2002年3月11日発行(第2・4月曜日発行)

News Source of Educational Audiology

聴能情報誌  みみだより  第3巻  第429号  通巻514号


編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
購読料照会・新規購読申込・記事内容照会などは、郵便かFAXでお問い合わせいただくか、
下記のアドレスへメールをお送り下さい。

立入 哉 :h-tachi@ma4.justnet.ne.jp


「みみだより」ホームページ
ペーパーメディアによる「みみだより」購読のお誘い


     第5回 International Forum '02 が開催されました

「補聴に関する国際フォーラム(International Forum)」が、2月9日は東京で,2月11日は大阪で開催されました。今回は,1998年に一度招聘したCheryl DeConde Johnson教育学博士を再度,招聘しました。彼女はアメリカ マリオン・ダウンズ全米聴力スクリーニングセンターで新生児聴力スクリーニング検査に携わり,主に新生児で聴覚障害を指摘された家族へのサポートや,その後の補聴や教育について指導的立場で携わった経験を4時間にも渡る講演で紹介しました。 
「みみだより」では2号に分けて,講演要旨と資料をご紹介します。



【目次】第429号

| NEXT | BACK |「みみだより」ホームページ |


今年も 認定講習会 の情報を集めています。情報お寄せ願います。
各県からの情報をお待ちいたしております!。

県教委の開催要項をFAXでお送り願います。送信先FAX=089-946-5211。





親によるチェックリスト
教室における聴覚障害児の措置について



このチェックリストは,聴覚障害があるお子さんが教室環境にインテグレートした場合の最適な措置,親の方々が評価する際の一助とするためのものです。
筆者は,教室をよく観察した上で以下の項目について評価することをお勧めします。
たとえ十分な客観的なデータがない場合でも,好ましくない印象を持たれた場合でも,あなたが観察されたことをありのままに記入してください。
あなたの直感に従ってください。
教室にいる他の子どもたちの両親に,これまでの教室の経過を尋ねてください。
どの措置決定も最終的なものではありません。
特にあなたが教室や学校の状況を気にとめたり,好ましくない印象を持たれたような場合には,あなたは担任教師をはじめ,学校の先生方や職員の方をよく見て話をする機会を持つとよいでしょう。あなたのこれらの事柄の見直しは,継続して続けられるべきものです。心配事もなく,良い時となることを祈ります。


1.物理的環境
教室の構造:
Ø 教室の大きさは,学習において音を伝えやすいですか? (大きな教室の高い天井は音を歪ませますし,小さな部屋はノイズが大きいこともあります。)
Ø 窓の数と大きさはどうですか? (窓の数が多いとノイズの大きさを高めてしまったり,子どもの注意力を低下させてしまうことがあります。)
Ø 学校はオープン・スクール(オープン・クラスルーム)を採用していますか?
それとも旧来の教室ですか?
Ø 教室は適度な明るさですか? (照度と影は読話に影響します。)

音響上の工夫とノイズの低減:
Ø 床全体にカーペットが敷かれていますか?
Ø 廊下全体にカーペットが敷かれていますか?
Ø 天井には吸音タイルが貼られていますか?
Ø 窓には,シェード,ブラインド,カーテン,掛け布がありますか? (これらはノイズを減らし,子どもの注意力の低下を防ぎます。)
Ø 壁にはコルクボードや掲示板がありますか? (これらの板はノイズを低減します。)

ノイズ・レベル:
Ø ノイズの大きさはどうですか?
Ø 教室の中では? (注意:児童・生徒,ヒーター,水槽,換気扇など)
Ø 廊下では? (注意:児童・生徒,ロッカーなど)
Ø 校舎の外は? (注意:交通量,校庭など)

その他の事項:
Ø 視覚的な補助も使用されていますか?(黒板,図や写真,ティーチングエイドなど)
Ø 教室の児童・生徒の人数はどのくらいですか?
Ø 教師/生徒の人数比はどのくらいですか?
Ø 教師と児童・生徒との距離は,平均してどのくらいですか?
Ø 校内放送は公的な放送システムを使用していますか? (その場合,放送前にライト点灯等の合図がありますか?)

  <観察と所見>___________________________________


2.教師
授業のスタイル:
Ø 教師は,児童・生徒にとってよい言語のモデルを示していますか?
Ø 教師はどのように情報を伝えていますか? (大体,児童・生徒の方を向いて話していますか?)
Ø 教師の話し方はどうですか? (発音,声の明瞭さ,話の速さ,声の大きさ,イントネーション/リズム,表情など)
Ø 教え方は児童・生徒にとって分かりやすいですか? (教師は述べた内容を繰り返して言っていますか?)

その他の所見:
Ø 教室に聴覚障害児を受け持ったことに対する教師の態度はどうですか?
Ø 教師は,前向きに両親との話し合いの時間をとってくれますか?
Ø 教師は,今までに聴覚障害児の教育に関わった経験がありますか?
Ø 教師は,聴覚障害児に関する公的な研修を受けていますか?
Ø 教師は,個人補聴器/集団補聴器・FM補聴器についてよく知っていますか?
Ø 教師の子どもの管理や訓練についての態度はどうですか?
Ø 上記のことに関して,他の学校教職員の評価も考慮してください。(例えば,教師からの援助,通訳者,学習補助者,ノートテーカー)

  <観察と所見>___________________________________


3.学校側の姿勢
Ø 学校は,これまでに他の障害等の特別なニードを持った子どもたちを受け入れてきましたか?
Ø 教師,校長,その他の教職員は,学校に聴覚障害児を受け入れることに好意的ですか?

  <観察と所見>___________________________________


4.子ども自身についての情報
子ども自身の難聴の管理:
Ø お子さんは,聞こえないときにはどうしますか? (教師に「聞こえません」と訴える。「もう一度言ってください」と要求する。)
Ø お子さんは自分の難聴を,どのようにとらえていますか?

補聴器の管理/チェックの技量:
Ø お子さんは自分の補聴器を責任もって扱うことができますか? (自分でイヤモールド・補聴器を耳につける,電池が切れた場合にそのことを大人に訴える等)

お子さんの特性:
お子さんの到達度を教室の他の児童・生徒たちと,以下の領域において比較して下さい。
Ø 学級への参加行動
Ø 静かな状況での聞こえの行動
Ø 騒がしい状況での聞こえの行動
Ø 社会/情緒面での成熟度
Ø スピーチ,読み,書き,理解,話しことばにおけるコミュニケーション技能.

他の注意すべき重要な点:
Ø お子さんの体の大きさ/身体発達
Ø 学業/知的レベル
Ø あそびの技能
Ø 友だちとの関わり
Ø 自立性(例えば,課題をやりとげる場合,問題や対立を解決する場合)
Ø 兄弟の関係

  <観察と所見>___________________________________


5.特殊なサービス
以下の領域において,評価や介入を提供できる技量の高い専門家がいますか?
Ø 言語病理学
Ø 教育オーディオロジー
Ø 難聴のためのリソース
Ø 作業療法
Ø 理学療法
Ø リソース・ルーム
Ø ガイダンス/カウンセリング
Ø 心理学
Ø よい教育プログラム
Ø 学習補助のための通訳者(手指,口話)
Ø ノートテーカー

  <観察と所見>___________________________________


6.この他にも
Ø 他校からの転入/他校への転出
Ø 必要経費(もし有れば.)
Ø 家族的な事情



上記の情報は,小児臨床研究チーム,あるいは個別教育計画(IEP)会議で話し合われるべき疑問や関心や要求を引き起こすこともあるかもしれません。
また上記の事項には,IEPにおける客観的情報/特別なニーズとして,行動を起こすべきものもありましょう。
お子さんにとって,最高のアドボカシー(権利主張)となりますように!

【目次】





聴能評価法
聴覚障害に対する統合的アプローチ
Functional Auditory Performance Indicators
An Integrated Approach to Auditory Development



FAPI(聴能評価法)は,聴覚障害児の聴覚活用能力についての評価であり,親やセラピスト,療育者,教師によって作成された。この評価リストは聴覚活用能力を段階的に配列し,7つのカテゴリーから作られている。その7つのカテゴリーとは,

1.音への気づき:音に即座に気づくかどうか
2.音の意味:音に注意を払い,音源がわかるかどうか。
3.聴覚的フィードバック:聴いた音をモニターできるかどうか。
4.音の推測と理解:音を探し,音源が何かわかるかどうか。
5.音の弁別:難聴児が身の回りのいろいろな音や声を区別できるかどうか。
 ことばと,そうでない音を区別できるかどうか。
6.短い語句の記憶:単語や句を聴いて,復唱できるかどうか。
7.言語活用:言語力で聴覚的な情報(聞こえない部分)を補えるかどうか。

この評価リストの中では,難聴児の聴覚活用能力が,段階的に組み立てられ,一般化されている。それぞれのカテゴリーの中でも同様に段階的になっている。始めに,行動をチェックリストに記録するようになっている。この評価表の基盤は,聴覚活用能力を引き上げ,その到達点がわかることである。7つのカテゴリーが段階的になっているのことで,到達過程の途中が整理され,いろいろな能力について指導しやすく,聴覚活用能力の育成に統合的にアプローチすることができる。

構成:
それぞれのカテゴリーは,そのカテゴリーの中の厳選された能力のリストである。あるカテゴリーは,ある特別な能力であるし,あるものは,能力のリストである。
さらに,それぞれの能力は,いろいろな状況の中で評価する必要がある。子どもがうまくやっている状況の中から意味のある情報を得なければならない。その状況は,それぞれのカテゴリーにおいて,明確に示しており,次のようなことである。
・聴覚刺激に対する反応は,視覚的な合図を伴うものと,音だけのものに対する反応に区別することができる。
・聴覚刺激刺激に対する反応には,子どもの身近なものに対する反応と日常的でないものに対する反応がある。
・聴覚刺激に対する反応には,うるさい状況でのものと,静かな部屋でのものとがある。
・聴覚刺激に対する反応には,子どもが聴いたことに即座に反応する場合と,ゆっくり自然に反応がある。

評価の手順:

1.各能力は,いろいろな方法で評価する。ある定められた刺激に対する子どもの反応を直接観察することも必要である。その他の状況における子どもの様子について,親から情報を集めることも必要である。そして,評価表に記録して評価する。「観察と評価」のところでは,子どもの能力の状態について情報を集めることができる。

2.関係のある4つの得点パラダイムが示されている。各能力をチェックし,評価し,ランク付けをすることができる。その基準は,次の通りである。
a.その能力がまだ現れない
b.その能力が現れている
c.その能力の獲得過程である
d.その能力を獲得している
各能力は,ランク付けでき,次に獲得すべきレベルがチェックリストでわかる。

3.得点化することで,各能力を計算することができる。各項目ごとに「その能力がまだ現れない」は0点。「その能力が現れている」は1点。「その能力の獲得過程である」は2点。「その能力を獲得している」は,3点とし,項目数と掛ける。もし,その能力が0と10%であれば,「まだ能力は現れていない」とされ,得点ゼロとなる。

4. 各カテゴリーにおいてすべての能力の得点を加算することで,各カテゴリーの得点を計算することができる。そして,各項目の総得点で割ることで,パーセンテージが計算できる。

5.カテゴリーの得点は,最初のページの下に記入する。


FAPI評価表



聴能評価法
聴覚障害に対する統合的アプローチ
Functional Auditory Performance Indicators
An Integrated Approach to Auditory Development



氏名                     生年月日           

補聴の状態:               使用頻度:(常時 ・ 常時ではない)

評価者                           

N =not present 未出現 (0-10%)  E =emerging 出現(11-35%)
P =in process 獲得過程(36-79%)  A =acquired 獲得済み(80-100%)






|
聴能評価のポイント 得点 観察と
コメント






大きな音(掃除機や太鼓やベル)への反応
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

大きな音(掃除機や太鼓やベル)への反応
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

会話への反応
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


この項の総得点:
     /72=  %
 




大きな音(掃除機や太鼓やベル)への注意(行動を止めたり聴いたりすること等)
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

音楽への注意(行動を止めたり聴いたりすること等)
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

音声(誇張されたかぶせ等)への注意(行動を止めたり聴いたりすることなど)
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

会話(続いている音声)への注意(行動を止めたり聴いたりすること等)
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

身の周りの音(掃除機や太鼓やべる)と音源がわかる
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

声を出している人が誰かわかる
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない

話している人が誰かわかる
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない




 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

この項の総得点:
     /168=  %
 









補聴器のスイッチを入れると,声が増す
  はい          いいえ




自分の声が出ていることがわかる
 静かな場所       騒音のある場所
 即座に         自然に,あまり早くない



雑音や自分の声で補聴器の状態を確認できる
 静かな場所       騒音のある場所






 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

この項の総得点:
     /24=  %
 




周囲の大きな音(掃除機,電話,太鼓,ベル)の探索
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

音楽の音源の探索
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

誇張した超分節的な音声の音源の探索
 近い(約1m)  遠い(約3m)  他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

会話(連続する音声)の音源の探索
 近い(約1m)  遠い(約3m)  他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

周囲の大きな音(掃除機,電話,太鼓,ベル)の音源がわかる
 近い(約1m)  遠い(約3m)  他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

音楽の音源が解る
 近い(約1m)  遠い(約3m)  他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

誇張された超分節的な音声の話し手(音源)が解る
 近い(約1m)  遠い(約3m)  他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない

会話の話し手(音源)が解る
 近い(約1m)  遠い(約3m)  他の部屋
 中          外
 静かなところ     騒音下
 即座に        自然に,あまり早くない




 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

この項の総得点:
     /240=  %
著者からのコメント:音を予測し,探し当てる能力は,片耳難聴で片耳補聴の子どもや人工内耳装用児ではわかりにくいかもしれない。







音の強弱
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

音の速い遅い
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

連続と断絶
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

ピッチの強弱
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

周囲の音の意味
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

会話の超分節的な要素(怒った声と楽しそうな声)が区別できる
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

母親と父親の声の区別
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

男の子と女の子の声の区別
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

単語でない,発話の弁別
母音

 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

音節のいくつか
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

発話(陳述,質問,感嘆等)のコミュニケーションの要素に注目し解る
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

発話の弁別−言葉のレベルで
擬声語(ワンワン,モーモー,シュッシュポッポ)

 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

自分の名前
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

よく使われることば(やめて,来て,待って等)
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

発話での音節や単語のいくつか(1つか,2つか,3つ)
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

母音の異なるよく使われる単語(ぱん/ぺん)
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

子音の異なるよく使われる単語(たまご/たばこ)
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

音節の異なるよく使われる単語
 近い(約1メートル) 遠い(約3メートル)
 中          外
 静かなところ     騒音下
 密閉された      開放された

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

この項の総得点:
     /432=  %
 







記憶:聴覚的刺激提示後すぐに,復唱する

チェックモード
□話された反応
□発話のあるなしに関わらず,合図による反応
□絵や物の指さし
□描いたり作ったりする等の理解したことを表した行動

1〜2節
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所


3〜4節
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所


5〜6節
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所











 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     

この項の総得点:
     /432=  %
 






言語力の活用:聴覚活用能力の高さは,子どもの言語力に関係する
連続性:聴覚的に聞き取った順の通り,順序性を正確に把握できる

チェックする刺激を用いて,評価項目に反応があれば,□で表す。

□節や語(例:復唱,絵を順序づけし,指さしする)
   2   3   4   5
□短い句(例:お店に行く,ぱんを買う,家に帰る→サンドイッチを作る)
   2   3   4   5
□文(例:外は雪です。コートを出して。外に行こう。雪だるまを作ろう。)
   2   3   4   5

チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動

穴埋め:一部分が聞こえなくても,語や句や文の全部の意味を理解できる

チェックに用いる聴覚刺激
□句
例)鋭くとがった      (鉛筆,ナイフ)。
  大きくてまん丸の    (ボール,太陽)。
□文
例)私は     でパンを買った(お店,パン屋)。

チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


統語と語用の分析:聴覚情報が提示されたときに文法に照らして,正しく言語表現できる。

音声刺激:文
例)(よく使う言葉)
 The boy plays outside./The boy played outside./
 The boy is playing outside.
 (親密度が低い言葉)
 He anticipates the school bus coming./
 He anticipated the school bus coming.
 He was anticipating the school bus coming.

チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


超分節的要素を聴覚フィードバックに用いる:
リズムや強さ,イントネーションパターンを聴覚フィードバックに用いる

チェックに用いる聴覚刺激
□語
例)端 橋
□句
例)誰ですか?  誰ですか?  誰ですか?
□文
例)私はどこかわからないんだ
  私はどこかわからないんだ
  私はどこかわからないんだ

チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


音声理解:
子どもは理解し,聴覚情報といろいろな状況で得た子ども達の一般的な言語理解力を役立たせる。

音声会話(例:音声会話への意欲的な参加)
チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


電気機器による音(例:テープレコーダ,内線電話,留守電,ビデオからのメッセージの理解)
チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


電話による会話(例:電話での会話への参加)
チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


教育的な中身(教室の中での理解)
チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動


方向性(記憶や会話内容からの類推を利用して細部まで聴く)
チェックモード
□発話による反応
□発話をともなうサインによる反応
□発話のないサインによる反応  
□絵や物,語句の指さし
□描くことや物でわかっていることを示す
 視覚刺激あり      音のみ
 近い(約1メートル)  遠い(約3メートル)
 静かな場所       騒音のある場所
 親しみのあることば   親しみのないことば
 単一の活動       同時活動
































 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     






















 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     



























 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     





























 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


















 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     













 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     












 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     












 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     












 未出現 = 0
 出現 × 1 =  
 獲得過程 × 2 =  
 獲得済み × 3 =   
この項の得点:     


この項の総得点:
     /234=  %
コメント:他の活動をしながら聴いたことが,聴覚情報に関与する。(例えば,ノートを取りながら聴く,色を塗りながら聴く等)ある一つの活動が,他のこと(聴くことなど)に関係してしまう。

【目次】



FAPI 聴能評価法の利用法

FAPIは,ややもすると細かすぎるところもあり,現場でのそのままの使用は難しいかもしれません。しかし,アメリカで実際に使用されているところを見ると,日本でも「自立活動」の「個別の指導計画」として,聴能専科教員が利用することを考えるべきなのかもしれません。
評価項目,評価内容は従前の聴能訓練時代のものとほとんどかわらないと思います。問題は現在の子どもの状態をどのように把握するかであって,これをもとに次の訓練項目を決定していくものではありません。

評価の方法
1.「聴能評価のポイント」欄の各項目に,「未出現」「出現」「獲得過程」「獲得済み」を表す,それぞれ「N」「E」「P」「A」を記入します。
2.「N」「E」「P」「A」のそれぞれが,おのおのいくつかあるかを,格段ごとに数えます。
3.格段ごとに「N」には0点,「E」の数×1点,「P」の数×2点,「A」の数×3点として,中項目ごとの合計値を計算します。
4.大項目ごとに中項目の得点を集計します。
5.大項目ごとの集計値を「FAPI評価表」に書き込みます。
6.「FAPI評価表」の下に到達部分を色塗りして棒グラフを完成させます。

FAPI聴能評価の利用法1
FAPI聴能評価の利用法2
※「チェックモード」は得点化せず,状態によって適切な箇所にチェックを入れる。

※人工内耳装用児の場合は,「音源定位」の欄は採点しないことがあります。
これは人工内耳にとって音源定位がシステム的に困難であるからです。

※評価項目中,日本語に翻訳困難な箇所がありました。
何か良い日本語の置き換えなどがありましたらお教え下さい。

5)各大項目ごとの「%」をFAPI評価表に書き込みます。
6)下の欄の%に相当する部分を塗り,棒グラフを完成させます。

FAPI聴能評価の利用法3

【目次】



重要な参考文献

講演全体に関係する文献として下記の2文献を挙げておきます。
1.428号掲載の講演要旨初頭のスクリーニングに関しての両親の評価について
Identifying Hearing Loss: Parents' Needs
David Luterman,Ellen Kurtzer-White
Emerson College, School of Communication Sciences and Disorders, Boston, MA
American Journal of Audiology Vol.8
http://asha.edoc.com/1059-0089/v8n1/luterman.html

2.コロラド州でのスクリーニング実施結果についての報告書
The Colorado Newborn Hearing Screening Project, 1992〜1999
On the Threshold of Effective Population-Based Universal Newborn Hearing Screening
PEDIATRICS Vol.109 No.1 January 2002, pp.e7
http://www.pediatrics.org/cgi/reprint/109/1/e7.pdf


【目次】



スライド・資料の翻訳には下記の先生方のご協力を得ました。記して深くお礼申し上げます。
 塩原病院
 日本聾話学校
 宮崎県立延岡ろう学校
 緒方啓一先生
 富澤晃文先生
 黒木幸博先生
 福岡市立西長住小学校

 平島ユイ子先生
 柴尾清人様
 中村淳子先生

また,通訳のコーディネートは重松加代子様にお願いし,大阪会場の通訳は中村節子様,東京会場は後呂聖子様にお力添えいただきます。
その他,打ち合わせ等では筑波技術短期大学の須藤正彦先生,GNダナジャパンの長井誠様,京都府立聾学校の細矢義伸先生,大阪市立聾学校の中瀬浩一先生,大阪会場について特別のご高配を頂戴した大阪市立総合医療センターの皆様などにお力添えいただきました。開催に向けてご助力いただきました皆々様に重ねてお礼申し上げます。

最後に「補聴に関する国際フォーラム」の実施にあたりましては,(株)GNダナジャパン,日本コクレア(株)からご援助を頂戴いたしました。深くお礼申し上げます。


【目次】



International Forum2002会計報告

収入:予約参加費 140人分       490000円
   当日参加費  44人分       176000円
   スポンサー料            400000円
   原稿転載料             125000円(資料等翻訳権料)
   合計                1191000円
 
支出:講師航空券代            122856円($908.70)
   講師謝金              101400円($700)
   講師,事務局,国内移動交通費    101570円
   講師,事務局,宿泊費        155128円(一部朝食を含む)
国内講師謝金交通費          15000円
   会場費               195195円
   通訳・翻訳諸費           350500円
   講師,事務局,食費          86345円
   事務費,広告送料,送金手数料他    35374円
   輸送費(資料,機材送料)       17120円
   歓迎費(観光,お土産代)       11000円
   支出合計              1191488円
 
決算:488円の赤字

【目次】



なお,International Forum 2004 はお休みとさせてください。
実施形態,実施方法などの再検討の時期に来ていると思いますのと同時に,2006年前後に「APCD:アジア太平洋聾問題会議」が日本で開催される可能性もあり,その開催時に,拡大「International Forum 2006」のような形も企画したいと思っております。

次号でご案内しますが,AAA:アメリカオーディオロジー学会のような,関係者が一同に集まり,様々なセミナーを一斉に開催するような形態があっていいように思います。そうした「日本版AAA」のような企画があれば,ぜひ乗ってみたいとも思っています。

【目次】



【目次】 | NEXT | BACK |「みみだより」ホームページ