2002年4月22日発行(第2・4月曜日発行)

News Source of Educational Audiology

聴能情報誌  みみだより  第3巻  第432号  通巻517号


編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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【目次】第432号

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430号 記事訂正

430号:第36回全日本聾教育研究大会 北海道大会
2.日  程  (誤)2002年10月8日(水)〜10日(金)
        (正)2002年10月8日()〜10日(
 
 ※9日に開催される研究発表分科会に「18.職業教育」の分科会設置が決まりました。
 ※会員外参加費は5500円です。

【目次】



特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議
障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校に関する作業部会(第4回)議事要旨


1.日時  平成14年3月14日(木)14:00〜17:00
2.場所  霞山会館2階会議室
3.出席者
(協力者)緒方、河端、斎藤、竹中、西條、野崎、細村、三浦、宮崎、望月、森原、山本の各氏 (文部科学省)池原特別支援教育課長、鈴木視学官、安藤企画官、古川調査官ほか関係官 (意見発表者)A養護学校三苫校長
4.議事内容
 事務局より資料に基づき「重複障害への教育課程の在り方と障害種別の枠を超えた盲・聾・養護学校における指導の在り方について」説明の後、フリートーキングが行われた。主な意見等は以下の通り。
 
○ 小中学校の教員と盲・聾・養護学校の教員の交流を行って、子どもを指導する観点は同じだという感性を教員にもってほしい。
△ 都道府県によっては、盲・聾・養護学校と小中学校で人事交流を行っているし、市町村立では当然盲・聾・養護学校と小中学校で人事異動がある。
○ A短期大学では聴覚障害の学生が50人いるが、聾学校で育ってきた学生と難聴学級等で育ってきた学生では、聾学校で育ってきた学生の方が精神的な安定性がある。難聴学級等で育ってきた学生は人間発達上、仲間が少ないという点で精神的に不安定な人が多い。聴覚障害の子どもには仲間をつくってあげることが大事である。視覚障害の子どもについては、全盲の子どもは、視覚障害ということが周囲の人も分かるので安定するが、弱視の子どもは一見分からないので、周囲に伝わりにくく、どうしても学習の遅滞や友達が出来ないということが起こりやすい。盲学校に在籍している重複障害の子どもは障害種別の枠を超えた養護学校で対応しても良いと思うが、単一障害の学校も必要である。盲・聾学校で指導を行わないと伸びない子どもの場合と、少しでも自己主張が可能で、特殊学級や通常学級で対応できる子どもの場合とがある。




 ホームページでの公開議事録ではA短期大学となっているが,実は,筑波技術短期大学のことであろう。こうした事情,ろう学生がろう学生集団を形成することには一定の価値があると思う。だからこそ,筑波技術短期大学の存続価値があるのだ。筑波大学との統合ではなく,筑波技術短期大学が従来のように独自の方針と,フレキシブルな体制を維持することは,そうした環境を守り抜くためにも必要であろうと思う。参考→ ペーパーメディアの20ページの新聞記事転載ページをお読み下さい。

【目次】



中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会
特殊教育免許の総合化に関するワーキンググループ(第3回)議事要旨
 
1.平成14年3月5日(火)14:00〜17:00
2.文部科学省分館201,202特別会議室
3.出席者:尾崎委員、香川委員、木舩委員、斎藤委員、佐竹委員、山本委員、渡辺委員、大南主査、宮崎副主査
(文部科学省)竹下教職員課長、池原特別支援教育課長、鈴木視学官、高口教職員課課長補佐、新谷特別支援教育課課長補佐、藤本特殊教育調査官
 
4.議事
(○=委員、□=意見発表委員、△=文部科学省)
 事務局より、中央教育審議会の答申に至る際に中間報告に対する意見募集(パブリックコメント)に寄せられた特殊教育免許の総合化に関する意見などにについて説明し、これらの意見を踏まえ、盲学校、聾学校の教員に求められる専門性についてさらに検討するため、学習指導要領からみた専門性について説明が行われた。これらの説明について質疑応答。主な発言内容については以下のとおり。
 
○ 教員養成大学において、学生は、基礎免取得のための科目、特殊教育に関する科目、その他教養科目等を修得しなければならないが、合計で120〜130単位修得が必要である。特殊教育の科目については現行の1種免許状では第1欄「教育の基礎理論」4単位、第2欄「心理、生理、病理」6単位、第3欄「教育課程及び指導法」6単位、第4欄「教育実習」3単位、その他選択科目4単位、合計23単位必要である。総合免許状をこの範囲内で行うのか、あるいは必要単位として増やすのか。増やすとなると学生の負担はかなり大きいものであり、また、大学審議会においては年間の学生の履修単位を制限する動きがある。このような中で、専門性をいかに確保するのかが大きな課題である。
○ 現行の免許制度の中では、学生は小学校1種、養護学校1種の他にさらに中学校、高等学校の免許状を取得するということで、教育実習を3回行うことになり、かなり負担過重になっている。基礎免許状をまず取得しなければならないと考えると、1例として2種の場合は各障害種別共通のものを身に付ければ取得できるようにする。特殊教育の制度、歴史、障害の特性と理解等の障害種別を超えた、基礎基本について学習をするのが2種であるとする。1種は主な障害毎に専門的な学習をする。選択的に言語障害、情緒障害、学習障害、ADHD等を必要に応じて学習する。専修免許状は、特定の障害の専門の事だけを学習する、例えば、特殊教育専修免許状(聴覚障害)とかの段階分けをする。専修は大学院レベル、1種、2種は学部レベルであり、2種は障害種別を超えた共通的な基礎的事項、1種はその上にプラスして各論的主な障害種別についてある程度専門的なものを身に付ける。今後の課題として、大学のカリキュラムの再構成の他に、指導できる教員がいないといけない。大学の教員が全ての障害について授業できること、つまり、大学の教員の専門性の向上が求められる。現在免許状を持っている者をどうするのか、特殊学級の教員も少なくても2種の免許状は必要ではないか、総合免許状にした場合の認定講習のカリキュラムをどうするのか、様々な問題が絡んでいる。
○ 総合化すると専門性が低下するのではという意見が多いが、現行の障害種別の一種免許状保有者は、総合免許状となった場合の専修免許状保有者、学校のリーダー的存在の教員というぐらいの専門性があると理解してよいのか。
○ 現状ではそうなっていない。
○ 聾学校で全員総合免許状保有者だけであれば、特別な教育ができないことになる。しかし、現在、聾学校免許状保有者はかなり専門的であるから、聾学校の中でOJT的に総合免許状を持っている教員を指導できるなどの階層的な教員の養成が可能なのかどうか。また、そのようなシステムの中での総合免許状と考えてよいのか。
○ まず、そのような全体像が必要であると思う。学校の中でリーダー的な教員と、ある一定の基本的な資質を備えた教員との指導体制での子どもへの対応が必要である。専修免許状では特定の障害について非常に専門性を有する教員がリーダーとなり、1種、2種免許状を持った教員をチームとして引っ張っていく体制が考えられる。もう一つは、専修免許状を持つ新規採用の教員が、即、リーダーとなれるかというと、難しい面がある。そうすると、学校の中でリーダーを養成していくシステムが求められる。福岡県では福岡県教育センターで、全教員を対象とした基本研修、各教科・特殊教育の各分野での専門研修、それ以外に盲学校教員特別研修、聾学校教員特別研修がある。これは、1年間1〜2名程度の教員がセンターで研修を受けるものである。対象は10年程度勤務し、今後中核となって欲しい教員を選択して派遣している。教員養成と現職教育といった全体システムがきちんと機能することによって総合免許状がよいものになるかどうかが決まってくる。
○ 特殊教育の勉強をしてきた教員はそれなりに専門性をもって、初任者として着任してはいるが、どうしても抽象的で行動力や実践力がない。実態把握ができる力を大学でしっかりと勉強して欲しいと思う。現行の免許法施行規則の区分に従うと、最低限必要な中身として、第2欄「心理、生理、病理」は(1)障害児の発達や心理の概論、(2)心理や発達検査の演習、(3)生理や病理の概論や各論、(4)知的障害の生理や病理の概論。第3欄「教育課程及び指導法」においては、個別の指導計画等が立てられる力と指導法の工夫ができる教員が求められている。ここで必要な内容は、(1)指導計画を立てる概論的なものと演習的なもの、(2)指導法の総論的なもの、各論的なもの、演習、(3)教材制作する演習を大学で行う、(4)情報機器活用の演習。第1欄「基礎理論」は、社会参加と障害児の教育相談の概論と演習が必要だと思う。教育相談が障害のある子どもに対するカウンセリングの意味ではなく、保護者も含めて教育相談できる力を大学で身に付けてもらいたい。教育制度の部分と社会福祉についてもしっかり勉強して欲しい。
○ 総合免許状の必要性を感じている。ただ、全特長ではその仕組みをどうするか、2種免許状、1種免許状、専修免許状全てを総合化するという形をとると考えている訳ではない。総合免許状は少なくとも2種免許状については、全ての障害種に対応できるような内容にすることが望ましい。2種免許状については、特殊学級等も含めて、できるだけ幅広くこの免許状は取得して欲しい。現状の免許法施行規則にある4領域の中身でいいのかここで検討していきたい。1種免許状については、できるだけ専門性を担保できるような免許状にする。その時に、複数の障害種に対応できるようにするのが全特長の考えである専修免許状は専門性に特化することが望ましい。現行の免許法施行規則の科目区分でいうと第1欄「基礎理論」は全体を網羅するような概論で良いのではないかと思う。一番重要に思っているのは、第2欄「心理・生理・病理」と第3欄「教育課程及び指導法」の中身をどう作っていくか。


 1種免で複数の障害種に対応することは,なにも総合免にしなくたって,学部段階で養護+聾,聾+盲,盲+養護など複数免を取らせればよいことなのだ。免許法を改正しなくたってできると言っているのに,どうしてご理解いただけないのか,まったくもって不思議である。


○ 2種免許状はどの障害にも共通のようなものを中心として、専修免許状は障害種別に特化したものということは共通理解できる。1種免許状をどうするかは、構造的なものを考えるといろいろ出てくると思われる。2種免許状で問題解決能力までは身に付かないと思う。現場で問題があるという課題が解る程度の概論は身に付けておいて欲しい。盲・聾・養護学校を通して支える基盤の共通性のベースとなる専門性はあると思う。その上にそれぞれの障害種別の専門性をどのように履修させるかという問題がある。さらに選択科目をどうするかが課題である。
○ 全特長のイメージでは、重複障害児が増えているという現状から、基本的には知的障害の内容は必ず必要。工夫してそれ以外に他の障害をしかっり勉強できれば良いと思っている。


 「全特長のイメージ」という表現はおかしいのではないか! どこで,そのような組織全体の意見を集約したのであろうか! 会長の個人的見解が組織全体の意見と必ずしも同一とは思えない。聾学校在籍児の83%は聾単一障害である。必要とは思うが「必ず」必要かどうかは大いに疑問。それよりも聾単一障害にきちんと対応できることがまずは不可欠ではないのか。全特長に対して,全聾長はどのような意見具申をしているのだろうか?


○ 1種免許状はどういう考え方が一番全体になじむかぜひ今後の検討の中に入れてもらいたい。恐らく知的障害は全国の大学でほとんどが持っているので選ぶことができる。もう一つ何を選ぶかというと、肢体不自由や病弱となって、盲や聾はその中にあまり入ってこない。総合2種免許状を持つとどこの学校に行っても良いわけであるから、その人たちが盲学校に集まると、その人たちが盲学校の免許状を持っていることになる。視覚障害をあまりやったことのない人が免許状を全部持っているということが、何か変な感じがしている2種免許状にしても、ある程度それぞれの障害種別の事は勉強する形を取らざるを得ないと考えている。
○ 大学の教員養成課程の中でできるのと、現場に出てからやった方が良いものと2つある。個別の指導計画の作成や指導法、教材づくり等においては、現場の中で実践を通して身に付けた方が良い部分もある。さらに、現場の実践を通して、現職研修を通して専門性を高める必要がある。
○ 大学では、具体的にどのように指導をするのかを一番基本的なものとして勉強してきて欲しい。大学で、具体的な指導方法を勉強してくることで、初任者研修が身になると思っている。
○ 大学のカリキュラムを考えると同時に、教員の専門性を具体的に語れる教員が大学に何人いるのか、学校現場を知らない人が教科教育法をやって何ができるのかと言うことはある。盲・聾・養護学校の指導法についても同じ事が言える。
○ パブリックコメントは、かなり切実な想いが出ている部分があると思う。聴覚障害児の教育は教育方法が多様化し、より多くの専門性が求められている現状である。今までは2種免許状も含めて、全部で23単位でやっていた。2種免許状のところで共通的なものが中心になるのなら、1種免許状のところでは一つの障害種中心にしてほしい。将来的に専修免許状保有者が学校のリーダーになることは賛成である。しかし、専修免許状保有者が今後増えるかというと望みがすぐにかけられるわけではない。だから、1種免許状のところである程度専門的な内容を選べば取得できるようにしてもらいたい。また、これからは学校の教員を大学に非常勤講師として登用し、指導法のかなりの部分を担当してもらうことも必要だと思う。
○ いままでよりは障害に特化した時間は少なくなる事は確かなことである。今後は卒業して現職で出ていった教員の再教育が非常に大きな課題になってくる。現職教育も大切であるが、リカレント教育で専門性をさらに身につけて学校に帰ってくる教育が大切になってくると思う。
(初等中等教育局教職員課)

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セミナー開催
 あいち小児保健医療総合センター
    第1回 聴覚障害セミナー

 2001年11月に「あいち小児保健医療総合センター」が開業しました。耳鼻いんこう科および言語聴覚科部門は、業務の一環として、聴覚障害児の総合的ケアを行っております。このたび、当センターのご紹介を兼ねて聴覚障害セミナーを企画いたしました。ぜひ、お気軽にご参加ください。
 
1.あいち小児保健医療総合センターの紹介
あいち小児保健医療総合センター長 長嶋正寛
2.お子さまは聞こえていますか−乳幼児聴覚スクリーニングについて−
耳鼻いんこう科部長 荒尾はるみ
3.当センターで行っている聴覚障害児の検査やリハビリテーション
言語聴覚科 中山博之
4.施設見学(耳鼻いんこう科を中心に)
 
と き :2002年5月25日(土)午後1時〜4時まで
ところ :愛知県大府市森岡町小坂田1番2
     あいち小児保健医療総合センター 地下1階会議室
     〒474−0031 愛知県大府市森岡町尾坂田1ー2
     電話 0562−43−0500(代表)
申込期限:2002年5月22日(水)
 
お申し込みおよび連絡先:下記の電話、FAX、e-mailにてお知らせ下さい
電 話:0562−43−0500(内線4042)
FAX:0562−43−0504
e-mail: hoken_center@mx.achmc.pref.aichi.jp
 
交通手段 ●JR名古屋駅よりJR大府駅まで約12〜20分
     ●JR岡崎駅よりJR大府駅まで 約15〜20分
      JR大府駅西口から知多バスで約10分
      バス停:「中部病院」にて下車
      ★国立療養所中部病院すぐ北東
入場無料
主催:あいち小児保健医療総合センター
http://www.achmc.pref.aichi.jp/ ホームページから交通機関の時刻検索ができます。

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セミナー開催
 第15回 シーメンス補聴器セミナー

 シーメンスでは「プリズマ」「シグニア」に続き,さらに進化した第3世代のデジタル補聴器「トリアーノ(Triano)」を開発いたしました。そこで別紙の通り,「トリアーノ」の紹介,症例報告などを含むセミナーを開催します。
 
開催地および開催日:
開催地 会場 開催日
札幌 センチュリーロイヤルホテル 5月13日(月)
仙台 ホテルメトロポリタン仙台 5月15日(水)
東京 笹川記念館 4月17日(金)
名古屋 ホテル キャッスルプラザ 5月20日(月)
大阪 メルパルク大阪 5月21日(火)
高松 グリーンホテル 川照 5月23日(木)
福岡 パピヨン24 4月25日(土)
 
時間:セミナー 午後1時30分〜午後5時30分,その後懇親会があります。
内容:・フルデジタル補聴器「トリアーノ(Triano)」
   ・デジタル補聴器の症例報告 トリアーノ他

 
     第15回シーメンス補聴器セミナー申込書
 
貴校・園名               お電話番号             
参加者ご芳名 ご希望会場
  札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・高松・福岡
   
   
                     ※ご希望会場を○で囲んでください
 
★ホームページからも参加申込ができます。http://www.siemens-hi.co.jp
送付先:シーメンス ヒアリング インスツルメンツ(株)/セミナー事務局
    〒228-0803 神奈川県相模原市相模大野5-29-15
    Tel: 042-765-5613 FAX: 042-765-5601 mail: web-post@siemens-hi.co.jp

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研究会開催
 ろう教育科学会 第44回大会

会期:2002年8月5日(月),6日(火)
会場:大阪医専(大阪市北区大淀中1−10−3)
日程:

 
  午前 午後
5日(月) 研究発表 特別報告・講演
6日(火) ショートレクチャー シンポジウム
 
*5日(月)午後の日程終了後,懇親会があります。
*大会参加費 5000円(学生 2000円)
 
1.大会テーマ 「求められる聴覚障害児教育」
         −教育課程の改訂で取り組まれている実態と課題−
2.シンポジウム:「自立活動」を取り上げ,実践報告をもとに討議を深めていく。
3.ショートレクチャー
  総合的な学習の時間,個別の指導計画の実践,
  聾学校での通級指導,人工内耳装用児への指導等の実践報告。
4.講演「聴覚障害とことばの習得」
     京都大学霊長類研究所助教授  正高 信男 先生
5.研究発表の申込を受け付けます。
   発表申込締切日:2002年5月14日(火)
   別紙「発表申込用紙」があるので,事務局に照会して下さい。
 
6.ろう教育科学会 講習会について
  期 日:8月7日(水)
  会 場:大阪医専
  会 費:5000円
  題 目:「心を育て,ことばを育てる」
      一社会自立を目指した読み書きの指導一
  講 師:久米武郎先生(横須賀市立聾学校)
 
7.大会・講習会に関する連絡先および研究発表申込先
    〒591-8034 堺市百舌鳥陵南町1丁 大阪府立堺聾学校内
     ろう教育科学会大会・講習会事務局 中野茂彦宛
     TEL:072-257-5471 FAX:072-257-3310

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公開講座開催
 筑波技術短期大学公開講座

筑波技術短期大学では,聾学校,難聴学級,通級指導教室等で聴覚障害教育に携わっておられる先生方を対象として,昨年に続いて下記の二つの公開講座を開くことになりました。先生方の夏の研修計画の中に加えていただきたく,ご案内いたします。募集要項は5月下旬に全国の各教育機関あてにお送りします。

「現代聴覚障害教育研修講座」
 1 期 日  2002年7月29日(月)30日(火)31日(水)
 2 会 場  筑波技術短期大学聴覚部
 3 内 容  講義や実習の形で,聴覚障害教育全般にわたる基本的な考え方,具
       体的な指導の方法,コミュニケーションのあり方,新しい知見,今後
       の方向性等を提示します。
 4 受講料  7800円(予定)
 5 募集人数  30名
 6 照会先  筑波技術短期大学聴覚部一般教育等 根本匡文
        TEL/FAX:0298-58-9340 E-mail:nemoto@a.tsukuba-tech.ac.jp
 
「補聴器のフィッティング」
 1 期 日  2002年8月9日(金)10日(土)11日(日)
 2 会 場  筑波技術短期大学聴覚部
 3 内 容   補聴機器の選択・調整法,聴覚補償のガイダンスとカウンセリン
        グの技法,聴覚活用の教育方法などについて,基礎から応用までの
        コースに分かれて演習します。
 4 受講料  7800円(予定)
 5 募集人数  60名
 6 照会先  筑波技術短期大学聴覚部教育方法開発センター 大沼直紀
        TEL/FAX:0298-58-9411 E-mail:ohnuma@a.tsukuba-tech.ac.jp

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長野ろう学校が100周年!

いろいろなイベントが計画されています。
      詳しくは・・・http://www.nagano-c.ed.jp/nagarou/100/kinen-index.htm
         例)5月31日(金)記念講演会(講師 菅原廣一先生)
           10月19日(土)記念式典 祝賀会 記念学校祭

      長野ろう学校のホームページ : http://www.nagano-c.ed.jp/nagarou/

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研究会開催
 「日本国際聾教育学会」設立と大会開催

現在,我が国の聾・難聴教育の在り方を巡って教育方法論・制度論など様々な観点から検討がなされています。私どもは,この度,聾・難聴教育の比較教育学に関する研究と普及をはかることを目的に日本国際聾教育学会を設立致しました。本学会では,各国のこの教育の比較研究を通して我が国の聴覚障害教育改革や教育政策の樹立に寄与していきたいと考えています。
第1回大会は,会場を愛知県名古屋市とし,聴覚障害教育に関心がおありの全ての方々に有益な学会となるように準備を進めています。どうか奮ってご参加ください。
日本国際聾教育学会 代表理事 高橋信雄(愛媛大学)
日本国際聾教育学会 第1回大会準備委員長 都築繁幸(愛知教育大学)

会期  2002年5月18日 (土) 13:00受付開始〜17:30
会場  愛知県・名古屋市民会館 第1会議室 〒460-0022 名古屋市中区金山1-5-1
               Tel:052-331-2141 Fax:052-322-7217
内容  研究発表 13:30〜15:30
    1.米国メリーランド州立聾学校の教育方法変遷史に関する一考察
                       都築繁幸(愛知教育大学)
    2.ベトナムの聴覚障害児教育に関する一考察
                       藤井克美(京都府立向日が丘養護学校)
    3.北欧における聴覚障害児の教育環境に関する一考察
                       加藤三保子(豊橋技術科学大学)
    講演  15:40〜16:55
     「米国聾教育における人工内耳の動向」 高橋信雄(愛媛大学教授)
 
参加者へのご案内
 ・受付  午後1時から始めます。当日,受付です(事前申込不要)。
 ・参加費 2000円(参加費には大会論文集代が含まれております。)
 ・会員証 受付で名札をお渡し致します。会期中は,必ずお付け下さい。
 ・通訳  大会期間中,手話通訳がつきます。要約筆記の支援は行いません。
 ・飲食等 会館内のレストラン等をご利用下さい。
 ・駐車場 有料駐車場がありますが台数が少ないので公共交通機関をご利用下さい。
 ・懇親会 翌日,5月19日に開催される日本聴覚障害教育実践学会第1回大会の参加者と合同で行います。意見交換・情報交換の場とさせていただきますので多く方々のご出席をおまちしております。当日の申込とし,3000円程度の会費で簡素に行います。

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研究会開催
社会の大きな変動の中で,聾・難聴教育およびその教員養成には内外から各種の課題が突きつけられています。私どもは,この度,聴覚障害教育における教授法,教育課程等に関する研究と普及をはかることを目的に日本聴覚障害教育実践学会を設立致しました。本学会では,教育実践学の視点にたって教育課程,コミュニケーション方法,教科教育,教育原理,教育評価等を焦点的に討議し,教育機関と研究機関が密接に連携・協力が促進できるような体制作りにも貢献していきたいと考えています。
日本聴覚障害教育実践学会 代表理事 星名信昭(上越教育大学)
日本聴覚障害教育実践学会 第1回大会準備委員長 都築繁幸(愛知教育大学)

会期:2002年5月19日(日)9:00受付開始〜14:45
会場:(財)桜華会館富士桜 愛知県名古屋市中区三の丸1−7−2
   Tel:052-201-8076 Fax:052-222-8958
内容:
研究発表 9:30〜12:00
聴覚障害幼児のコミュニケーション学習に及ぼす手話ビデオ教材の効果
                野本裕子(豊橋聾学校)・都築繁幸(愛知教育大学)
聾学校小学部「総合的学習の時間」における教師‐児童間の相互作用の分析
                本多理絵(一宮聾学校)・都築繁幸(愛知教育大学)
人工内耳装用者の障害の受容とその家族サポート
                 村上学(広島大学大学院)・高橋信雄(愛媛大学)
遊び場面における聴覚障害児の母親の働きかけ
            太田富雄・藤田和哉・池田美香・毛利真由美(福岡教育大学)
聾学校通級教室における補聴器フィッティングの実践課題
   加藤哲則(兵庫教育大学大学院連合学校教育研究科)・星名信昭(上越教育大学)
 
講演 13:00〜14:15
   「聴覚障害児教育の専門性と実践学」 星名信昭(上越教育大学教授)
 
参加者へのご案内
 ・受付  午前9時から始めます。当日受付です(事前申込不要)。
 ・参加費 2500円(参加費には大会論文集代が含まれております。)
 ・会員証 受付で名札をお渡し致します。会期中は必ずお付け下さい。
 ・通訳  大会期間中,手話通訳者がつきます。要約筆記の支援は行いません。
 ・飲食等 会館内のレストラン等をご利用下さい。
 ・駐車場 ありません。公共交通機関をご利用下さい。
 ・懇親会 前日,5月18日に開催される日本国際聾教育学会第1回大会の参加者と合同で行います。詳しくは前ページの最終行をご覧下さい。

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ミニ・ニュース

★第11回特殊教育学習ソフトウェアコンクールに大城先生が入賞
独立行政法人国立特殊教育総合研究所では特殊教育諸学校や特殊学級等で開発した優秀な学習用ソフトウェアを表彰する「特殊教育学習用ソフトウェアコンクール」を毎年開催してます。 今年度は,国立特殊教育総合研究所理事長奨励賞「虫のゆりかご」大城麻紀子先生(沖縄県立沖縄ろう学校)が受賞しました。

★神奈川県聴覚障害者センターに名称変更
珍しい運営主体として有名だった 神奈川県が日本赤十字社神奈川県支部に委託していた事業,「神奈川県ろうあセンター」の運営委託先が,神奈川聴覚障害者総合福祉協会となり,それに伴い施設の名称変更が行われた。新しい施設名は,「神奈川県聴覚障害者福祉センター」。住所,連絡先等の変更はない。
  〒251-8533 神奈川県藤沢市藤沢933−2
  電話:0466−27−1911
  FAX:0466−27−1225

★スター精密,日本市場に活路探索
423号4ページで紹介したスター精密の補聴器用マイクとレシーバは今までアメリカのソングバード社に独占的に供給されてきた。しかし,欧米でのソングバードの売れ行きが予想を下回ったため,日本国内でも販売することとなった。マイク,レシーバは現在,アメリカのノーリス社がほぼ独占的なシェアを持っている。補聴器メーカーに採用されれば,補聴器本体の定価や修理部品の低価格化も望める?かもしれない。

★介助犬法案通過で育成に補助
介助犬法案が成立したことを受けて,厚生労働省は身体障害者の手助けをする「介助犬」(聴導犬を含む)の育成・訓練に対する助成制度(1匹当たり150万円程度)を2003年度から実施することにした。 介助犬は欧米では多数が活躍しているが,日本では民間の育成に頼っており,介助犬が26匹,聴導犬は19匹にとどまっている。このため,法案通過を受け,育成の仕組みを整える方向を打ち出した。支援は助成制度だけでなく,介助犬などの育成・訓練を行う社会福祉法人の設立要件を緩和する施策もあわせて検討されている。

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福祉関係情報

★特別児童扶養手当等の額,変わらず
 特別児童扶養手当,障害児福祉手当の手当額については,物価の変動に応じて自動的に額を改定している。昨年度の消費者物価指数は,前年比0.7%の下落となった。実は一昨年度も1%下落したため,法律に準じれば1.7%減となる。しかし,今年度も引き下げは行わず,額面維持となる方向となった。このための必要法案は2月15日に国会提出済みとのこと。
特別児童扶養手当(1級)51,550円,(2級)34,330円
障害児福祉手当     14,610円
 
★特児診断書様式が変更される
 なお,「特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令別表第3」における障害程度の認定要領等を定めた局長通知(昭和50年9月5日児発567号)及び診断書様式(施行規則第1条関係)について,2月22日付で各都道府県の事務担当者あて改正案が配布された。この改正は,障害年金の認定要領の変更に伴い,特別児童扶養手当についても,一層の公平性と年金制度との整合性を図って行われる。
 
★盲ろう者向け通訳・介助員派遣試行事業が一層の推進
 盲聾者に対する施策として,2000年度から通訳・介助員の派遣等を行う事業が試行的に実施されている。この事業が拡大され,30県・市となる予定。この事業は,社会福祉法人全国盲ろう者協会が行う「盲ろう者在宅福祉推進事業(社会福祉・医療事業団助成事業)」に基づいて行われ,派遣対象者,派遣事由,手当額,事業の実施方法等を明らかにし,それらに国庫補助がつく。

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衛星劇場
 日本語字幕入り映画放送

5月
  黒い十人の女                5日(日)AM 7:00〜
  ゼロの焦点                12日(日)AM 7:00〜
  ダウンタウン・ヒーローズ         19日(日)AM 7:00〜
  釣りバカ日誌2              26日(日)AM 7:00〜
 
字幕入り放送へのご意見/リクエスト等は 衛星劇場編成部まで FAX:03-5250-2324
受信に関する照会は,パーフェクTV FAX:03-5802-8438か,上記衛星劇場まで。
詳しくは,〒104-0045 中央区築地4-1-1 東劇ビル5F 衛星劇場まで。
または,衛星デフシアター http://www.eigeki.com/smsvc420.html

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関連文献等紹介

★電子情報通信学会誌85(4)
 「感覚代行技術」関 喜一,241-244
 
★THE HEARING JOURNAL 55(2)
「Auditory neuropathy / auditory dys-dys-synchrony」Linda J. Hood,10-29
「Using the Hearing Aid Selection Profile to identify factors in hearing aid returns」
 Gary P. Jacobson, Craig W. Newman, Sharon A. Sandridge, and Devin L. McCaslin,30-35
「Digital hearing aid design:Fact vs. fantasy」Timothy D. Trine and Dianne Van Tasell,36-42
「Study finds use of live Speech Mapping reduces follow-up visit and saves money」
 David R, Cunningham, Roberta G. Lao-Ddvila, B.A. Eisenmenger, and R.W.Lazich,43-49
 
★EAR and HEARING23(1)
「Nucleus 24 Advanced Encoder Conversion Study: Performance versus Preference」
 Margaret W. Skinner, Patti L Arndt, and Steven J. Staller,2-17
「Conversion from the SPEAK to the ACE Strategy in Children Using the Nucleus 24  
 Cochlear Implant System: Speech Perception and Speech Production Outcomes」
 C. E. Psarros, K. L. Plant, K. Lee, J. A. Decker, L A. Whitford, and R. S. C. Cowan,18-27
「The Nucleus24 Contour Cochlear Implant System: Adult Clinical Trial Results」
 Aaron J. Parkinson, Jennifer Arcaroli, Steven J. Staller, Patti L. Arndt, Anne Cosgriff, and
 Kiara Ebinger,41-48
「Adaptive Dynamic Range Optimization for Cochlear Implants: A Preliminary Study」
 Chris J. James, Peter J. Blarney, Lois Martin, B.Swanson, Y.Just, and D.Macfarlane,49-58
「Surgical Technique For The Nucleus Contour Cochlear Implant」
 Noel L. Cohen, J. Thomas Roland, Jr., and Andrew Fishman,59-66
「A Model of a Nucleus 24 Cochlear Implant Fitting Protocol Based on the Electrically  
 Evoked Whole Nerve Action Potential」Kevin H. Franck,67-71
「Speech Perception Using Maps Based on Neural Response Telemetry Measures」
 Keely Seyle, and Carolyn J. Brown,72-79
「Three-Month Results with Bilateral Cochlear Implants」
 Richard S. Tyler, Bruce J. Gantz, Jay T. Rubinstein, Blake S. Wilson, Aaron J. Parkinson,  
 Abigail Wolaver, John P. Preece, Shelley Witt, and Mary W. Lowder,80-89
「The Results in Patients Implanted with the Nucleus Double Array Cochlear Implant: Pitch
 Discrimination and Auditory Performance」
 Th. Lenarz, A. Buchner, C. Tasche, T. Cristofoli, A. Lesinski-Schiedat, E. v. Wallenberg,
 R.-D. Battmer,P. A. Busby, C, Frohne.90-101
 
★EAR and HEARING 23(1)
「Speech Perception and Spoken Word Recognition: Past and Present」
 Peter W. Jusczyk and Paul A. Luce,2-40
「What Drives Mechanical Amplification in the Mammalian Cochlea?」
 Robert H. Withnell, Lauren A. Shatter, and David J. Lilly,49-57
「Use of Vocalic Information in the Identification of /s/ and /∫/ by Children with
 Cochlear Implants」
 A. Quentin Summerfield, Melanie J, Nakisa, Barry McCormick, Susan Archbold, Kevin P.
 Gibbin, and Gerard M. O'Donoghue,58-79

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研究会開催
 聴覚障害児教育共同研究会

1.趣旨 
 本研究会は,聴覚障害児の教育について互いの実践の交流と良き指導のあり方についての研究を通して,聴覚障害児教育のセンター的役割を果たすことを目標にしている。当面は,指導上の具体的な問題について,必要に応じて連絡・研究・協議をする。
2.内容 
  相談会:各校の実態に即した個別の相談を受け,研究と交流を深める。
       第1回  5月29日(水)15:30〜17:00
       第2回 11月19日(火)15:30〜17:00
      *相談会当日の授業参観を希望の方は申込書にご記入ください。
  研究会:2003年2月5日(水)に公開授業・全体討議等を実施する。
3.会場   大阪府立堺聾学校
4.申込   申込書で,各市町村教育委員会もしくは大阪府立堺聾学校まで
5.締切日  第1回 5月15日(水),第2回 11月5日(火)
6.連絡先  大阪府立堺聾学校共同研係 〒591-8034:堺市百舌鳥陵南町1丁 
       Tel:072−257−5471 Fax:072−257−3310
7.照会先  堺聾学校の北教頭もしくは共同研係の桝井・加藤までお願いします。

申 込 書
学校名
所在地 〒
電話番号 FAX
参加者氏名
希望相談内容に○印,または記入をしてください。
第1回

5月29日(水)
(  )聴覚活用について(機器のあつかい・聞こえについて等)
(  )言語指導について(語彙・会話・読み書き等)
(  )発音指導について
(  )生活指導について(対人関係・コミュニケーション等)
(  )中学生の指導について
(  )その他
相談内容について,できるだけ具体的にお書きください。

 
授業参観希望学年 希望教科
 教科については時間割の都合上,ご希望に添えない場合がありますのでご了承下さい。

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補聴器広告
 許されていいの? こんなデタラメ広告!

補聴器の広告には誇大な表現が多い。デジタル補聴器が市販され始めて,補聴器販売店の折り込み広告を見るとギョッとする。「音量調節不要」とか「音声と雑音とを区別して増幅」とか・・・。しかし,下記の広告は全国紙に掲載されたもの。一連の広告には補聴器を知っている者が読んだら,笑ってしまうほどのウソも多い。こんな広告を規制しないのは問題ではないだろうか? 補聴器メーカー協議会などは抗議を送っているのだろうか・・・。
広告は2パターンがある。今回,この2パターンとも入手できたので紹介したい。このような広告を駆逐することが,補聴器のイメージアップにつながると確信している。


ウソ,デタラメ指摘

1.見出し「ハウリングを解決した高性能補聴器」。特殊ウレタンといっても,最大音響利得が48dBもでれば,ハウリングは起こりえる。仮に通常の装用時にハウリングが起きなくとも,手を耳にかざしたり,最大ボリュームにしたり,ウレタンが十分に拡張するまでの間はハウリングが起こりえる。文面を読むと,補聴器自体が高性能であるように思えるが,補聴器自体にはハウリング抑制を行う回路はなく,ウレタンを採用しただけなので,補聴器の純単体は高性能ではない。消費者に紛らわしい書き方と思う。
 
2.岡久ハルイさんのコメント中,「声だけが聞こえる」の項。これは100%ウソ。声だけが聞こえるようになるような補聴器は広い世の中,1台もない。僅かに定常的な機械音等と抑制できる回路が精一杯である。これは多くのデジタル補聴器の広告にも紛らわしいものが存在する。例えば「聞きたい声をピックアップ」という表現もウソ。話し手の隣で別人が話している声を抑制できる補聴器はない。100dBのジェット機離陸音の中で内緒話を聞くことができる補聴器なんて存在しない。
 
3.「プッシュプル増幅器という全く新しい回路」。ここまで来て,思わず吹き出してしまった。プッシュプル回路はもう40年前の回路。ここまでウソだと呆れてしまう。
 
4.「ドイツのマイスター制度・・・高精細加工技術・・・ハウリングの少ない良質な音声」の文。まず,このレベルの補聴器フェースプレートは精密時計に比べたら,それほど高精細加工技術はいらない結構ザッとしたもの。さらにハウリングが少ない良質な音声は高精細加工技術とは無縁。ハウリング対策はウレタン採用がキーになっているし,良質な音声聴取はフィッティングであるとか,マイクなどの性能等々で決まるものであってマイスター制度とは別の次元で決まってくる。
 
5.「30秒〜1分で耳穴の形に隙間なくフィット」。ある範囲の人はフィットするかも知れない。しかし,外耳道の形状は人それぞれ。楕円形の人もいるし,細い人もいる。極端な例かも知れないが,では乳幼児には使えます? ここは「外耳道が標準的な円形であり,かつ極端に湾曲していない成人使用者が,適切な挿入方法に従った場合のみ,ハウリングが起きない程度に隙間をふさぐことができる可能性があります」と書くべき。
 
 さて,「スパイラル構造」とは何だろう? 
 それはさておき,このような広告が許されてはいけないと思うし,結局,うまく使えない補聴器を提供することで補聴器全体の信用度を落とすような販売形態を支えた米国スターキー社の部品供給に対するモラルも問われるべきかとも思う。
 

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