援教室の運用や教員の指導方法について、何か考えがあればお聞きしたい。それぞれの障害種の児童生徒が大変多くなってくる中で、きちんとした対応ができるかどうかという心配が一番大きい。また、一人の教員がいろいろな障害種のあるお子さんを見るということが果たして可能なのかどうか。なお、免許状については議論を細かくは詰めていないが、例えば、コーディネーターについては、カウンセラー的な要素なども、必要になるのではないか。特別支援教室として言われている制度と、いわゆる特殊学級の制度との決定的な違いは、学級としての編制をしているかどうかということである。現在、固定式の特殊学級では担任教員が、子どもを常に把握し、指導をするということが可能な制度になっているが、特別支援教室になった場合に、児童生徒の生活全体についての把握ができるかどうか不明である。4点お聞きしたい。第1点は、特別支援教育コーディネーターについて、施行規則の中に主任として明確にすべきと考えているのか。2点目は、特別支援教室になった時、教職員待遇上の格差については、どのように考えているのか。3点目は、特に適正就学の問題について、どんな具体的な課題があるのか。4点目は、都市部における盲・聾・養護学校の分校や分教室の設置についてはどう考えるのか。コーディネーターについては、東京都では、教頭と一般職の間に主管という制度があるが、そのような位置づけにしたらどうか。処遇について、特殊学級がなくなったときに、その手当がどうなるべきかについてはまだ特に考えていない。例えば夏休みを利用して、特別支援教育にかかわる講習を全ての教職員が履修するようなことが必要。そうでないと、小・中学校においては、特別な免許を持ったコーディネーターのみの負担が大きくなって理念が徹底しない。適正就学については、保護者の意思をどこまで尊重するのかということで判断が違ってくる。そのときに、障害の種類によって盲・聾・養護学校の分教室または分校を多く設置するのは一つの解決策。ノーマライゼーションの時代なので、都市部においてもせめて自宅から30分以内の場所に分校や分教室ができないだろうかと考えている。(2)関係団体からの意見聴取の後、意見交換が行われた。その概要は以下のとおり。特別支援教育コーディネーターの能力がいくら高くとも、現場の仕事をしながら、地域を走り回ることはなかなか難しい。行政からの支援も現状では乏しい。たとえ校長が代わっても、教育委員会の体制が変わっても、コーディネーターの活動がしっかり継続していけるような体制整備が必要。特別支援教育の担当者の免許については、担当者のすべてに対して、肢体不自由児に対する体制の管理ができ、点字ができ、そして手話ができるという、スーパーマン的な人間にどんどん育てていけるかというと、現実には難しい。総合性と専門性を、どのように免許、資格、制度に反映できるかというところが大きな課題になる。コーディネーターについては、複数の者が分担しながら担っていくという形も考えていいのではないか。そうすれば、仕事の負担が軽減されると思う。養護学校の教員の立場では、現在は、個別の指導計画のままであり、個別の教育支援計画にはまだなっていないと感じる。保護者の話を聞くと、とにかく地域での暮らしと結びついた養護学校の生活であってほしいという願いがひしひしと伝わってくる。しかし、養護学校の教員はまだ自分のテリトリーをかっちり決めた中でしか仕事ができていない。養護学校の教員のこれからの専門性には、コーディネーターとして、いろいろなプランニングをできるということも入ってくると思う。なお、LD、ADHD、高機能自閉症については、通常学級の先生の指導力の問題と思っている。先ほど再教育という発現もあったが、通常学級のすべての教員が同じような資質を持つような研修をしていかなければいけないのではないか。1点だけお聞きしたい。現在、小・中学校における特殊教育の制度は、学校教育法の第75条の特殊学級と、施行規則の第73条の21の通級による指導の2本柱となっている。この点については、今後どのように考えていったらいいか。通級による指導は、非常に効果を上げており、固定式の特殊学級も、やはり必要に応じてつくられてきていて、効果を上げてきている。このため、これらを一本化することは大変難しい。キーポイントは、校長のリーダーシップとコーディネーターの育成にかかっているのではないか。小学校の場合は学級担任制であるから、ある程度柔軟な構えができるが、相応の人材は必要だろう。一方、中学校は、教科担任制の中での特殊学級の体制をどのように維持するのか、また、特別支援教室に転換するのかについて十分に検討していただきたい。目次:配布資料:資料4−5「今後の特別支援教育の在り方について」(最終報告)に対する主な意見(○:都道府県・指定都市教育委員会、□:関係団体)※最終報告の個々の提言事項を単に支持する内容の意見は省略している。1.盲・聾・養護学校(特別支援学校)における制度の見直しについて【盲・聾・養護学校(特別支援学校)制度について】□ 「特別支援学校」制度への転換は支持するが、個々の障害種に対応した教育の低下を招くことのないような配慮が必要□ 「特別支援学校」制度に転換する場合であっても「盲学校」「聾学校」という呼称は引き続き名乗れるようにすべき□ センター的機能を有する「特別支援学校」の考えは、理念としては一定の評価ができるが、通常学級や特別支援教室との関係でその位置や役割・機能が不明確○ 都道府県が必要に応じて盲・聾・養護学校を設置しなければならないこととしている学校教育法の規定を見直すべき○ 盲・聾・養護学校の設置基準を定めるべき○ 盲・聾・養護学校の分教室に関する基準を設けるべき○□盲・聾・養護学校に関する学級編制・教員配置の基準の弓車力化○□盲・聾・養護学校に原則として寄宿舎を置かなければならないこととしている学校教育法の規定は実態に合わないので見直すべき□ 盲・聾・養護学校における訪問教育の位置づけの明確化【その他】□ 制度的な見直しに伴う教育条件整備○ 盲・聾・養護学校の児童生徒が地域の小・中学校に副次的な籍をおいて交流を行う仕組みについての検討も行うべき。□ 盲・聾・養護学校と居住地の小・中学校との交流教育の推進○ 盲・聾・養護学校の幼稚部及び高等部の充実に関する検討も必要○□看護師、教諭以外の専門家の配置を積極的に進めるべき2.小・中学校における特別支援教育推進体制について【特別支援教育推進体制について】○□特別支援教育コーディネーターの位置づけの明確化○ 巡回相談員や専門家チームの一員となる専門家の育成○ 文部科学省と厚生労働省との一層の連携協力○□全ての教員に対する特別支援教育に関する研修、意識啓発の充実○□特別支援教育推進体制に関する人員・財政措置□ 小、中学校におけるLD、ADHD等の対応のための教育条件整備が必要□ 「個別の教育支援計画」は、保護者を交えて作成するべき【特殊学級・通級による指導(特別支援教室〉について】○ 特別支援教室は様々な形態が考えられることを明確にすべき(巡回式、拠点式等)□ 特別支援教室は支持するが、従来、特殊学級に在籍してきた児童生徒への教育の低下を招かないようにすべき○ 特別支援教室と並行して特殊学級の設置も認めるべき□ 特殊学級を存続させるべき(指導の質の低下や通常学級におけるいじめへの懸念等)○□院内学級は他の特殊学級とは事情が異なるため、従来通りの設置形態を認めるべき○ 通級による指導の制度を存続させるべき○ 特殊学級は段階的な解消を図るべき□ 特別支援教室は全ての小・中・高等学校に設置すべき□ 特殊学級設置校以外では、今後の特別支援教育への対応に困惑□ 通常学級により多くの障害のある児童生徒が参加することにより、教科指導に支障が生じないかを懸念○ 特別支援教室の制度の対象にLD、ADHD、高機能自閉症を加えるべき○ 幼稚園、高等学校における特別支援教室についても検討すべき
★International Journal of Audiology 43(4)2004「Evaluating the health-related quality of life effects of cochlear implant: a prospective study ofan adult cochlear implant proglam」Graeme Hawthorne, Authony Hogan, Ellen Giles, MerrilStewart, Lee Kethel, Kate White, Plaith, Karen Pedley, Emma Rushbrooke and Alan Taylor183-192「The effect of initial stimulus type for visual reinforcement audiometry」Paul Shaw and Thomas Nikolopoulos 193-197「Comparison of three procedures for initial fitting of compression hearingaids.III.Inexperienced versus experienced users」Josephine Marriage, Brian C. J. Moore and Jose I. Alcantara 198-210「Changing characterstics of first-time hearing aid applicants in The Netherlands in the pastdecade」Danielle E. M. Brunenberg, Michelene N. Chenault and Lucien J. C. Anteunis 211-217「Tinnitus impairs cognitive efficiency」R. S. Hallam, L. McKenna, and L. Shurlock 218-226「Monaural and binaural perception of approaching and withdrawing auditory images inhumans」Jacob A. Altman and Irina G. Andreeva 227-235「Influence of stimulus frequency on NRT recordings」Basile Charasse, Jean Mark Chanal, Christina Berger-Vachon and Lionel Collet 236-244★THE HEARING JOURNAL 57(5)2004「New feedback-cancellation algorithm reported to increase usable gain」Huanping Dai and Zezhang Hou 44-47★Language, Speech, and Hearing Services in School 35(2)2004「School-Age Follow-Up of Children With Childfood Apraxia of Speech」Barbara A.Lewis, LisaA. Freebairn, Amy J. Hansen, Sudha K. Iyengar, and H. Gerry Taylor 122-140「Performance of Elementary-Grade Afirican American Students on the Gray Oral ReadingTests」Horry K. Craig, Connie A. Thompson, JUlie A. Washington, and Stephanie L. Potter 141-154「Narrative Discourse in Billingual Children: Langage and Task Effects」Christine E. Fiestas and Elizabeth D. Pena 155-168「Speech Perception Benefits of FM and Infrared Devices to Children With Hearing Aids in aTypical Classroom」Karen L. Anderson and Howard Goldman 169-184