2000年11月13日(第2・4月曜日発行)

News Source of Educational Audiology

聴能情報誌  みみだより  第3巻  第400号  通巻485号


編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
購読料照会・新規購読申込・記事内容照会などは、郵便かFAXでお問い合わせいただくか、
下記のアドレスへメールをお送り下さい。

立入 哉 :h-tachi@ma4.justnet.ne.jp


「みみだより」ホームページ
ペーパーメディアによる「みみだより」購読のお誘い



「みみだより」400号記念バックナンバー集CD−ROMについて

「みみだより」400号記念で,バックナンバー集CD−ROMを作成します。
301〜399号をCD−ROMの形体で配布します。
一太郎10形式の文書ファイルとHTML形式の双方を集録予定です。
HTML形式のファイルと新ホームページは児玉良一先生のお世話で作成進行中です。
詳しくは4ページをご参照下さい。

【目次】第400号

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もう13年も経ってしまいました・・・・

         13年間のご支援、ありがとうございます。

「みみだより」400号のあゆみ


1987年4月18日 創刊
 個人的にB5サイズの両面コピ− 2ページものを教員と保護者全員に配った。
 「みみだより」の名前の元祖は当時神戸聾学校だった高橋武三先生。
1987年11月11日 第20号発行
 この頃から、学校外の先生にも郵送するようになった。
1988年2月22日「Product News」創刊
 学校外に郵送する分が50部を越え、料金別納郵便での発送をする。
 学校外向けにもっと専門的な内容を扱おうと作られたのが「Product News」。
88年4月14日 31号発行
 学校の校務として認められ、発行者名が「徳島県立聾学校聴能課発行」となった。
88年5月頃 購読料形式を始める
 当時、東京学芸大学におられた中西靖子先生(元筑波大学教授)から、お電話を頂戴する。「郵便代が大変だから購読料をとったら?」。これが今のやり方の基礎になった。
1988年10月14日 フィッティング・フォ−ラム開催
 紙面を通しての関係ではなく、どこかで集まって情報交換ができないかと考え、「フィッティング・フォ−ラム」を企画。第1回目を徳島市の眉山会館で開催。
1988年12月9日 輪転印刷開始
 購読者の急増や発行頻度が多くなったことで、学校のコピ−代を圧迫。徳島県自閉症児を持つ親の会の好意で壊れていた輪転機を借り受け,修理しつかうようになる。
1989年2月10日 みみだより50号発行
1989年4月 徳島県立聾学校聴能課長に就任
 当時、学校に「聴能専科」を置き、聴能を養護・訓練の中に組み入れるように嘆願していて、結局、その責任をとらされた感じ。
1990年6月25日 「みみだより」100号刊行
 記念に「バックナンバ−集」を発刊。1冊1800円で400冊印刷したが、在庫の山に頭痛。完売に1年間かかる。この頃、購読者が200名を越える。
1991年1月12日 まぼろしの124号
 この頃、「みみだより」を通じて聾学校内で高等部に普通科を設置する必要性を訴える。その後、続いてまぼろしの「みみだより124号」で、個人的にやった保護者アンケートの結果を掲載。「保護者アンケートは学校の意向ではない」とする校長と対立。結局、原稿の「みみだより124号」は没に。言いたいことを書けないなら出す意味はないと「みみだより」の発行を校務=聴能課の業務から削除し、校内有志の発行とした。以後、発行人として「みみだより編集部発行」を使うようになった。
1992年3月23日 徳島県立聾学校退職に伴い,159号を出して休刊。
1992年10月31日 全日聾研でお会いする先生から,休刊を惜しむ声を聞き、復活
を考えるようになり,再開する。再開後は、毎回B4両面刷り半折りの4ページ構成に。
1993年4月20日 「ひとこと」開始
1993年12月15日 「みみだより」200号達成
 発刊6年8カ月にして、200号達成。「Product News」75号で通巻275号。当時の印刷部数は450部。この頃、封筒は1枚1枚プリントゴッコで刷り、また1部づつ手で折っていた。1回発行するのに丸2日かかる作業だった。
1994年10月3日 「みみだより」230号より印刷外注
 それまで大学の輪転機で毎号毎号印刷していたが、印刷だけでも時間をずいぶん取られていたため、会議録センターに外注開始。また、この頃から徳島の岸田勇様よりカラー印刷のきれいな封筒を頂戴し、プリントゴッコによる封筒も卒業。
1994年11月29日 「Product News」と本誌の内容が区別できなく廃刊することに。
 「Product News」は85号で打ち切り。第3種郵便物認可のために定期刊行物としての条件を揃える準備を始める。
1995年6月15日 増ページ,定期化へ。
 定期刊行物認可のためには定期発行と新聞紙面以上の紙面が必要とわかり,2ページ増やし、6ページ構成を最低ページとする。さらに,定期発行が条件となっているために隔週月曜日発行とする。
1995年11月13日 タイトルなどデザイン変更
 第3種郵便認可獲得のために郵政局より種々の指導を受け、タイトルなど変更。
1996年3月13日 郵政局より定料第3種郵便として認可が下りる
 認可の準備を始めてから約1年、「みみだより」単独で認可を獲得。
1996年6月10日 300号達成
 発刊9年目にして、ようやく300号発刊。発行部数1100部。
 記念に「バックナンバ−集」を発刊。これも在庫の山(今も手持ちがあります!)。
1997年4月14日 転居
 発行所転居に伴い,印刷所を不二印刷に変更。この後,ずっとお世話になっている。
1997年4月27日 発刊10年目を記念し,ホームページを開設。
 この後,ホームページ版は児玉良一先生にお作りいただいている。ひたすら感謝。
 この間,「まぐまぐ」に登録するなどしたが,その後 中止。
1999年3月18日 メーリングリストを開設。
2000年11月13日 400号達成
 発刊13年を迎える。400号達成(通巻485号)。発行部数1900部。

御支援いただいております皆様にお礼申し上げます。
今後も,情報提供などお力添えをお願い申し上げます。
 

【目次】


「みみだより」301〜399号バックナンバーCD−ROM

 「みみだより」400号記念で,301〜399号の文書ファイルとhtml文書をCD−ROMの形体で配布します。一太郎10形式の文書ファイルとhtml形式の双方を集録予定です。同じCD-ROMに一太郎ファイルとhtml文書の双方が入っています。一太郎文書の方は下図のようにキーワードで検索することができ,さらに検索結果によって,文書ファイルを開くことができます。普通の文書ファイルですので,著作権にご配慮いただければ,コピー&ペーストで再利用が簡単にできます。但し,一太郎のバージョン10以上が必要です。
キーワードによる検索
 もし,一太郎をお持ちではない場合は,ブラウザ対応のhtmlファイルが利用できます。htmlファイルは,お手持ちのブラウザ(インターネットエクスプローラなど)で閲覧することができます。(htmlファイルと新ホームページは児玉良一先生のお世話で作成進行中です)。

申込書送信先=FAX:089-946-5211  
みみだより301〜399号CD−ROM申込書


お 名 前:_________________ 希望枚数:______枚
送 付 先: (〒□□□−□□□□)←必ず7桁郵便番号をお書き願います。

____________________________

電話番号: ____________ FAX番号:___________

 ※CD-Rメディア代金+梱包料+送料+発送事務費で約250円ほどのご請求をさせていただく予定です。


【目次】



留学生募集
 第21期 ダスキン障害者留学生 応募者募集

1.派遣人数  10名程度
2.派遣期間  3ケ月以上1年以内
3.派 遣 先  障害者のリハビリテーションに関する施設、学校等の教育機関、障害者団体、研究機関、ボランティア団体。その他行政機関、企業等で本人が策定した研修計画による。
4.派遣費用  総額3万USドル(アメリカの場合)を上限に計画に合わせて支給。
5.応募締切  12月1日(金)
6.応募資格
(1)障害を持つ本人で、リーダーとして社会に貢献したいと志す個人。
(2)年齢は18歳以上35歳まで。学歴、職歴、障害種別は問いません。
(3)研修計画を自ら立案し、実行できる人。
応募者は「私の海外研修計画」(参加申込書・所定の用紙)に研修目的、研修テーマや期間、希望研修先などを記入して郵送で申し込んでいただきます。
7.照 会 先 (財)広げよう愛の輪運動基金
TEL:06−6821−5270 FAX:06−6821−5271

【目次】



全難言協
 第30回 全国公立学校難聴・言語障害教育
        研究協議会全国大会島根大会

1.大会主題 「子どもたちが自分らしく暮らしていくための支援のあり方」
2.開 催 日 2001年7月26日〜27日(25日 ブロック代表者会・理事会)
3. 日 程
26日 10:00〜10:40 総会
10:50〜11:20 開会行事
11:30〜12:00 基調提案
13:00〜15:00 シンポジウム「子どもたちの暮らしを見つめて」
15:10〜16:30 記念講演:講師 鯨岡 峻(京都大学大学院)
18:00〜 交流会(松江市内ホテル)
27日 10:00〜 分科会
4.照会先 松江市立内中原小学校 通級指導教室(阿部満明)
〒690−0873 島根県松江市内中原町225
TEL&FAX:0852−26−3644

【目次】



第9回「聴覚障害者に役立つ機器展示会」

聴覚障害者(児)に役立つような様々な機器を一堂に展示します。

日 時:11月18日(土)午後1時30分〜午後4時
       19日(日)午前9時30分〜午後1時
会 場:大阪市立聾学校

主な展示機器:
文字放送デコーダ(字幕放送や文字放送をテレビに映し出す機器)
中古テニスボールによる騒音抑制の効果紹介コーナー
振動式時計(定められた時間がくると、振動を知らせてくれる時計)
屋内信号装置(玄関ベルや泣き声などをキャッチし振動などで伝える機器)
電話補助装置(電話の音量を上げてくれる機器や難聴者用の電話など)
その他
大阪市立聾学校への案内図
※入場料無料。なお、当日は大阪市立聾学校の文化祭です。
19日(日)は小学部・中学部・高等部の舞台発表もあります。

【目次】



研究会開催
 大阪聴覚障害教育研究会 第13回研究会

第13回研究会では、本研究会では初めて聴覚障害を持つ先生を講師にお願いしたしました。大西先生は、聴覚障害者であり、現在は聾学校の中学部で教鞭をとられています。インテグレーションを経験され、大学卒業後教員採用試験に合格し、母校の中学校の数学の教師をされていました。その後転勤され、現在は神戸聾学校で勤務されています。
先生には、インテグレーションを経験されたときの様子やお気持ち、学校での対応等についてのお話をいただく他、母校の中学校の教諭として赴任した後の教員生活や現在の聾学校での子どもたちとのかかわり等について、幅広い内容でお話をしていただくことになっています。
聴覚障害者自身の生の声であり、私たちと同じ教員としての日常の取り組みから多くのことを学ぶことができると思います。多くの先生方の参加をお待ちしています。

日 時:2000年12月2日(土)午後2時〜5時
会 場:大阪市立菅北小学校
 (大阪市北区菅栄町9−5)
 ・地下鉄谷町線 天神橋筋六丁目駅@出口より東南へ約150m
 ・地下鉄堺筋線 天神橋筋六丁目駅K出口より東へ約250m
 ・環状線 天満駅より北へ約500m
会 費:会員無料,非会員500円
参加対象:教職員
照会先:大阪聴覚障害教育研究会事務局代表 中瀬 浩一まで
  勤務先:大阪市立聾学校 tel:06-6761-1419 fax:06-6762-1800

【目次】



学会誌・研究会誌 Contents

★音声言語医学 2000,41(4)
両側小耳症外耳道閉鎖症の成人1例
−言語面,心理面の検討と治療上の問題について−,小島好雅・加我君孝,330-334
★AUDIOLOGY JAPAN 43(4),2000
・高齢者の人工内耳装用効果,
 藤沢直人、川野道夫、山口忍、中島志織、藤木暢也、内藤泰、児嶋久剛,250-255
・人工内耳装用におけるマップ上の特徴−正常蝸牛例と内耳奇形例の差異について−
 内藤明、北野庸子、高橋正紘、石田克紀、坂井真,256-260
・コクレア22人工内耳のT、Cレベルと聴取能の関係,
 千葉洋丈、河野淳、冨澤文子、佐藤春城、植田宏、鈴木衛,261-265
・感音難聴耳の語音弁別検査における最適語音レベルの検討
 高田敬子、松平登志正、山下公一、上地陽子、友田幸一,266-272
・Automated ABRを用いた新生児聴覚スクリーニングの検討
 森田訓子、更級則夫、山口暁,273-279
・聴覚障害児による補聴器の自己評価
 中川辰雄、長原太郎,280-286
・NICU乳児の聴覚スクリーニング検査と高度難聴児の発見
 齋藤優子、硲田猛真、加藤寛、間三千夫、瀬野悟史、十河英世、嶽良博、榎本雅夫,295-300

【目次】



ワークショップ開催
 英語教師のためのワークショップ

テーマ:「聴覚障害者の英語教育に応用する手話」
講演者:Dr.スーザン・フィッシャー(国立ろう工科大学/NY州・ロチェスター市)

日 時:11月30日(木)6時15分〜7時45分
参加費:2000円
主 催:聴覚障害英語教育研究会(会長 中西喜久司)
協 力:日本ASL協会(http://members.aol.com/JASSJP)
連絡先:Tel/Fax:0298−58−9341(筑波技術短期大学 松藤みどり)
 Email:fwhs8429@mb.infoweb.ne.jp
会 場:「東京いきいきライフ推進センター」(セントラルプラザ6F)
 (http://www.nenrin.or.jp/tokyo/)
 JR総武線「飯田橋」下車西口改札右手
 地下鉄東西線、有楽町線、南北線「飯田橋」下車出口B2b
発表言語:手話と音声の同時使用による英語
通 訳:日本語の音声と日本手話

【目次】



関地研開催
 関東地区聾教育研究会自立活動研究協議会開催

1.期 日  2001年1月31日(水)
2.会 場  東京都立足立ろう学校(東京都足立区花畑7-23-15)
    交通:東武伊勢崎線(営団地下鉄日比谷線)谷塚駅(各駅停車のみ停車)
    谷塚駅東口から東武バス『桑袋団地行』に乗車(10分に1本)
    約8分で「草加記念体育館」バス停。バス停から徒歩2分
3.テーマ  『幼児・児童・生徒の実態に即して、手話をどう活用するか』
4.分科会  幼稚部「聴覚手話法の実践と今後の課題」
         (助言者 兵庫教育大助教授 鳥越隆士先生)
    小学部「一人一人の実態に即して、手話と日本語の力をどう育てるか」
         (助言者 平塚ろう学校教諭 長南浩人)
    中学部「分かり合う授業をめざして−手話を生かした学習活動−」
         (助言者 都教委指導主事 信方壽幸先生)
5.日 程  受付    9:10〜
    公開授業  9:40〜10:25/ 公開授業 10:35〜11:20
    全 体 会 11:40〜12:20/ 分 科 会 13:20〜15:00
6.費 用  @参加費 会員 2000円/非会員 2500円(資料代等)
    A弁当代 希望者のみ 1000円 ※諸費用は、当日受付でお納め下さい。
7.申 込  11月22日(水)までに下記に記入しFAXで送信して下さい。
8.照会先  研究協議会開催事務局 東京都立足立ろう学校研究部(木島照夫)
    TEL:03−3883−8527 FAX:03−3860−1328




関地研自立活動研究協議会 参加申込書


 学校(所属機関)名:___________ 申込代表者:____________

 所属先住所等:( 〒□□□−□□□□ )__________________

           電話_____________ FAX_____________

 参加者リスト
No. 参 加 者 氏 名 関地研 参加分科会名 昼食 手話通訳
    会員・非会員 幼・小・中 要・不要 要・不要
    会員・非会員 幼・小・中 要・不要 要・不要
    会員・非会員 幼・小・中 要・不要 要・不要

【目次】



文部省調査研究協力者会議が中間報告を発表

11月6日のNHKニュース,7日の新聞各紙に「障害児を弾力的に普通校へ:文部省の協力者会議が提言」「障害児,教委判断で一般校通学:文部省会議が中間報告,初の基準見直しへ」などのタイトルで大きな報道がなされた。
報道を聞き,早速,概要を入手したが,基準の見直しだけではなく,条件整備,専門性向上に至るまで広い範囲の提言であることを知り,報道の偏りを感じた。ぜひ,この中間報告に沿った形で施策が実行に移ることを期待したい。
なお中間報告全文は,http://www.monbu.go.jp/singi/chosa/00000471/で入手できる。
下記の概要のうち,アンダーラインは編集部で付けました。



21世紀の特殊教育の在り方について(中間報告)概要

第1章 21世紀の特殊教育の在り方についての基本的な考え方

1 我が国の特殊教育の発展(略)

2 今後の特殊教育の在り方についての基本的な考え方
○近年の特殊教育をめぐる状況の変化を踏まえ、これからの特殊教育は、障害のある幼児児童生徒の視点に立って一人一人のニーズを把握し、必要な支援を行うという考えに基づいて対応を図ることが必要。
○今後の特殊教育の在り方についての基本的な考え方は次のとおり。
@ノーマライゼーションの進展に向け、障害のある児童生徒の自立と社会参加を社会全体として、生涯にわたって支援することが必要、
A教育、福祉、医療等が一体となって乳幼児期から学校卒業後まで障害のある子ども及びその保護者等に対する相談及び支援を行う体制を整備することが必要、
B障害の重度・重複化や多様化を踏まえ、盲・聾・養護学校等における教育を充実するとともに、通常の学級の特別な教育的支援を必要とする児童生徒に積極的に対応することが必要、
C児童生徒の特別な教育的ニーズを把握し、必要な教育的支援を行うため、就学指導の在り方を改善することが必要、
D学校や地域における魅力と特色ある教育活動等を促進するため、特殊教育に関する制度を見直し、市町村や学校に対する支援を充実することが必要。

第2章 就学指導の在り方の改善について

1 乳幼児期から学校卒業後まで一貫した相談支援体制の整備について
○市町村教育委員会は、教育、福祉、医療等が一体となって障害のある子ども及びその保護者等に対して相談や支援を行う体制を整備すること。
○国は、各地域において教育、福祉、医療等が一体となった相談支援体制が整備されるようその体制の下で組織される特別な相談支援チームの機能や構成員等について検討すること。
○都道府県教育委員会においては、福祉、医療等の関係部局との連携を図り、域内の市町村において相談支援体制が整備されるよう努めること。

2 障害の程度に関する基準及び就学手続きの見直しについて
○医学、科学技術等の進歩を踏まえ、医学的、心理学的、教育的な観点から盲・聾・養護学校に就学すべき障害の程度を定めた基準を見直すこと。また、市町村教育委員会が児童生徒の障害の種類、程度、小・中学校の施設・設備の状況等を総合的な観点から判断し、小・中学校において適切に教育を行うことができる合理的な理由がある特別な場合には、盲・聾・養護学校に就学すべき児童生徒であっても小・中学校に就学させることができるよう就学手続きを見直すこと。
○特殊学級や通常の学級において留意して教育すべき児童生徒の対象範囲等を明確にすること。

3 就学指導委員会の役割の充実について
○就学指導委員会の位置付けを明確にすること。
○市町村教育委員会に置かれる就学指導委員会は、障害のある児童生徒の保護者等からの教育相談に専門的な助言を行う等の機能の充実を図ること。
○市町村教育委員会の判断と保護者等との意見がくい違う場合、都道府県教育委員会に置かれる就学指導委員会が客観的な立場から専門的な助言を行う等の機能を果たすことを検討すること。

第3章 特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応について

1 障害の状態等に応じた指導の充実方策
1-1 障害の重度・重複化や社会の変化に対応した指導の充実
○盲・聾・養護学校は、個別の指導計画、自立活動、総合的な学習の時間の実施、長期休業中における対応などについて、地域や児童生徒の実態に応じた創意工夫した取組に努めること。
○養護学校に在籍する日常的に医療的ケアが必要な児童生徒等への対応については、医療機関と連携した医療的バックアップ体制の在り方等について検討を行い、その成果を踏まえ指導の充実を図ること。

1-2 学習障害、注意欠陥/多動性障害(ADHD)児、高機能自閉等への教育的対応
○通常の学級に在籍する学習障害児、ADHD児、高機能自閉症児等の実態を把握するため、全国的な調査を行い、その成果を踏まえ、教育関係者や国民一般に対し幅広い理解啓発に努めること。
○ADHD児や高機能自閉症児等への教育的対応については、国立特殊教育総合研究所の研究成果等を踏まえ、調査研究を行い、判断基準、効果的な指導方法等について検討すること。

1-3 最新の情報技術(IT)を活用した指導の充実
○障害の状態等に応じた情報機器等の研究開発を行うとともに、盲・聾・養護学校に情報ネットワーク環境を整備し、最新の情報機器の計画的な整備を図ること。
○訪問教育を受けている児童生徒や入院中の児童生徒への情報通信手段による指導を積極的に推進すること。

2 特殊教育諸学校、特殊学級及び通級による指導の今後の在り方について
2-1 地域の特殊教育のセンターとしての特殊教育諸学校の機能の充実
盲・聾・養護学校は、@早期からの教育相談を実施したり、 A地域の小・中学校等へ教材・教具等を貸し出したり、小・中学校等の教員からの相談を受けたり、盲・聾・養護学校における小・中学校等の教員の研修の実施するなど、地域の特殊教育のセンターとしての役割を果たすこと。

2-2 特殊学級、通級による指導の今後の在り方について
○特殊学級や通級による指導における教育は学校の教職員全体で支援するとともに、非常勤講師や特別非常勤講師、高齢者再任用制度による短時間勤務職員等の活用について検討すること。

3 後期中等教育機関への受入れの促進と障害のある者の生涯学習の支援について
○各都道府県においては、高等部の整備及び配置、高等養護学校の設置促進等について検討を行い、地域の実態に応じた整備に努めること。
○教育委員会は、福祉関係機関等と連携して障害者の生涯にわたる学習機会の充実に努め、盲・聾・養護学校は、障害者のための生涯学習を支援する機関としての役割を果たすこと。

第4章 特殊教育の改善・充実のための条件整備について

1 盲・聾・養護学校や特殊学級等における学級編制及び教職員配置について
○都道府県教育委員会においては、地域や学校の状況、児童生徒の実態に応じて、機動的、弾力的に教職員配置を行うこと。
○盲・聾・養護学校は、学級という概念にとらわれず、多様な学習指導の場を設定するなど指導形態、指導方法を工夫すること。また、非常勤講師や高齢者再任用制度等の活用や、地域の多様な人材を特別非常勤講師として活用することにより、幅広い指導スタッフを整備すること。

2 特殊教育関係教職員の専門性の向上
2-1 特殊教育教諭免許状の保有率の向上及び今後の免許状の在り方について
各都道府県等は、すべての盲・聾・養護学校の教員が特殊教育教諭免許状を保有することを目指し、具体的な改善の目標及び計画を策定し、採用、配置、研修等を通じた取組を進めること。
国は、各都道府県における特殊教育教諭免許状保有率の状況を踏まえ、全国的に必要となる保有者数を把握するとともに、各都道府県教育委員会等の免許状保有率の向上のための目標と計画及び改善状況等を調査しその取組を支援すること。

2-2 研修の充実
○県の特殊教育センター等は、盲・聾・養護学校の教員に対する適切な研修プログラムを策定するとともに、研修事業の成果の効果的な普及活用に努めること。
○都道府県教育委員会等は、特殊学級等の経験年数やニーズに応じて計画的、体系的な研修プログラムの提供に努めること。

3 特殊教育を推進するための条件整備について
○教育委員会においては、施設のバリアフリー化を含め学校施設の整備充実に努めること。
○特殊教育に係る設備については、新学習指導要領における改善内容に対応した教材や最新の情報技術に対応した教材の整備を図ること。

4 国立特殊教育総合研究所の機能の充実
○国立特殊教育総合研究所は、我が国の特殊教育のナショナルセンターとしての機能を高めるため、@国の行政施策の企画立案に寄与する研究 A新たな課題に対応した研修 B全国的な教育相談情報のネットワークの整備 C衛星通信ネットワークの整備など情報発信機能の充実 D諸外国の研究機関等との連携、協力、交流の充実等に努めること。

【目次】



関連新刊図書

★聾の経験:18世紀における手話の「発見」
ハーラン・レイン編 東京電機大学出版局 3100円 4-501-61820-5
★手話讃美:手話を守り抜いた高橋潔の信念
川渕依子著 サンライズ出版 2600円 4-88325-079-2
★聴覚障害 1:基礎編(医学・病気・医療)
建帛社 2400円 4-7679-4505-4
★聴覚障害 2:臨床編(医学・病気・医療)
建帛社 2400円 4-7679-4506-2
★言語聴覚士のための臨床歯科医学・口腔外科学
道健一編集 医歯薬出版 4000円 4-263-21526-5
★耳鼻咽喉科診療プラクティス 1:鼻科手術支援機器のUp to Date
池田勝久他編 文光堂 13000円 4-8306-3312-3
★耳鼻咽喉科診療プラクティス 2:聴覚の獲得
池田勝久他編 文光堂 13000円 4-8306-3313-1
★21世紀耳鼻咽喉科領域の臨床:19 感染症
野村恭也総編集 中山書店 30000円 4-521-59081-0
★障害者問題ゼミナール2
堀正嗣編著 明石書店 1900円 4-7503-1337-8
★知的障害者の自己決定権
平田厚著 エンパワメント研究所 1600円 4-88720-296-2
★ぼくらはこの街で暮らしたい:ハンディがあってもなくても一緒に!
めだかふぁみりぃ著 ぶどう社 1600円 4-89240-147-1
★言語発達障害 3
笠井新一郎編著 建帛社 2400円 4-7679-4512-7
★難病の子どもを知る本3
稲沢潤子著 大月書店 1800円 4-272-40393-1
★養護学校は、いま:重い障害のある子どもたちと教師のコミュニケーション
鯨岡峻編 ミネルヴァ書房 2400円 4-623-03325-2
★障害者福祉の世界
佐藤久夫著 有斐閣 1700円 4-641-12112-5

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