1998年11月9日発行(第2・4月曜日発行)
News Source of Educational Audiology
聴能情報誌 みみだより 第3巻 第356号 通巻441号
編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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【目次】第356号
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新製品情報
|
耳かけ形周波数圧縮変換型補聴器「インパクト」 |
イスラエルAVR社製の周波数圧縮変換形補聴器「トランソニック」の耳かけ形補聴器とも位置づけられるデジタル補聴器「インパクト」が日本で発売となった。「インパクト」は、デジタル化によって音が大幅に良くなっているほか、音響処理回路の追加により低音部の出力が十分にとれるようになった。国内販売価格は、インパクト本体が 245,000円、FMアダプタは 85,000円。 輸入・国内販売は、(株)ダナジャパンが行う。
1.「インパクト」のシステム構成
耳かけ形補聴器本体 ImpaCt DSR675
専用プログラマ CFP2008
両耳フィッティング用モジュール BJA
補聴器ユーザーは、補聴器本体のみの購入となる。「インパクト」のフィッティングには、専用プログラマ(CFP)か、CFE(Windows95/98上で動く専用プログラマソフト)が必要。また、左右の両耳の「インパクト」を調整するには、BJAが必要。専用プログラマの画面の記録には専用プリンタが必要。
2.FMユニット
専用FM受信ユニット
FMマイク(送信機) TX7
「インパクト」には、専用のFMレシーバを接続することができる。このFMレシーバは、オーディオシューのような形で「インパクト」に接続可能。Extend-Ear用のFMマイクが使用可能となっている。周波数圧縮変換の効果を高めるためには、雑音を減らすことが効果的であり、FMの効果発揮が期待できる。(TX7 67,000円)
3.「インパクト」と トランソニック の比較
| トランソニック | インパクト |
回路構成
周波数圧縮変換時間
処理する音
/ee/の処理
子音強調機能
短い無声音の再生 |
アナログ+デジタル
9ms
すべての入力音
時々子音として処理
DCB※(/s/,/sh/)
特殊な処理できず |
プログラマブル回路+音声圧縮変換専用チップ
0.2〜0.3ms
周波数圧縮が必要となる音のみ処理
母音として処理
DCB1(/s/,/sh/)と、DCB2(/t/,/k/)
再生時間を延ばすことが可能 |
4.調整機能
調整可能な機能は、ToneH・ToneL・AGC-I・AGC-O といった従来の補聴器にある調整機能の上に、かってのトランソニックにあった圧縮変換割合(低/高音域独立:FCV・FCVL)・圧縮対象帯域のゲイン2項目(DCB1・DCB2)など、12機能となっている。
4−1.補聴器ユーザー自身が変更できる機能
@ボリューム:ごく普通の音量調節器
A上下に動く切り替えスイッチ:
4つまたは2つの設定プログラムから1つを選択することができる。
4−2.補聴器調整者が設定すべき機能
@低音部調節機能(ハイパスフィルター:HPF)
・10段階で調整可能
A高音部調節機能(ローパスフィルター:LPF)
・10段階で調整可能
B入力音の利得調整機能(AGC−I KP)
・AGC−Iのニーポイント: 54,57,60,65,68dBSPLから選択可能
・AGC−Iのコンプレッション比:1.5:1 〜 6.5:1の幅でノンリニア処理
CAGCリリースタイムの調整(AGC−I RT)
・過大音が長く持続した場合のリリースタイム :
0.7、 1.5、 3.0、 5.0秒から選択可能
・過大音が短時間で終わる場合のリリースタイム : 0.2秒(固定)
・アタックタイム : 0.04秒(固定)
D出力AGC(AGC−O)
・調整可能レンジ:14dBの幅で変更可能(2dB ステップ=7段階)
・コンプレッション比 = 100:1, リリースタイム : 50ms
E出力AGC+ 6dB アンプシステム(Add+6)
・AGC−I ニーポイント(AGC-I KP)が 60dBSPL以上の時のみ可能
・ON・OFFが選択可能:ONすると、リニア補聴器のような音質になる
・ただし、出力音がクリップする可能性がある
F無声音の周波数圧縮比(FCvL)
・1.0(圧縮なし)、1.5、1.75、2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.25
3.5、3.75、4.0、4.25、4.5、4.75、5.0から選択可能
G圧縮変換した子音部分 (/s/, /sh/)の増幅量(DCB1)
・16dB(1dB ステップ 16段階)
H圧縮変換した子音部分 (/t/, /k/)の増幅量(DCB2)
・16dB(1dB ステップ 16段階)
(※注意 : DCB1 と DCB2 の設定値を 3dB以上あけることはできない)
I母音帯域の周波数圧縮(FCV)
・1.00(圧縮なし)、1.25の2つより選択可能
J子音圧縮開始時間(PROS)(子音を検出してから、圧縮動作を開始するまでの時間)
・OFF、16、20、24、28ms から選択可能
K子音圧縮延長時間(PROE)(子音が消滅してから圧縮音が消滅するまでの時間)
・ 40、50、60、70ms から選択可能
5.プログラミング可能
「インパクト」には、4つのメモリが内蔵され、それぞれのメモリに異なる周波数特性を記憶させることができる。「インパクト」は設定によっては、まったく周波数圧縮変換を行わない特性に設定することも可能で、例えば、@通常音、Aやや圧縮、Bかなり圧縮、CFMモードなどといった設定にしておき、補聴器本体のスイッチで、自由にプログラムが変更できる。なお、プログラムには、専用のプログラマーが用意されているが、Windowsパソコンでも設定が可能なソフトも用意される。
6.設定例
250
|
500
|
1k
|
2k
|
3k
|
4k(Hz) |
60
|
70
|
95
|
105
|
110
|
115 dBHL |
プログラム番号 |
#1 |
#2 |
#3 |
#4 |
使用環境例 |
通常 |
騒音環境下 |
FM使用時 |
電話使用時 |
調
整
装
置
|
入力設定 |
M |
M |
M+FM |
T |
HPF |
3 |
5 |
3 |
4 |
LPF |
5 |
6 |
5 |
3 |
AGC−I KP |
60 |
68 |
60 |
54 |
AGC−I RT |
1.5 |
5.0 |
5.0 |
3.0 |
AGC−O |
−4 |
−4 |
−4 |
−4 |
Add+6 |
OFF |
OFF |
OFF |
6 |
FCvL |
1.5 |
1.5 |
1.5 |
1.0 |
DCB1 |
4 |
4 |
4 |
4 |
DCB2 |
4 |
4 |
4 |
4 |
FCV |
1.0 |
1.0 |
1.0 |
1.0 |
PROS |
OFF |
OFF |
OFF |
OFF |
PROE |
40 |
40 |
40 |
40 |
7.行動観察的調整法
・入出力特性の設定
/a/, /i/, /u/ を異なる音圧で提示しながら入出力特性を調整する。
・周波数特性の設定
初期設定音圧で /i/, /u/ を提示しながら HPF,LPF を調整する。
・周波数圧縮変換機能の設定
初期設定音圧で/sh/, /s/, /t/ を提示しながら周波数圧縮を調整する。
・HPF(ハイパスフィルター)の設定
「背後の騒音が大きすぎる」→ HPFの目盛りを大きくする(低音域の利得が下がる)
「/m/と/n/(鼻音)が弁別できない」
「/u/(oo)と /i/(ee)が弁別できない」→ HPFの目盛りを小さくする(低音域の利得が上がる)
・LPF(ローパスフィルター)の設定
フィードバック(ハウリング)がする → LPFの目盛りを大きくする(低音域の利得を下げる)
・AGC−I KP(ニーポイント)の設定
「背後の雑音が大きすぎる」、「音が不明瞭」 → KPの値を上げる
静かになるとフィードバック(ハウリング)が起こる → KPの値を上げる
「距離が離れると有声音がきこえづらい」 → KPの値を下げる
・AGC−I RT(リリースタイム)の設定
「自分が発声した後、1〜2m 離れた人の声が聞き取りにくい」→ RTの値を下げる
「雑音下で、1〜2m 離れた人と会話しにくい」 → RTの値を上げる
・AGC−I KP と Add+6の設定
「以前使用していたリニア補聴器の方がよくきこえた」→ KPの値を上げ、Add+6をONにする
「音量が足りない」(AGC−Iが60dBSPL以上の時) → Add+6をONにする
「不快である」 → Add+6を「OFF」にする
・AGC−O(出力AGC)の設定
「不快である」 → AGCをより効かせる
「音量が足りない」(AGC-I:54dBSPL,VC:3.5の時) → AGCの値を大きくする
・DCBの設定:
「耳障りな音がして不快」 → DCBの値を下げる
「かろうじて /s/ が聞きとれる」(DCBが0の時) → DCB1 を 3dBにする
・FCvLの設定:
「 /sh/ と /s/ が聞きとれない」 → FCvLの値を上げる
「不自然な音で不快」 → FCvLの値を下げる
・FCV:
「不自然な音」 → FCVを1にする
「女性の /u/ と /i/ が識別できない」 → FCVを 1.25にする
8.専用プログラマー(CFP)
・設定や設定データのImpaCtへの転送が可能
・プログラムに関する操作
プログラムの読込 : Prog +Program #
プログラムの保存 : Shift+Program #
プログラムのコピーが可能
入力先をプログラム毎に設定可能
9.専用プログラム用ソフト(CFE)
DOS/Vマシン上で動作
Windows95/98上のソフトウェア
専用の接続コードが必要(RS232C端子に ImpaCtを直接、接続する)
【目次】
聴覚障害者を排除し、
参加を制限する法律の改正を!!
100万人署名へのご支援を訴えます
日本国憲法ができてから50年以上がたち、21世紀が目前に迫っているこの時代に、今なお、障害者を一方的に排除し、その社会参加を不当に制限している法律が残されています。
国家資格・免許等について『耳の聞こえない者、口がきけない者』を絶対的欠格事由として、ひとりひとりの力も事情も一切関係なく、聴覚や言語に障害があるというだけで、一律に資格や免許を与えな いとしている条文です。
国連の提唱による1981年の国際障害者年は、『完全参加と平等』をテーマに掲げ、国際的にも国内的にも、障害者に対する差別をなくし、社会的理解を前進させるために大きなカとなりました。聴覚障害者の社会参加と平等の保障は、わが国でも着実に広がってきました。
ところが、医事・薬事法関係の法律を中心に、聴覚障害者を頭から門前払いする法律が、まだ残っているのです。国も、このことに気づき、これら欠格条項の全面見直しの方針を決めています。欧米諸国では、こうした問題は解決済のところが多く、医療関係・薬剤関係の現場をはじめ、さまざまな職業分野に聴覚障害者が進出して活動しています。
『耳が聞こえない者、口がきけない者』を排除するという露骨な記載はしていませんが、結果として、聴覚障害者の参加を制限している法律は他にもあります。すでに、改正に向けての国の作業が始まっていますが、公正証書遺言について規定した民法第969条は、外国人のための通訳は認めながら、手話通訳は一切認めないままでした。結果として、聴覚障害者の公正証書遺言の作成が拒否されていることは多くのマスコミも取り上げました。
また、著作権法は、視覚障害者のために、本や雑誌の点訳の自由を認めています。しかし、テレビ番組を録画したビデオテープに手話通訳や字幕を挿入して聴覚障害者に普及する自由は認めていません。テレビ番組を聴覚障害者にわかるようにする活動は制限されています。
公職選挙法に基づく自治省告示は、政見放送に手話通訳をつけることを規定していますが、政党単位での国会議員選挙だけと範囲が限られ、それも政党の自由にまかせるとして公的保障をしていません。個人選挙区や自治体知事等の選挙では、候補者の政見放送に手話通訳や字幕はなく、聴覚障害者の有権者にはわからないまま、その参政権が制限されています。
いま、聴覚障害者、そして聴覚障害児・者の親の会等の全国組織、手話通訳者や要約筆記通訳者の全国組織等を構成団体とする『聴覚障害者を差別する法令の改正をめざす中央対策本部』は、これらの法律を改正するために、広く100万人の署名を集めて国会と内閣に要請する運動を進めています。私どもは、国による見直しが早急に具体化され、これらの障害者を排除する法律が一日も早く改正されることを願っています。
あなたのご理解とご支援・ご協力をお願いします。
詳細照会先 署名簿は、以下のお近くの協会等に請求して下さい。
北海道ろうあ連盟
青森県ろうあ協会
岩手県ろうあ協会
宮城県ろうあ協会
秋田県聴力障害者協会
山形県聴力障害者協会
福島県聴覚障害者協会
茨城県聴覚障害者協会
栃木県聴覚障害者協会
群馬県聴覚障害者団体連合会
埼玉県聴覚障害者協会
千葉県ろうあ団体連合会
東京都聴覚障害者連盟
神奈川県聴覚障害者連盟
山梨県聴覚障害者協会
新潟県聴覚障害者協会
長野県聴カ障害者協会
富山県ろうあ福祉協会
石川県聴覚障害者協会
福井県聴力障害者福祉協会
岐阜県聴覚障害者協会
静岡県聴覚障害者協会
愛知県聴覚障害者協会
三重県聴覚障害者協会
滋賀県ろうあ協会
京都府聴覚障害者協会
大阪聴力障害者協会
兵庫県聴覚障害者協会
奈良県聴力障害者協会
和歌山県聴覚障害者協会
鳥取県ろうあ団体連合会
島根県ろうあ連盟
岡山県聴覚障害者福祉協会
広島県ろうあ連盟
山口県ろうあ連盟
徳島県聴覚障害者福祉協会
香川県ろうあ協会
愛媛県聴覚障害者協会
高知県聴覚障害者協会
福岡県聴覚障害者協会
佐賀県聴覚障害者協会
長崎県ろうあ福祉協会
熊本県ろう者福祉協会
大分県聴覚障害者協会
宮崎県聴覚障害者会
鹿児島県ろうあ協会
沖縄県聴覚障害者協会 |
060-0002
030-0122
020-0821
983-0836
010-0922
994-0013
960-8141
310-0844
320-0072
371-0843
338-0801
260-0026
150-0011
251-0052
400-0025
950-0121
381-0008
930-0095
920-0964
910-0026
500-8385
420-0856
460-0001
514-0003
525-0032
604-8437
540-0012
650-0025
634-0061
640-8034
680-0947
690-0011
700-0813
732-0816
753-0092
770-0853
761-8074
790-0811
780-0928
816-0804
840-0851
852-8104
862-0950
870-0907
880-0051
890-0064
900-0029 |
札幌市中央区北2条西7
青森市野尻字今田52−4
盛岡市山王町5−15
仙台市宮城野区幸町4−6−2
秋田市旭北栄町1−5
天童市老野森 3−7−6
福島市渡利字七社宮111
茨城県水戸市住吉町349−1
宇都宮市若草1−10−29
前橋市新前橋町13−12
浦和市大原3−10−1
千葉市中央区千葉港4−3
渋谷区東1−23−3
藤沢市藤沢933−2
甲府市朝日5−7−13
中蒲原郡亀田町向陽1−9−1
長野市下駒沢586
富山市舟橋南町5−14
金沢市本多町3−1−10
福井市光陽2−3−22
岐阜市下奈良2−2−1
静岡市駿府町1−70
名古屋市中区三の丸1−7−2
津市桜橋2−131
草津市大路2−11−33
京都市中京区西ノ京東中合町2
大阪市中央区谷町5−4−13
神戸市中央区相生町2−2−8
橿原市大久保町320−11
和歌山市駿河町35
鳥取市湖山町西3−127
松江市東津田町1741−3
岡山市石関町2−1
広島市南区比治山本町12−2
山口市八幡馬場36−1
徳島市中徳島町2
高松市太田上町405−1
松山市本町6−11−5
高知市越前町2−4−15
春日市原町3−1−7
佐賀市天裕1−8−5
長崎市茂里町3−24
熊本市水前寺6−9−4
大分市大津町1−5−5
宮崎市江平西2−1−20
鹿児島市鴨池新町1−7
那覇市旭町35 |
社会福祉総合センター4F
ねむの木会館内
県分庁舎内
心身障害者福祉センタ−内
県社会福祉会館1F
県総合福祉センタ−内
聴覚障害者福祉センタ−内
県身障者福祉会館内
県社会福祉総合センター内
県障害者交流センタ−内
(財)千葉県私学会館内
聴覚障害自立支援センター内
県ろうあセンタ−内
大興社2F
新潟ふれ愛プラザ内
障害者福祉センター内
県社会福祉会館5F
県社会福祉会館2F
県社会福祉センタ−2F
県福祉会館5F
県総合社会福祉会館1F
桜華会館内
県社会福祉会館4階
聴覚障害者センター内
市立聴言センタ−内
谷町福祉センタ−3F
新神戸ビル東館4−43号
県社会福祉総合センタ−
県身体障害者総合福祉会館
障害者福祉センター内
いきいきプラザ5F
県総合福祉会館5F
県社会福祉会館内
身体障害者福祉センタ−内
ろうあ者研修センタ−内
視聴覚福祉センタ−内
盲ろう福祉会館3F
クローバープラザ 3F
障害者福祉会館内
総合福祉センタ−4F
聴覚障害者総合福祉センタ−内
聴覚障害者センター内
聴覚障害者センタ−内
社会福祉センタ−4F
沖縄社会福祉センター3F |
【目次】
シンポジウム開催
|
「補聴援助システムと リハビリテーションの普及啓発」 |
|
「補聴器、人工内耳、補聴援助システムの普及啓発」
−難聴を克服するために−
このテーマで補聴器や人工内耳の専門家、聴覚障害者情報提供施設、医療、リハビリ、教育、難聴者や家族など各分野の方にお集まり頂き、経験や研究成果を交流したいと思います。
補聴器でどこまで聞こえの回復が可能か、人工内耳の成果、補聴援助システムの役割、リハビリの仕方など新しい知識を学び、難聴者の社会参加を促すためにシンポジウムを開催します。広く関係者にご参加いただきたく、ご案内いたします。
1.開催主旨
高齢社会は難聴者・中途失聴者が増加する社会であり、補聴器、人工内耳、補聴援助システムを必要とする我が国の人口は600万人以上と言われている。
しかし、難聴者・中途失聴者を支援する体系的なリハビリ体制が遅れているために、多くの難聴者は補聴器等の交付を受けても活用する知識や訓練の機会を欠き、十分に活用できないでいる。
最近のエレクトロニクス技術や、医療の進歩を活用し、幼児期、成人後など失聴の年代、生活条件に応じた適切なリハビリを行い、福祉の町づくりの中で磁気ループや赤外線補聴システムなど聞き易くする補聴援助システムを整えていけば、かなりの聴覚障害者は障害から解放される。そのためには難聴者は勿論福祉関係者に新しい情報の提供と啓発が必要である。
医療、リハビリ、教育、社会福祉など各分野での先進的な研究の成果や新しい知識、技術の共有と連携が必要であり、又難聴者・中途失聴者、難聴児の親、高齢者施設、教師、リハビリ担当者などに活用出来る十分な情報を提供していくことが必要である。
このシンポジウムでは、関係する分野の指導的な方の協力を得て、難聴者、中途失聴者を支援する最新の情報を総合的に提供する.
さらに討議を通して知識や技術の理解を深めあい、全国の福祉施設、病院などでのリハビリに役立て、難聴者の社会参加をすすめようとするものである.
2.開催期日:1999年1月16日(土)13:00〜17日(日)16:00
3.内容:シンポジウム・スケジュール
1月16日 |
13:10〜14:40 |
講演「小児の人工内耳のきこえと言葉の発達」
京都大字医学部講師 内藤 泰
|
14:50〜16:50 |
シンポジウム@「人工内耳の適応と課題」
コーディネータ 京都大字医学部 内藤 泰
|
1月17日 |
9:30〜11:30 |
シンポジウムA
「補聴器・リハビリテーションの現在と将来」
コーディネータ 京都府立医科大学 安野友博
|
13:00〜15:00 |
シンポジウムB
「補聴援助システム・まちづくり・音環境の整備」
コーディネータ 筑波技術短期大学 大沼直紀
|
4.会場:ルビノ京都堀川
〒602−8056 京都市上京区東堀川通下長者町
TEL:075−432−6161 FAX:075−432−6160
●市バス |
JR京都駅より 9・50、京阪三条駅より12
四条掘川より9・12・50・61・67で、掘川下長者町下車東側すぐ
|
●地下鉄 |
丸太町より徒歩約15分 |
5.参加方法
参加費 |
3,000円(含む資料冊子・1月17日昼食代) |
宿泊費 |
11,000円(1泊2食税サ込み)定員:300人 |
下記申込書を郵送すると同時に参加費(宿泊の方は宿泊費も)を振込送金して下さい。
○申 込 先:
〇申込締切:
○送 金 先:
○キャンセル:
|
山口武彦 〒617-0823 長岡京市長岡3-19-32 FAX:075-951-4982
12月10日
郵便振替「00900−4−91247:全難聴シンポ実行委員会」
宿泊は12月16日以降キャンセルの場合、キャンセル料が必要。
また返金にあたり、送金手数料を差引返金させていただきます。
|
参加申込書
住所:(〒□□□−□□□□)
TEL: FAX:
氏名: 年齢 歳 ( 男 ・ 女 )
必要とする情報保障 ( 要約筆記 手話 磁気ループ アシストホーン )
送金額 □参加費 3,000円
□宿泊費 11,000円 合計 円
申込日 月 日 送金日 月 日 |
【目次】
★自閉症スペクトル:親と専門家のためのガイドブック
ローナ・ウィング著 久保紘章他訳 東京書籍 2400円 ISBN:4-487-76168-9
著者=自閉症児の母による療育環境・日課プログラムについての実践的解説書。
★リハビリテーションの理念と実践:21世紀へのメッセージ
日本障害者リハ協会編 エンパワメント研究所 筒井書房 2800円 4-88720-195-8
「総合リハビリテーション研究大会」の報告書の中から抜粋したもの。
★口から食べる:嚥下障害Q&A
藤島一郎著 中央法規出版 2500円 ISBN:4-8058-1729-1
嚥下障害の診断・ケア・症状と対処法・摂食訓練などをわかりやすく解説する。
★知的障害をもつ子とともに:手織りの仲間たち
親子工芸教室編 晶文社 1900円 ISBN:4-7949-6374-2
知的障害児に生き甲斐をもたせるための手織り教室での活動と母子の手記。
★音楽療法入門:理論と実践[下]
デイビス著 栗林文雄訳 一麦出版社 4000円 ISBN:4-900666-26-2
音楽療法の治療過程や音楽療法士について取り上げた、臨床的音楽療法概論。
★子育て質問箱:LD児の療育
中川克子著 日本文化科学社 1900円 4-8210-7303-X
LDの原因など、LD児をもつ親から寄せられた相談や悩みに答える書。
★私は私らしい障害児の親でいい
児玉真美著 ぶどう社 1400円 4-89240-139-0
障害児の親として、誰もが胸の中に抱いている気持ちを綴った書。
★住まいのノーマライゼーション
菊地弘明著 技報堂出版 3800円 4-7655-2434-5
本当の快適とは何か、行政と住民が協力して住環境を作り上げる活動などを紹介。
★障害を知る本:目の不自由な子どもたち
1800円 4-272-40286-2 監修:茂木俊彦
点字・盲学校等、視覚障害児者に関する情報をわかりやすく紹介している。
★スウェーデン・デンマーク 福祉用語小辞典
2500円 4-657-98422-5 大阪外国語大学編 早稲田大学出版部
スウェーデンとデンマークの福祉用語を日本語に翻訳し、意味等を解説。
★発達に遅れがある子どもの日常生活指導 3:排泄指導編
鉄道弘済会総合福祉センター弘済学園著 飯田雅子編集 学研 2500円 4-05-400931-X
排泄指導と援助技術について解説し、事例を挙げて指導の必要を説く。
★新しい養護原理
加藤孝正編著 ミネルヴァ書房 2500円 4-623-02987-5
地域福祉を担うにあたって求められる知識をまとめる。97年刊の改訂版。
【目次】
主に戦後に出版されたマンガの中で、障害者が登場するもの、あるいは障害に関係する内容をほとんどすべてと言っていいほどに収集した著者が、その扱われ方を分類して紹介した書。
著者自身が聴覚障害をもっており、それゆえか、取り上げられるマンガは、聴覚障害関係のものが多い。しかし、その分、著者自身がマンガの内容に対する批評が適切かつ当を得たものになっているために、本書が単なるマンガ批評ではなく、マンガから観た、その時代、時代の「障害者観」のえぐり出しになっている。
社会を描くマンガ作家を社会を映す鏡とするならば、その漫画家の描き方から、障害者史を観ていくことができるとの新たな視点が見えてくる。
永井 哲 著、1,900円、解放出版社、ISBN:4-7592-5123-5
【目次】
新刊図書
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聞こえないって どんなこと
聴覚障害者25人、それぞれの生き方 |
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聴覚障害者に関する報道を見聞きしていると、例えば「聴覚障害乗り越え、見事な演技」など、聴覚障害ゆえにできないことが一杯あって、でも、それを乗り越えて・・・という取り上げ方が目に付くことがある。聴覚障害者も、実は、普通の人間であり、普通に仕事を持ち、ごくあたり前に家族を持つ・・・そんな姿が本書から見えてくる。そして、それぞれが目標や生き甲斐の発見の過程にあり、皆、心強く生きていることに励まされる。 書名の「聞こえないってどんなこと」から、「聞こえない」ことを説明するような内容を想像してしまうかもしれない。しかし、聞こえない人の生き方を見ることで、「聞こえない」ことがわかるのだという視点は実に明解であるような気がする。
全日本ろうあ連盟監修、一橋出版刊、1,200円、ISBN:4-8348-0099-7。
【目次】
NHK教育で放送中。この番組の中で、ゴミ拾いのボランティアをしていた主人公が聴覚障害児と会い、ろう学校に行くという設定で一話ができている。登場するのは、足立ろう学校の子ども達なのだが、この中で、主人公が手話歌を歌っている場面がある。NHK教育で何度も再放送されている。
【目次】
NHK「こんにちは いっと6けん」で10月2日に放送された。制作はNHK千葉放送局。
オペラの劇場にNTTのライブホンの利用席が設けられ、子どもを含む聴覚障害者19人が招待された。この模様を描いている。
単純にライブホンの紹介をするだけではなく、聴覚障害には聞こえ方にいろいろな違いがあること、オペラを楽しみにしている聴覚障害の「家族」の姿などが自然に描かれている。もっと多くの機会で、聴覚障害者が様々な文化に触れ合えることができるような活動が求められている・・・、そんな印象を持つことができた。
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