2001年6月25日(第2・4月曜日発行)

News Source of Educational Audiology

聴能情報誌  みみだより  第3巻  第414号  通巻499号


編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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立入 哉 :h-tachi@ma4.justnet.ne.jp


「みみだより」ホームページ
ペーパーメディアによる「みみだより」購読のお誘い



今年もやります! フィッティング・フォーラム

  日 時  9月29日(土)
  会 場  福井市内
  内 容  報告「聴覚障害者のための国際大学連合ネットワーク」
        アジア,アメリカ,中国の聴覚障害者関連大学のネットワークについての報告
       報告「出そろってきた重度難聴用フルデジタル補聴器」
         ここ1年の間,対象を100dB以上としたフルデジタル補聴器の市販が相次いで
        います。センソP38・P37,プリズマSP2+,感多BTPといった器種について,でき
        れば実際の使用例を参考にディスカッションしたいと思っています。
       報告「動き出した乳幼児スクリーニングシステム
                   −モデル指定県からの報告−」
         昨年に続き,乳幼児スクリーニングシステムについて,今年度は,モデル事業
        指定県からの実情報告をしていただきたいと考えています(現在,交渉中)。
  参加費   3000円

    ※参加募集要項などは7月に各聾学校にFAXでお知らせします。


【目次】第414号

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「みみだより305号」の再掲   


夏来る!
  」 対 策 特 集

1.まずは,汗から守る・・・
@モイスチャーガード = ラップ状のもので補聴器をグルグルに巻き,補聴器に汗が侵入するのを防ぐ。市販価600〜800円。サランラップを細く切って巻けば同じ効果がある。しかし,一度,中に汗が入ると発散されにくくなるのも事実。

A布サック(製品・指包帯・軍手) = 綿でできたサックを補聴器をかぶせるもの。
布サック 綿が外部からの汗を吸い取り,補聴器内部に汗が侵入するのを防ぐ。市販価2ヶで,400円。また,軍手の指を切って切り口をしぼったものを使う,あるいは,大きな薬局で売っている指包帯を使うこともできる。しかし,びちょびちょの布サックを巻いたままにするとかえって逆効果。乾燥剤にいれる際は布サックを補聴器からはずし,補聴器から汗が発散されやすいように気を使って!。

図は「音・きこえのノ−ト No.155」
(奈良県立ろう学校・聴能部刊)より許可を得て転載。

2.補聴器を使わないときは必ず乾燥を
汗対策は「とにかく乾燥させること」
上記の方法はあくまでも侵入を少なくする方法で,一度入ってしまった汗には逆効果。補聴器を使わないときは,一時を惜しんで乾燥させるべし。

保管方法
@いいシリカゲルを使う = 煎餅の袋の中のものなどを使わない。青々とした良いシリカゲルを調達する(調達法は以下を参照)。十分な量(少なくとも100〜200g)をタッパの中に入れ,その上にティッシュを置き,その上に補聴器を置く。

A持ち運び用シリカゲルにはダシ袋を使う
上記の方法だと,持ち運ぶとシリカゲルがタッパの中で散ってしまう。そこで持ち運び用ケースにシリカゲルを入れる場合は,鰹節や茶葉を入れるダシ袋(次注)を使うこと。

但し,補聴器用電池は乾燥剤の中に入れないこと=寿命が短縮する

シリカゲルの調達法
大きめの薬局で入手できます(500g単位が多い:中粒が使いやすい)
学校・保護者会・親の会などでまとめて注文する場合の依頼先:現在ある事情で公表できません。卸でシリカゲルを分けていただけるお店,1社と公表に向けて交渉中ですので,まとまり次第お知らせします。

ダシ袋はスーパーなどで入手可能。
ダシ袋製造元:〒799-0431 愛媛県伊予三島市寒川町4227 TEL:0896-74-6115

★シリカゲルの再利用にご注意を
シリカゲルは,ケイ酸のゲルで成分は SiO2・nH2O です。多孔質で表面積が大きいために吸水性のみでなく吸着性にも優れているわけです。シリカゲル自体はケイ酸で,ガラスの親戚みたいなものですからかなり高熱でも安定で有毒ガスは出ません。しかし,市販のシリカゲルにはモイスチャーインジケーター(湿気を吸うと青から薄いピンクに変わる物質)が入っているものがあります。これには塩化コバルトという物質が利用されていて,水分の吸着度の目安にはなりますが,高熱をかけることによって有害な塩化水素ガス(HCl)が出てくる可能性があります。また,シリカゲルのメーカーは再利用を考えて売っているわけではないので,その他の添加物による悪影響も心配です。
また,あまりきれいでないフライパンなどで高温で煎ったりしますと,フライパンに付着しているものが吸着されていきますからどんどん汚くなり劣化がおこって,吸湿・吸着性が落ちていきます。急に高熱をかけると,飛び散ったかけらが目に入る危険性もあり,火傷の原因にもなります。このようにシリカゲルの再使用には危険性がありますので,できるだけしない方が望ましく,またどうしても再使用する場合は,できるだけ低い温度で煎る方が安全です。不適切な再生によって繰り返し使用すると,徐々に吸着・吸湿力が落ちていきます。
伊藤 芳久 (日本大学薬学部薬理学研究室) yoshiit@ask.ne.jp  
[みみだよりメーリングリストへの投稿者より許可を得て転載]  

★その他の対策を求めています
「みみだよりメーリングリスト」からの情報で,補聴器ケースの継ぎ目をシリコンコーティングするなどの方法も一部では行われているようです。その他,様々な汗対策がありましたら,ぜひお知らせ願います。

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研究会・講習会開催
 近畿教育オーディオロジー研究協議会

総会&講演会
1.日 時  8月21日(火)9:30〜12:20
2.会 場  講演会会場:たかつガーデン(大阪府教育会館)
        〒543-0021 大阪市天王寺区東高津町7−11
        TEL 06-6768-3911 FAX 06-6768-3170
        交通:近鉄上本町駅から 徒歩約3分
           地下鉄谷町九丁目駅から 徒歩約7分
3.内 容  講演:「教育における聴覚活用の意味と新たな展開」
        講師:愛媛大学 教育学部教授 高橋信雄先生

教育オーディオロジー講習会(少人数で実習を中心とした講習会)
1.日 時  8月21日(火)13:30〜16:30,22日(水)9:30〜16:30
2.会 場  講習会会場:大阪府立生野聾学校
        〒544-0034 大阪市生野区桃谷1−2−1
        TEL 06-6717-3366 FAX 06-6717-5865
        交通:JR・近鉄・地下鉄千日前線鶴橋駅下車南へ400m
           JR桃谷駅下車 北へ400m
3.内 容  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/non007をご覧下さい。
5.参加申込
  申込締切 7月19日(木)
  ○郵便またはFAXでの申し込みのみ受け付けます(電話での申込不可)。
  ○手話通訳・要約筆記・ループなどの必要のある方は,申込書(情報保障欄)にお書き
   ください。※当日に希望されても準備できませんのでご了承ください。

6.照会先:近畿教育オーディオロジー研究協議会 事務局:
  〒639-1122 奈良県大和郡山市丹後庄町456番地 奈良県立ろう学校内(中井弘征)
  TEL 0743-56-2921 FAX 0743-56-8833
  ホームページ http://web.kyoto-inet.or.jp/people/non007 からも参加申込みができます。

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学会開催
 ろ う 教 育 科 学 会 第43回大会

会期 2001年8月4日(土)・5日(日)
会場 伏見ライフプラザ5階「鯱城ホール」
   名古屋市中区栄1−23−13
   名古屋駅から地下鉄・東山線にて「栄・藤ヶ丘方面行き」に乗り,伏見駅下車
   伏見駅・6番出口より南へ徒歩6分。
日程
4日 9:00〜 9:30 受付
   9:30〜12:00 研究発表T
    1.聾学校高等部生徒の自己感情に及ぼす要因の検討
    2.健聴両親/聴覚障害児と聴覚障害両親/
      健聴児の認知操作能力と伝達能力に関する事例的考察
    3.学習障害を背景にもつ難聴児の指導について
    4.聴覚障害児の音楽活動に関する実態調査
    5.数学的概念に対する意味づけ
  13:00〜15:30 研究発表U
    6.聴覚障害児の電話コミュニケーション −両親ろうの難聴児の事例−
    7.聴覚障害児の交流会の実施と課題
    8.聾児の“心の叫び・つぶやき”に耳をすます教育の課題と模索
    9.西川はま子 音声の音韻的特徴
    10.聴覚障害児用発音訓練装置の開発(第4報)−Javaによる音声情報の表示−
  15:45〜16:30 ショート・レクチャーT
    「小児人工内耳における神経反応テレメトリー(NRT)の有効性」
     内藤 明(東海大学医学部耳鼻咽喉科)
  16:30〜17:15 ショート・レクチャーU
     岡本 稲丸(元京都府立聾学校)
  18:00〜 懇親会
5日 9:00〜 9:30 受付
  9:30〜10:30 特別講演T
    「家庭・学校・社会〜ろう教育専門家からの提言〜」
     福田暉彦(元大阪府立堺聾学校)
  10:30〜11:30 特別講演U
   「聴覚障害児・者の家庭・学校・社会〜コミュニケーション研究者の立場から〜」
    坂本 幸(宮城教育大学)
  12:30〜14:30 シンポジウムT 司会:松下 淑(皇學館大学社会福祉学部)
   「私たちが受けてきた教育の再考〜聴覚障害教育を受けてきた青年の提言〜」
     杉浦 貴昭(大同工業大学)
  14:45〜16:45 シンポジウムU
   「子どもたちが受けてきた教育の再考〜聴覚障害児をもつ保護者の提言〜」
参加費 5000円(大会資料集代込み),学生・保護者は3000円
駐車場 会場の駐車場はご利用できません。電車・バスをご利用ください。
その他 大会会期中,手話通訳者がつきます。
照会先:〒448−8542 愛知県刈谷市井ヶ谷町広沢1
    愛知教育大学障害児教育講座内 ろう教育科学会第43回大会事務局 岩田良生
    TEL&FAX 0566-26-2387 e-mail:yiwata@auecc.aichi-edu.ac.jp

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講習会開催
 ろう教育科学会 講習会案内

海外の動向から我が国の聴覚障害教育を探る

1.期日 2001年8月6日(月)
2.会場 NHK名古屋放送センター 9階 901会議室(予定)
     地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車 徒歩3分
3.講師 都築繁幸(愛知教育大学),加藤三保子(豊橋技術科学大学)
4.日程  9:00−9:30 受付
      9:30−12:00 「カナダの聴覚障害教育」都築繁幸先生(愛知教育大学)
     13:00−15:45 「北欧の聴覚障害教育」加藤三保子先生(豊橋技術科学大学)
     15:45−16:15 総括 質疑・応答
5.会費 3000円
6.定員 80名
7.申込締切 2001年7月25日(水)
8.申込方法 郵便振替でお願い致します。参加費の振り込みをもって,参加申し込みを
    受け付けることになります。受付次第「受講票」をお送り致します。また,参加
    費は原則として,当方の事情以外の理由でお返しはできません。
   参加費振込先 ろう教育科学会第43回大会準備委員会事務局
   代表者 岩田良生  郵便振替「12190−83478411」
    なお,郵便振替・通信欄に「講習会参加希望」の旨と,所属先,住所,氏名,
   TEL&FAX番号をご記入の上,お振り込みください。
9.その他 昼食は,会場付近の食堂をご利用ください。手話通訳が付きます。
10.照会先:〒448−8542 愛知県刈谷市井ヶ谷町広沢1 愛知教育大学
  障害児教育講座内 ろう教育科学会第43回大会事務局 岩田良生
  TEL&FAX 0566-26-2387 e-mail:yiwata@auecc.aichi-edu.ac.jp

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講座開催
 第13回聴覚活用夏期研修講座
          「今,聴覚障害教育に求められるもの」

本校では,これまでの研修の成果とその反省のもとに,聴覚活用並びに言語指導を教育活動の中心にすえ,各教科等と密接な関連を保ちながら指導内容及び指導方法の工夫・改善に取り組んでまいりました。今後の本校教育の充実のために,多数の御参加をいただき,御指導御鞭撻たまわることを切に願うものです。

1 主  催  福岡県立小倉聾学校
2 日程・内容  7月23日(月曜日) 9:00〜受付, 9:45〜開講式
  10:00〜 公開授業(幼稚部,小学部,中学部)
  11:00〜 A:公開授業への質疑応答・研究協議,各学部の教育活動に対する質疑応答等
      B:教育座談会【保護者】
  13:00〜14:45 講演「あなたと分かり合うために
                −親として・指導者として辿って 来た道−」
         講師 聴覚障害児と共に歩む会・トライアングル教育部 南村洋子先生
  15:00〜16:40 分科会(実践報告,質疑応答,研究協議等)
         A:早期教育,B:聴覚活用,C:言語指導
3 会  場  福岡県立小倉聾学校(〒802-0061 北九州市小倉北区三郎丸2丁目9-1)
4 受講申込  別掲受講申込書に必要な事項を記入の上,お申込み下さい。
        ※FAX・e-mailで申し込みの場合は,必ず電話にて確認をお願いします。
6 そ の 他  ※託児はありません。※当日受付にて,資料代(500円)を徴収します。
7 照 会 先  福岡県立小倉聾学校 研修部(藤野)e-mail:fhkokura@coral.ocn.ne.jp
        TEL:093−921−3600,FAX:093−931−9904
申込者氏名   e-mail  
勤務先連絡
先か
自宅連絡先


電話  
FAX  
昼食・弁当の注文( 要 ・ 不要 ) ※6月30日を過ぎての弁当注文の変更はできません。
参加希望分科会(午前,午後とも,1つを選び( )内に○をお付けください)
  午前の参加分科会(    )A:公開授業への質疑応答・研究協議等
        (    )B:教育座談会【保護者】
午後の参加分科会(    )A:早期教育
        (    )B:聴覚活用
        (    )C:言語指導

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シンポジウム開催
 全国聴覚障害教職員シンポジウム

日時  2001年8月7日(火)〜9日(木)
会場  郡山市総合福祉センター
内容  7日(火)12:50〜14:20 全聴教役員会
         13:30〜14:30 一般受付
         14:30〜15:50 定期総会
         16:00〜17:00 特別企画「福島大会記念講演パントマイム」
         18:30〜20:30 福島の夕べ・懇親会
    8日(水) 9:00〜 9:30 受付
          9:30〜10:00 シンポジウム開会式
         10:00〜12:00 オープンフォーラム
            「対談:21世紀の聴覚障害児教育〜小田候朗&上農正剛」
            パネリスト 国立特殊教育総合研究所 小田候朗
                  九州保健衛生大学 上農正剛
            コーディネータ  全国聴覚障害教職員連絡協議会 前田浩
         12:00〜13:00 昼食
         13:00〜16:30 分科会
                 幼稚部・小学部における自立活動
                 中学部・高等部における自立活動
                 寄宿舎の子どもたちと共に
                 聴覚障害教職員は語り,そして皆で話し合おう
                 これからの職業教育
                 ワークショップ〜身体表現へのいざない〜
         16:30〜18:00 記念写真撮影,自由行動
         18:00〜20:00 交流会
    9日(木) 9:00〜11:00 全体会 特別講演「聴覚障害教育における表現教育」
                福島県立福島西高等学校 青木淑子
         11:10〜12:00 終わりの集い(閉会式)

参加費  参加形態により宿泊費込み 38000円〜7000円の幅
照会先  参加申込締切 7月9日(月)
     参加形態,参加分科会など参加の詳細は下記にご照会下さい。
     〒963-0201 福島県郡山市大槻町西ノ宮西32
     福島県立聾学校内 全聴教福島大会事務局
     TEL:024-951-2081 FAX:024-951-8410
※なお,6月30日締切で発表レポートを求めています。詳しくは照会先まで。

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全難言協
 全国公立学校
  難聴・言語障害教育研究協議会島根大会

期 日:7月26日(木),27日(金)
会 場:島根県民会館 松江市殿町158
参加費:5000円
日 程:26日(木) 9:10〜10:00 受付
        10:00〜11:30 総会・開会行事
        11:30〜12:00 基調提案
        13:00〜15:00 シンポジウム「子どもたちの暮らしを見つめて」
        コーディネータ 鯨岡崚氏(京都大学)
        15:10〜16:30 記念講演「関係と暮らしの向こうに見えるもの」
               講師 鯨岡崚氏(京都大学)
        18:00〜    交流会 会場:ホテル一畑(松江市千鳥町30)
    27日(金) 9:10〜10:00 受付
        10:00〜15:30 分科会

参加等について:
  宿泊・参加等については下記へご照会下さい。
   〒690-0003 松江市朝日町472-2 TiS松江支店 担当:佐藤さとみ,高橋充男
   予約等の申込はFAXでのみ受付 FAX:0852-25-6066 TEL:0852-23-3320
  主管校:松江市中内原小学校 通級指導教室
   〒690−0873 松江市内中原町225 FAX:0852-26-3644

○分科会4(内容:聴覚)紹介
コーディネータ 小田候朗氏(国立特殊教育総合研究所)  
「中学校難聴学級における指導」嶋田聡(徳島県富田中学校)
富田中学校に難聴学級ができて8年。「中学校にも難聴学級を!」という声が上がり,多くの人々の努力で成果が生まれた,徳島県で唯一の中学校難聴学級が本校である。とこが,「県内でただ一つ」という特異性から,学級経営上で生じてくる多くの課題を,他機関や地域,小学校との「連携」抜きに解決していくことは困難である。また,思春期の生徒を理解していくことや,教科の専門性が高まる中学校で学習指導を行う時,教師間や学校・家庭間の「連携」は,より必要性を増してくる。さらに,進路保証の点から考えると,高等学校をはじめとする上級学校との「連携」も視野にいれていかなければならない。また,広い社会啓発の意味も含め,近隣地域の中学校とも積極的に関わっていく必要があるのではと考えている。
今大会では,そうした「連携」を進めていく中で生まれてきたいくつかの事例を紹介し,「その子の一生」という長い目から見た時の中学校難聴学級における役割および「望ましい連携のあり方」について会場の先生方と一緒に考えていけたらと思っている。

「友だちと一緒がいい!」小松原和子(島根県飯梨小学校)
発表者は県立松江ろう学校で9年間勤め,その後,小学校難聴学級を担当し4年目を迎える。在籍の高度難聴児は,地元の学校で友達や地域の人と一緒に暮らしていくことを願い,入学してきた。ところが,周りの友だちとコミュニケーションがとりにくく,思いが伝わらない。泣きながら何度でもぶつかってゆくが,どんどんお互いのストレスになってゆく。 このくらしにくさは,その子自信の努力が足りないからであろうか。いや,そうではない。ある日,友だちも一生懸命身振り手振りでその子に働きかけた。そうだ,周りの子どもたちへ働きかけ,共に生きていく道を切り開いていけないだろうか,と発表者は考えた。この発表は,難聴児愛ちゃん(仮名)のくらしを見つめたとき,周りの友だちや学校全体が,はじめの一歩を踏み出し,変容していった実践記録である。

○分科会8(内容:管理職・行政担当)
コーディネータ 宍戸和成氏(国立特殊教育総合研究所)  
「広島市の難聴・言語教育の歩みとこれから」田丸豊生(広島県 中筋小学校)
広島県では昭和42年に言語障害学級が1校2学級開設された。その後昭和45年には難聴学級も開設され,以後地域拠点的設置を考慮して市内各所に難聴・言語障害学級が設置された。平成5年には通級による指導が制度化され,通級指導教室の移行し,学籍を移さなくても指導ができるようになった。通級制は多くのメリットをもたらしたが,課題もいくつかある。これまでの広島市では,言語障害通級指導教室,難聴学級担当者は教育委員会,難聴・言語障害児をもつ親の会との連携を密にとりながら難聴・言語障害教育を推進してきている。広島県の難聴・言語障害教育のこれまでの歩み,実情,担当者の研修,親の会との連携,本校での取り組み等広島市の難聴・言語障害教育の現状と課題について考察し,管理職としても支援,援助の在り方について発表したい。

「信頼される通級指導教室の運営をめざして」田中頼明(島根県 高津中学校)
本校は,島根県内で通級指導教室が設置されている唯一の中学校である。担当者は通級する児童・生徒の一人一人がそれぞれの学校で意欲的に生活し,個性や能力が存分に発揮されるための支援の場を形成できるように,また校長はその担当者を支え,適切な教室運営となるよう次の点に留意している。
1.生徒や保護者の願いを受け止め,各学校の指導方針やねらいを十分に理解したうえでの教室運営を心がける。
2.通級指導教室設置の意義をふまえ,人権尊重の立場に立った学校運営を心がける。
3.児童・生徒の利用しやすい環境作りや他校との連携強化及び利用促進に努める。
4.担当者が指導に専念できるよう,指導環境の整備,校内組織の確立,行政との連絡調整等を十分に行う。
5.指導者の研修の場及び機会を確保する。

【目次】



関連新刊図書

★障害者福祉論 手塚直樹編 ミネルヴァ書房 2600円 4-623-03352-X

★老人・障害者の心理 藤田綾子編 ミネルヴァ書房 2600円 4-623-03356-2

★ことばと聞こえの解剖学 ジョン M.パーマー著 学苑社 4500円 4-7614-0103-6

★先天性奇形症候群および遺伝性疾患データブック 成富研二著 診断と治療社 80000円

★「特殊」学級って,なんだろう? 成沢真介著 ぶどう社 1500円 4-89240-150-1

★知的障害者援助の基本的所作 川島博久著 星雲社 1905円 4-434-01120-0

★海をわたった盲導犬ロディ 井上こみち作 理論社 1200円 4-652-00372-2

★耳鼻咽喉科オフィスクリニック 八木聡明編集 医学書院 4500円 4-260-13250-4

★コミュニケーション障害の臨床1 日本聴能言語士協会講習会実行委員会編集
協同医書出版社 3800円 4-7639-3021-4

★コミュニケーション障害の臨床2 日本聴能言語士協会講習会実行委員会編集
協同医書出版社 3000円 4-7639-3022-2

★脳と音楽 岩田誠著 メディカルレビュー社 1900円 4-89600-376-4

★障害児教育の「総合的な学習の時間」:
   生活単元学習から「総合的な学習の時間」への転換
三浦光哉編著 田研出版 2200円 4-924339-84-9

★障害乳幼児の発達と仲間づくり
全国保育問題研究協議会編 新読書社 1800円 4-7880-0130-6

★僕アホやない人間だ2 福井達雨著; 海竜社; 1238円; 378.6; 01028397; 4-7593-0670-6

★児童相談所汗と涙の奮闘記

【目次】



研究会開催
 聴覚障害児教育共同研究会

1.趣 旨   本研究会は聴覚障害児の教育についてお互いの実践を通してより良き指
       導の方向を研究し,聴覚障害児教育のセンター的役割を果たしたく,当面
       の段階として,指導上の具体的な問題について,必要に応じて連絡・研究
       ・協議をする。
2.内 容   本年度は各校の実態に沿った個別の相談会を2回設け研究と交流を深め
       ていきたいと思っています。
3.相談日  11月1日(木) 午後3時30分〜5時
       ※相談会当日の授業参観を希望の方は申込書に記入の上,ご連絡ください。
4.会 場  大阪府立堺聾学校小学部・中学部
5.申し込み  大阪府立堺聾学校まで
6.締切日  10月24日(水)
7.照会先  大阪府立堺聾学校共同研係
       〒591−8034 堺市百舌鳥陵南町1丁目
       TEL 0722−57−5471,FAX 0722−57−3310

8.その他   研究会について不明な事項等のお問い合わせは堺聾学校共同研係(綿谷・
       加藤)までお願いします。
        なお,2002年2月6日(水)には共同研究会(公開授業・全体討議会)
       を実施いたします。詳細は後日ご案内申しげます。

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衛星劇場
 日 本 語 字 幕 入 り 映 画 放 送

8月  十五才・学校W               5日(日)AM 7:00〜
    男はつらいよ 寅次郎夕焼け子焼け     12日(日)AM 7:00〜
    楢山節考                 19日(日)AM 7:00〜
    釣りバカ日誌7              24日(日)AM 7:00〜

字幕入り放送へのご意見/リクエスト等は 衛星劇場編成部まで FAX:03-5250-2324
受信に関する照会は、パーフェクTV FAX:03-5802-8438か、上記衛星劇場まで。
詳しくは、〒104-0045 中央区築地4-1-1 東劇ビル5F 衛星劇場まで。
または,衛星劇場ホームページ http://www.eigeki.com/
    衛星デフシアター http://www.eigeki.com/smsvc420.html

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講習会開催
 福岡県立久留米聾学校
 第5回聴覚障害教育夏期講習会

1 期日  7月30日(月)〜31日(火)
2 会場  福岡県立久留米聾学校
3 対象   聴覚障害児が在籍する幼稚園、保育所、小学校、中学校、高等学校の教員、
       及びことばの教室の教員、交流校教員、聾学校教員、その他関係者(定員100名)
4 参加費   1000円(当日、受付でお支払いください)
5 日程
  第1日目(7月30日)《聴覚障害教育基礎講座》
   9:00〜 9:30  受付(玄関ロビー)
   9:30〜10:20  公開授業(幼児教育相談、幼稚部、小学部、中学部)
  10:30〜10:45  開講式
  10:45〜12:45  講演会 演 題:「聴覚障害児の国語科指導」
              講 師:筑波大学附属聾学校 教諭 細田和久先生
  13:30〜14:40  基礎講座
          講座A               講座C
          発音・発語指導の基礎        補聴器やFM補聴器について
  14:50〜16:00  講座B               講座D
          発音・発語指導の実際(各音の指導  聴覚障害児と障害認識
  第2日目(7月31日)  《第17回インテグレーション研究会》
   9:00〜 9:30  受 付
   9:30〜 9:40  諸連絡
   9:40〜12:30  講演会
         演 題:「インテグレ−ションを振り返って」
         講 師: 大阪市立聾学校 教諭 堀谷留美先生
  13:30〜15:20  分科会「インテグレーションの諸課題について」
          第1分科会:幼稚園・保育園    第2分科会:小学校低学年
          第3分科会:小学校高学年     第4分科会:中学校・高校
  15:20〜15:30  閉会行事(各分科会にて)

6 申込方法:参加申込書を7月25日(水)までに、下記宛郵送、またはファックス
      で送信してください。
   申込先:〒839-0852 久留米市高良内町2935番地
             福岡県立久留米聾学校 夏期講習会 担当 野村
             FAX:0942-45-0139 TEL:0942-44-2304



参 加 申 込 書
氏   名   所 属  
住所 □□□−□□□□

TEL:            FAX:
参 加 希 望 日
(○を付けて下さい)

  第1日目(30日)  第2日目(31日)

1日目午後 
参加希望講座
(AC、BDの講座から
それぞれ1つを
選択して○を
付けて下さい)
講座A
発音・発語指導の基礎
講座C
補聴器やFM補聴器について
講座B
発音・発語指導の実際
(各音の指導)
講座D
聴覚障害児と障害認識
2日目午後
参加希望分科会
(○を付けて下さい。)
 第1分科会:幼稚園・保育園   第2分科会:小学校低学年

 第3分科会:小学校高学年    第4分科会:中学校・高校
昼食(800円)  30日(注文する・注文しない)31日(注文する・注文しない)
講座に対する希望や、日頃の指導上の悩み等があれば記入してください。

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交流会開催
 第5回ろう教育実践交流会

1.期 日  2001年8月23日(木)〜25日(土)
2.会 場  講演・研修会 広島県立生涯学習センター(広島市東区光町2−1−14)
        宿泊・懇親会 東方2001(広島市東区光町2−7−31)
3.主 催  ろう教育実践交流会実行委員会
       (事務局 広島県立広島ろう学校内 代表 池頭 一浩)
4.対 象  ろう教育関係者(ろう学校教職員,研究者など)
5.定 員  50名
6.日 程  23日 14:00〜18:00 講演
          「手話導入とリテラシー 現実条件と構築条件をめぐって」
            上農 正剛 (九州保健福祉大学)
       24日 9:30〜12:00 各校・各部からの実践報告,研究協議〔幼稚部〕
            吉本努(奈良ろう),佐々木麻利子(広島ろう)
           13:30〜16:00 各校・各部からの実践報告,研究協議〔小学部〕
            堀谷留美(大阪市聾),浜村美香(広島ろう)
          16:15〜18:45 各校・各部からの実践報告,研究協議〔中学部・高等部〕
            脇中起余子(京都聾),越智公政(愛媛県立第二養護)
        25日 9:00〜12:00 パネルディスカッション「ろう者が望むろう教育」
             中西久子(三重聾),小野夏子(フリースクールきずな)
             庭田恭子(広島ろう者文化クラブ),日野友紀(広島大教育)

    終了後,聴覚障害者専用養護老人ホーム「あすやら荘」を見学(希望者のみ)

7.照会先 〒730-0822 広島市中区吉島東2-10-33 広島県立広島ろう学校内
      第5回ろう教育実践交流会 事務局 代表 池頭一浩
      FAX 082-244-0423 E-MAIL hatsuko@do.enjoy.ne.jp
8.参加申し込み形態と参加費
  次の6タイプの中から選んで下さい。これ以外の参加形態は原則として認めません。
  基本的にはAタイプ(全日参加)で申し込んでいただきたいと思います。

  A 2泊3日(23日〜25日)  4食付き(23日夕,24日朝・昼,25日朝)
  B 1泊2日(23日〜24日)  3食付き(23日夕,24日朝・昼)
  C 1泊2日(24日〜25日)  2食付き(24日昼・25日朝)
  D 日帰り(23・24・25日  1食付き(24日昼)
  E 日帰り(23・24日)    1食付き(24日昼)
  F 日帰り(24・25日)    1食付き(24日昼)


参加形態
 
A
2泊3日
B
1泊2日
C
1泊2日
D
日帰り
E
日帰り
F
日帰り
23日 会議    
懇親会        
宿泊        
24日 朝食        
会議
昼食
夕食 各 自 で お と り 下 さ い
宿泊        
25日 朝食        
会議    
参加費   23000円 18000円 12000円 6000円 5000円 5000円

※23日の夕食は懇親会を兼ねます。
※参加費には宿泊費,食費,懇親会費,会場費,会議費,事務通信費,雑費を含みます。
参加費は当日,受付の際にお支払い下さい。

第5回ろう教育実践交流会 参加申し込み用紙
名 前
フリガナ

( 聴者 ・ 聴覚障害者 )
所 属  
連絡先
(住所等)
□□□−□□□□


FAX              TEL
E-MAIL
参加形態 A ・ B ・ C ・ D ・ E ・ F あすらや荘見学希望 有 ・ 無
メッセージ  
〔送付先〕
  〒730−0822 広島市中区吉島東2−10−33 広島県立広島ろう学校
  ろう教育実践交流会 事務局 代表 池頭一浩 (いけとう かずひろ)
  FAX 082-244-0423 TEL 082-244-0421  E-MAIL hatsuko@do.enjoy.ne.jp
          7月13日(金)締め切り
  ※ 申し込みが多い場合は,参加をお断りすることがあります。ご了承下さい。
 

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