1997年12月8日発行(第2・4月曜日発行)


News Source of Educational Audiology

聴能情報誌 みみだより 第3巻 第335号 通巻420号


編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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立入 哉 h-tachi@ma4.justnet.ne.jp


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【目次】第335号

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【目次】


International Forum'98 参加申込開始のお知らせ

1.日時:1998年2月8日(日)     会場=横浜ラポール
1998年2月11日(水・祝) 会場=新大阪三和科学ホール
2.参加費:3,500円(当日 4,000円)

前売りチケットの購入用振込用紙を同封しました。
「新横浜」「新大阪」の参加希望会場をご指定の上、ご送金下さい。
来年1月中旬に参加チケットを発送いたします。

なお、ダナジャパン各営業所で直接購入できます。

【目次】



イヤモ−ルド奮戦記(5)

 イヤモ−ルドにまつわる奮戦記を募集しています。今回は、補聴器を現に使用しておられる方から電子メールを頂戴しましたので、紹介します。

 立入先生、こんにちは。いつも、「みみだより」を読ませていただいております。参考になる情報をありがとうございます。

 イヤモールドの件では、私もいつも悩まされているので、メールを送らせて頂くことにしました。

 私は両耳とも100デシベル、以前は、耳かけ形補聴器にシェル型のイヤモ−ルドを付けて、装用していました。イヤモールドが当たる部分に痛みを感じることが多いなど型の調整も上手く行かず、なかなか耳にフィットするイヤモールドが作れずにきました。

 『カナル』という型ならば、痛みをあまり感じることがなさそうなので、補聴器店に「カナルで作ってください」とお願いをしてみたこともあるのですが、「100デシベルという聴力では、カナル型ではハウリングがして、無理ですよ」といわれ、あきらめていました。

 先日、何度も調整して、やっと耳にフィットしたイヤモールドが、「削り過ぎで一部分が弱くなっている。これはこちらの手違いなので、再作成します」と言われ、私は調子よく使っていたイヤモールドでしたが、言われるままに、再作成してもらいました。ところが、なかなか上手くイヤモールドが作れません。いつも同じ所に痛みを感じてしまいます。

 痛みを感じるイヤモールドができてしまうのは、運もあるとは思いますが、何回も同じ事が繰り返される、ということは、製作側にも問題があるのではないでしょうか。2回、3回と型の取り直しをしているうちに、再作成期間も切れてしまいました。

 何回も型をとっても上手く行かないのに業を煮やして、同じくらいの聴力の友達がカナルを使っていることや、私自身、眼鏡を掛けるようになり、以前よりもさらに痛みを感じやすくなったことをお店に訴えました。そして、「何回も型を取り直しても痛いので、カナルで再作成を」とお願いをしたところ、「型が違うし、期限も切れているので、再作成にならない」といわれ、納得いきませんでした。交渉の末、今回はとりあえず再作成扱いにしてもらえましたが、今回の事が起こったきっかけも、販売店の方にあったことを考え合わせると、余りすっきりしない結末でした。

 できあがったカナル型のイヤモ−ルドを装着してみたところ、心配していたハウリングもほとんどなく、快適です。今までは、その販売店を信頼して、補聴器の調整などすべてをお願いして来ましたが、今回のことがあり、さて、これからはどうしようか、と悩んでいるところです。

 これからも、「みみだより」を楽しみにしています。日ごとに寒さが厳しくなっていきますが、お体、大切にしてください。


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字幕入り映画
 「もののけ姫」が字幕付きで観れます!

 空前のヒット映画「もののけ姫」。子どもを中心にロングラン上映が続いています。学校でも子どもたちの話題になっていますが、聴覚障害を持つ子どもは、ストーリーが絵からの情報に限られてしまい、十分に鑑賞できないのが現実です。そこで、「みみだより」を通じて、名古屋方式での「もののけ姫」字幕付き上映を紹介してきました。

 しかし、この度、東宝(株)が、字幕付き35mmフィルムの巡回上映をすることになりました。上映館・上映期間が限定されています。ぜひ、下記の期間にご鑑賞下さいますようお願い申し上げます。

入場料=一般1,800円 障害者1,000円 子ども1,000円 付き添い1,000円(1名まで)

 関西地区で、12月29・30日にもう一ヶ所、字幕入りフィルムの上映予定があるそうです。また、上映予定のない地域の方は、ぜひ「見たい!」という声を集めて、下記に要望して下さい。東宝(株)映画宣伝部 矢部勝様 FAX:03−3591−5352。

 どんどん、「字幕付きで見たい」との声を送り、今後も字幕付きフィルムでの上映が続くように運動をしていきましょう。また「字幕付きの上映日は、観客が多い」という印象を映画館側に持たせることも必要でしょう。周辺に「もののけ姫」を見に行く予定がある人がいて、その人が字幕を必要としない人であっても、上記の日程で見に行くことが少しでも貢献になることを説明して、字幕付き上映日の観客数を増やしましょう!


【目次】



字幕入り映画
 「新サラリーマン専科」
 「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」

 数ある寅さんシリーズの中でも、ぼくが最も気に入っている何本かの作品のひとつ、第25作「寅次郎 ハイビスカスの花」をリニューアルして上映することにしました。

 たくさんの特徴がありますが、 特にサウンドについては従来のモノラル録音が不満だったので、ドルビーステレオ・システムで 70人編成のシンフォニーで今までになかったサウンドが、この作品を別の映画のように 感じてもらえるようになったと思います。

 いわば“寅さん”の新装開店です。今まで、名前は聞いたことがあるが、 見たことのない若者たちにも、この機会にぜひ見てもらいたいと思っています。

山田洋次   

 上映館によっては日程が変更になる場合がありますので、念のためご覧いただく映画館にご確認下さい。webmaster@shochiku.co.jpにてメールによるお問い合わせも承ります。
照会先:〒104 中央区築地1-13-5 松竹渇f画営業部 TEL:03-5550-1592 FAX:03-5550-1647

 上記以外にも上映館がありました(札幌/仙台/豊橋/京都/岡山/福岡/小倉/長崎)が、発行日時点で上映終了していた館については、掲載しませんでした。


【目次】


特殊教育の改善・充実について

 文部省初等中等教育局を中心に、特殊教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議が組織され、今年1月24日に第一次報告を、10月21日には第二次報告が公表された。文部省は、これらの報告を踏まえ、関連施策の推進に取り組むという。このどちらもに、重要な内容が含まれている。そこで、今回、第一次報告の概要と第二次報告の要約をお届けする。なお、文中の強調文字は編集部で付けたもの。

 第一次報告の全文は、各教育委員会に照会するか、下記のインターネットで閲覧できる。
 http://www.monbu.go.jp/singi/00000002/


特殊教育の改善・充実について
(特殊教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議・第一次報告)

平成9年1月24日                       
特殊教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議  

【1】盲学校,聾学校及び養護学校における高等部の拡充整備と訪問教育の実施について
 1.高等部教育の現状
 2.高等部の拡充整備
(1)高等部の整備促進
(2)重複障害学級の設置促進
 現在,設置されている盲・聾・養護学校の高等部の中には,重複障害の生徒が在籍しているにもかかわらず,重複障害学級が十分には設置されていない地域も見受けられる。近年の医学の進歩等に伴い,高等部においては,今後,重複障害の生徒が一層増加し,障害の重度・重複化,多様化が進んでいくものと見込まれる。このため,盲・聾・養護学校の高等部においては,重複障害の生徒の実態に応じた適切な教育を行う必要があることからも,生徒数に見あった適切な重複障害学級の設置を促進していく必要がある。
 3.高等部における訪問教育の実施
 4.高等部における訪問教育の試行的実施
 5.今後の課題

【2】交流教育の充実について
   交流教育は,障害のある児童生徒等のみならず,すべての児童生徒等や教員,地域社会の人々にとって極めて有意義な活動として,中央教育審議会第一次答申において,その一層の充実が提言されている。また,将来の完全学校週5日制の実施に向けた検討が進められている状況を踏まえ,青少年の学校外活動など社会教育の充実や,高齢化社会の進展に伴うボランティア教育の推進などが求められている。
 交流教育は,これらの基盤となる活動として,その多様な展開が望まれるところであり,ここでは,今後の一層の充実に向けた取組等についての考えを述べる。
 1.交流教育の意義
 2.交流教育の現状
 3.交流教育の充実
 4.今後の課題

【3】早期からの教育相談の充実について
   障害のある乳幼児については,早期から適切な教育的対応を行うことが大切であり,教育相談や幼稚部教育の果たす役割は,ますます高まってきている。ここでは,障害のある乳幼児の障害の状態の改善を図り,望ましい成長・発達を促すための早期からの教育相談の充実に向けた今後の取組等についての考えを述べる。
 1.早期からの教育的対応の意義
   障害のある児童生徒等については,その障害の種類や程度等に応じて,盲・聾・養護学校や特殊学級等において適切な教育を行うことが重要であるが,障害によっては,0歳からを含む早期からの教育相談やこれらの学校の幼稚部教育を受けることにより,乳幼児の障害の状態の改善が著しく進んだという成果がみられている。
 近年,医学等の進歩は著しく,特殊教育の対象となる乳幼児の障害の早期発見が可能となってきていることから,できる限り早期から教育相談などによる教育的な手だてを講じていくことが,乳幼児の障害の状態の改善を図る上で,大きな成果を期待できるものとなっている。
 また,こうした教育相談が,乳幼児の発達段階等を考慮しつつ,就学相談まで継続して実施され,さらに,就学後においても保護者やその子供の必要に応じて行われたりすることなどにより,障害のある児童生徒等の教育や全人的な育成を図る上で,重要な役割を果たしていくものと考えられる。

 2.早期からの教育相談の現状
   障害のある乳幼児については,それぞれの障害の特性に応じた早期からの教育相談が,地域の実情に応じて,特殊教育センターや盲・聾・養護学校等で実施されており,保護者の養育態度の形成や子供の障害の状態の改善に多くの成果を上げている。それぞれの障害の状態に応じた教育相談や幼稚部教育の現状は,以下のとおりである。
  

(1)聴覚に障害のある場合
 聴覚に障害のある児童生徒等の教育においては,その障害に起因する言語習得の困難性を克服するため,ほとんどの聾学校に幼稚部が設置され,早期からの教育的な対応が実践されてきている。そこでは,保護者の協力も得ながら,個々の幼児の発達段階に応じた言語指導を行うとともに,幼児期の望ましい成長・発達を促すため,適切な教育が進められてきている。
 こうした幼稚部教育の実践は,聴覚に障害のある幼児の言語習得を図るとともに,その後の教育に必要な基礎的な能力の育成を図るなど,多くの成果を上げている。
 さらに,幼稚部での教育をより効果的に行うためには,それ以前の段階における教育的な対応が重要であり,各聾学校においては,個々の乳幼児の実態に応じて,0歳からの教育相談も行われるようになってきている。このような教育相談においては,保護者とその子供が定期的に聾学校を訪れ,家庭での養育の在り方,聴覚障害の理解,子供に対する具体的なかかわり方など,保護者に対する支援を中心にして,必要に応じた相談活動が進められている。

(2)視覚に障害のある場合

(3)精神発達に遅れのある場合

(4)肢体に不自由のある場合

(5)病弱,身体虚弱の場合

(6)自閉的傾向等のある場合


 3.早期からの教育相談の意義
   障害の状態等に応じて,実際に行われている早期からの教育相談の内容についてまとめると,以下のとおりである。
  

(1)障害の受容への支援

(2)良好な親子関係の形成

(3)乳幼児期の発達促進

(4)障害の状態の改善

(5)特殊教育に対する理解


 4.早期からの教育相談の充実
   早期からの教育相談をより一層充実するための方策についてまとめると,以下のとおりである。
  

(1)教育相談にかかわるネットワークの形成
 障害のある乳幼児の望ましい成長・発達を促すためには,乳幼児の養育上,その保護者が必要としている支援を適切に行うことが大切である。具体的には,教育相談として,保護者が求めている養育上の課題に対する支援,福祉や医療に関する情報提供が,身近な地域で,しかも必要に応じて,頻繁にあるいは継続的に受けられるようにすることが望まれる。
 このため,都道府県等に設置された特殊教育センター等を中心としながら,地域の盲・聾・養護学校との連携を図り,教育相談体制の確立のためのネットワークを形成することが大切である。
 その際,盲・聾・養護学校は,それぞれの障害種別の教育にかかわる専門性を生かし,障害のある乳幼児やその保護者に対する地域の教育相談センター的な役割を担う必要がある。
 このような地域の教育相談センターとしての役割を果たすためには,地域の幼稚園や保育所,また,病院や保健所,通園施設等との連絡を密にして,そこでの相談活動との一貫性に留意したり,さらにはパンフレットによる地域への教育相談の実際の活動にかかわる理解啓発を図ったりするなどの取組が重要である。
 なお,こうしたネットワークが,より効果的に機能を発揮するためには,医療・福祉関係機関の相談担当者も含めて,広い意味での連携・協力体制を整えることが大切であり,地域の実情に応じ,早期からの教育相談のための早期教育相談連絡協議会(仮称)を設置するなどの工夫も考えられる。

(2)盲・聾・養護学校における早期からの教育相談
 盲・聾・養護学校においては,それぞれの学校や地域の実情に応じて,随時,教育相談を実施してきたところである。
 盲・聾・養護学校が,今後,これまで以上に地域での教育相談センター的な役割を果たすためには,教育相談担当者を確保し,施設・設備を充実するなどして,障害のある乳幼児やその保護者のニーズに応じた早期からの教育相談ができるように創意工夫する必要がある。例えば,継続して教育相談が受けられるようにしたり,必要に応じて,ときには,幼稚園・保育所等の福祉関係機関や家庭に出向いて相談に当たることができるようにしたり,遠隔地や離島等に居住する保護者への対応として,マルチメディアの活用を図ったりするなどが考えられる。

(3)特殊教育センター等における早期からの教育相談
 特殊教育センター等においては,従前から,障害のある乳幼児や様々な課題のある児童生徒等の教育相談を実施してきている。今日のように,障害の早期発見後,様々な側面からの早期対応が求められている中で,特殊教育センター等が,乳幼児に対する早期からの教育相談をより充実させるとともに,一方では,地域での教育相談センター的な役割を果たす盲・聾・養護学校に対して,必要な支援を行うことが重要になってくる。
 このため,特殊教育センター等においては,盲・聾・養護学校の教育相談担当者に対して,必要な情報提供を行ったり,研修の機会を設けたりするなど,適切なネットワークの整備を図るとともに,教育相談担当者の資質向上に努めることが大切である。
 また,特殊教育センター等は,早期からの教育相談が円滑に進められるように,教育,医療,福祉の各分野の情報収集に努め,そこで得られた情報を盲・聾・養護学校に提供するなど,相互の連携のための中核となる機関としての機能を発揮する必要がある。
 なお,区市町村の一部には,独自に教育相談を行っている地域も見受けられる。今後は,保護者のニーズに応じて,こうした教育相談がより広く多方面にわたって行われる必要があることから,区市町村における教育相談体制の一層の充実を図ることが望まれる。


 5.今後の課題
  

(1)盲・聾・養護学校における教育相談機能の拡充
 中央教育審議会第一次答申では,学校・家庭・地域社会の連携の重要性が指摘されており,そのための方策の一つとして,開かれた学校づくりが提言されている。学校は,地域社会の拠点として様々な活動に取り組む必要があるが,盲・聾・養護学校の場合,それぞれの専門性を生かして,地域の教育相談センターとして,それぞれの機能を十分発揮する必要があると考える。
 こうした教育相談は,盲・聾・養護学校の新たな教育サービス機能として位置づけることが適当であり,今後,盲・聾・養護学校がこのような教育サービスに積極的に取り組んでいくための人的・物的な条件整備についても検討していく必要がある。

(2)盲・聾・養護学校における幼稚部教育の充実

(3)医療・福祉関係機関における相談と一体化した教育相談の充実
 障害のある乳幼児に対する育児相談や養育相談は,専ら医療・福祉関係機関を中心に行われてきた。そこでは,主として,医学的な内容に関することが取り上げられたが,最近では,乳幼児の発達相談も行われるようになってきている。
 また,乳幼児の成長・発達に関して,多くの知識や経験のある教育関係者が,保護者やその子供に対して,早期からの適切な教育相談を行うことは,これまでも述べたように,個々の乳幼児の可能性を最大限に伸ばす意味で重要な役割を担っている。
 したがって,乳幼児期においては,教育分野からと医療・福祉分野からの相談活動が,それぞれの特徴や機能を生かし,一体化して行われる必要があり,その在り方について,今後,具体的な検討を進める必要がある。

(4)教育相談担当者の資質の向上等
 教育相談担当者については,保護者の心理やその子供の実態を的確に把握し,将来の見通しなどを踏まえた上で,教育分野からの相談活動を適切に行い,保護者のニーズに的確にこたえられるような資質が必要とされる。このためには,専門的な知識や技術を身に付けるための研修を受けることができるように努めることが大切である。
 さらに,教育相談担当者については,盲・聾・養護学校の教職員を充てたり,障害のある乳幼児を育てた経験のある保護者や相談についての専門家の協力を得たりするなどの工夫が考えられるが,地域における教育相談がより頻繁に行われるようにするためには,小・中学校に設置されている特殊学級や通級による指導の場が,こうした機能を発揮することも望まれる。
 なお,実際の教育相談に当たっては,教育相談担当者が中心となって,他の教員等とチームを組んで相談活動を行ったり,教育相談担当者を派遣して相談活動を行うなどの工夫が必要である。



下記の文書が各教育委員会に来ています。
ご紹介するのは文書の最初3枚の概要のみです。ぜひ全文をお目通し下さい!

文初特第422号  
平成9年10月21日  

各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各 都 道 府 県 知 事     殿
各 指 定 都 市 市 長
附属学校を置く各国立大学長
国 立 久 里 浜 養 護 学 校 長

文部省初等中等教育局長   
辻 村 哲 夫  

  特殊教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の
  第二次報告について(通知)

 標記調査研究協力者会議(以下「協力者会議」という。)の第一次報告に関しては,平成9年2月14日付け文初特第422号で通知したところであり,貴職においては,これに基づき.盲・聾・養護学校高等部の拡充整備や訪問教育の試行的実施をはじめ,所要の施策に積極的に取り組んでいただいているところであります。

 その後,同協力者会議においては,教育課程審議会で進められている教育内容の在り方についての論議や,平成9年7月に第一次答申(「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について」)を公表した教育職員養成審議会の審議の状況等を踏まえつつ,盲・聾・養護学校等の教育課程の改善や特殊教育を担当する教職員の資質の向上方策等について議論を重ねてまいりましたが,このたび,別添のとおり,「特殊教育の改善・充実について(第二次報告)」(以下「報告」という。)が取りまとめられました。

 文部省においては,この報告を踏まえ,今後.関連施策の推進に取り組むこととしておりますが,貴職におかれても,今回の報告の趣旨及び内容を踏まえ.特に下記事項に留意しつつ、必要な検討を行うとともに,所要の施策の実施に取り組まれるようお願いします。

 また,施策を進めるに当たっては,特殊教育の指導担当部局と教職員の人事管理担当部局との密接な連携を図られるとともに,貴管下の学校及び関係機関に本報告の趣旨について周知徹底を図られるよう,あわせてお願いします。

T.盲・聾・養護学校等の教育課程の改善について
   報告書のTの部分は,教育課程審議会で現在行われている教育課程の改善についての審議の参考にするため,盲・聾・養護学校等の教育課程の基準に関し,改善すべき方向をまとめたものであり,今後,同審議会の動向に留意するとともに,本報告書の内容について貴管下の教育機関に対して周知を図り,その趣旨等を参考として指導を進めることが望まれること。

U.教職員の資質の向上について
  1.養成・免許制度の改善について
 報告書Uの2の(1)の内容は,平成9年7月28日に答申された別添資料の教育職員養成審議会「新たな時代に向けた教員養成の改善方策について(第一次答申)」に盛り込まれているものであり,今後,この答申を踏まえ,教育職員免許法の一部を改正する法律が次期通常国会に提出される予定であるので,今後の動向に留意すること。

2.特殊教育担当教員等の専門性確保のための採用・研修・配置の改善について
(1)盲・聾・養護学校等特殊教育担当教員の専門性向上のための総合対策の推進
 報告書Uの3の(1)で示されているように,特殊教育を担当する教員の基礎的専門性を高めるためには,各学校における教職員の特殊教育教諭免許状の全体的な保有率の向上を図る必要があり.それぞれの実態を踏まえつつ,特に次の項目に関して必要な検討を行い,改善に向けた積極的な取組みに努めること。

  @ 養成課程で特殊教育を専門に修め、特殊教育担当教員としての基本的資質を備えた者を,適切に評価し得る採用の在り方
A 特殊教育担当教員として任用後、希望すれば一定期間内に特殊教育教諭免許の取得が可能となるような現職研修に関する施策の在り方
B 特殊教育の指導分野のリーダーの確保等に資する人事異動等の運用の在り方
C 盲・聾・養護学校における専門性を有する管理職の確保の在り方

  (2)障害の重度・重複化に対応した養護教諭の配置
 報告書Uの3の(2)の趣旨を踏まえ,病弱養護学校や肢体不自由養護学校等における養護教諭の研修の在り方等について検討すること。

  3.現職研修の改善
 特殊教育をめぐる今日的な課題に対応するため・貴都道府県・指定都市の実態を踏まえつつ,報告書Uの4で示された各種現職研修に関し・その実施や研修内容等について検討し,所要の施策の充実に努めること。

  4.小・中学校等教員の特殊教育に関する学習・研修の充実
 報告書Uの5で示されているように・小・中学校等の教員が特殊教育に関し学習・研修することは、大きな意義を有することから,小・中学校等の教員の特殊教育に関する研修への参加等について配慮すること。
 また,「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に関する教育職員免許法の特例等に関する法律」が平成10年4月1日から施行され.平成10年度以降大学等に入学する教員志望者から適用されることに伴い,介護等体験の場として,貴管下の盲・聾・養護学校の積極的な受入れ体制の整備に努めること。なお,その実施方法の詳細については,別途教育助成局より通知等がなされる予定であること。

V.今後の課題について
   特殊教育制度に関する今後の課題として,報告書のVで,@学習障害児への対応,A完全学校週5日制施行に向けた家庭や地域社会との連携,B労働,医療,福祉関係機関との連携の強化が示されているが,貴職におかれても,これらを踏まえて必要な検討を行い,所要の施策の推進に努めること。

【目次】


JOCS「アジア医療協力募金」

JOCS:日本キリスト教海外医療協力会では、「アジア医療協力募金」を募っている。

JOCSからは、元日本聾話学校の荒井真理先生が、バングラデシュで聴覚障害児教育コンサルタントとして派遣されている。詳しくは「みみだより317号 p.8」参照。

郵便振込 00170−3−13986、名義:日本キリスト教海外医療協力会。
募金種別 a)3,000円、b)5,000円、c)10,000円、d)金額自由


【目次】


フィッティング・フォーラム'97の資料から
聴覚障害児にとっての人工内耳の現状と課題
田中 多賀子  

1.はじめに
 

 次男が1歳4ヶ月時、髄膜炎の後遺症として聴覚に障害を負って以来(130dBスケ−ルアウト)、多くの教育、医療機関や先生方の支援を受けながら母親として療育に専念してきました。

 今から約3年前、子どもが9歳の時に人工内耳の手術を受け、やっと高度難聴児並みの音の世界に入ることができました。息子、そして他の色々な年齢層の装用児や、親子とのふれ合いを通して実感するのは、「補聴器では全く聞こえない状態、あるいはそれに近い状態だった子どもたちが世の中に音というものがあることを知り、その子なりの反応がでてくること、そのことを親子の関わりで共感し合えることは素晴らしいことだ」ということです。しかし、それと共に考えておかなくてはいけない問題もあります。子どもの身体に傷をつけ、異物を入れるということ(・・・・手術の危険性の有無は事前に病院でチェックして頂くので信頼して良いと思いますが)、術後も異物が体内に入っていることに伴うリスクは覚悟しなければいけません。そのことも考慮に入れた上、総合的には得ることの可能性が大きいと判断し決断するのです。また、子どもの障害を否定したいという逃げの姿勢から、人工内耳手術によって"聞こえる人"にしようとして手術を選択することは本人にとっても親にとっても大変不幸なことです。たとえリハビリに励み、装用効果が大変良好な場合でも、聞こえにくい不自由さは残るということを周囲も本人も自覚すべきでしょう。また、その自覚は不自由さを否定するものではなく、きこえ以外の力で補ったり、別の能力も伸ばしていく自信につながるものとして育てたいものです。

 ところで、次男の受障以前から身体障害者の社会復帰訓練施設に勤め、現在は医療と福祉の専門学校講師としてリハビリテ−ションに関わってきた経験も、親としての経験談に加えて以下に装用児の現状と課題についてまとめたいと思います。


2.装用児の現状
 (昨年ACITAで実施したアンケ−ト調査や交流会での関わりを通して)



















・3才前後で装用した場合
   プラス面=聴能リハビリの効果大
単感覚による聴覚活用の可能性も大(個人差有)
   問 題 点=現在、補聴器装用の中等度難聴児が抱える問題と共通では?
聴能や発音は改善するが、必ずしも言語力に結びつくとは限らない
周囲(本人も含め)に障害について認識されにくいのではないか

・幼児期までに装用した場合(〜6才台)
   プラス面=聴能リハビリの効果がそれなりにある
   問 題 点=聴覚活用だけではコミュニケ−ション困難なので、視覚を使ってキュ−ドサインや指文字、手話などを入れていく場合が多い・・・・人工内耳の活用との兼ね合いは? とまどいながら中途半端な視覚モ−ドを入れるのでは音声も手指サインも不完全な入り方となってしまい、大事な時期に正しい日本語が身につかないのでは?

・児童期以降に装用した場合(7才〜思春期)
   プラス面=音声・環境音について、限られた範囲での理解ではあるが、本人・親の心理的安定・QOL(生活の質)の向上
   問 題 点=聴覚活用の限界
この時期以降の装用効果として言語力の改善に直接結びつけるのは難しい

・思春期以降
   プラス面=本人自身の選択によって手術が選択できる
リハビリの取組みも自主的、積極的?
   問 題 点=本人自身の自覚がないまま周囲のすすめで何となく手術した場合心理的動揺大。思春期自体が心理的不安定期、アイデンティティをこれから確立していくという時期、「きこえない」ということを受容し、アイデンティティとして積極的に主張することを選んだ場合、親の選択を否定する可能性もある。

3.人工内耳装用児リハビリにおける医療・教育・福祉の連携
  〜総合リハビリアプロ−チの提案〜
    聴覚障害児教育をリハビリアプロ−チとして以下のように整理してみましたが、人工内耳によって改めて*印部分についてアプロ−チのあり方が問い直されます。
人工内耳装用児リハビリにおける医療・教育・福祉の連携

4.今後の検討課題 〜医療・教育・福祉の連携〜 装用児支援のネットワ−ク
  (1)医療現場はこれまでの聾教育の積み重ねをどう活かしていくのか。マッピングを含めた聴覚リハビリを教育現場にどうつなげていくのか、言語コミュニケ−ション指導にどうつなげるか。手術後のリハビリ環境として普通小をすすめるケ−スも少なくないようだが環境調整などの問題が残る。
(2)教育現場(聾学校、ことばの教室等)では聴能学習に最大限の聴覚活用アプロ−チをどうとり入れるか。幼児の手術対象適・否の判断(裸耳聴力、補聴器装用時聴力把握、グレイゾ−ン以上か、両親指導)。
(3)両現場でのアプロ−チに加え社会福祉的アプロ−チの可能性。手術を行った病院ST、MSWの援助有無、福祉制度の適用について市町村の対応の違いなどの問題についてコ−ディネ−ト的役割の必要→病院ST・SW・親・教師などのネットワ−ク、ACITAやコクレア社の支援

【目次】


★第141回国会へ「言語聴覚士法案」が内閣提出法律案として提出される

衆議院提出日平成9年10月13日   

 提出理由:人口の高齢化等に伴い、リハビリテーション医療の分野において言語機能及び聴覚に障害を持つ者に対して訓練等を行う専門技術者の果たす役割が重要になってきたことにかんがみ、新たに言語聴覚士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。


【目次】



新製品情報
  Panasonic:テレビ伝言アダプタ TU-ME100
テレビ伝言アダプタ

 最近、松下から様々な機器が新発売されている。この「テレビ伝言」TU-ME100は、外出先から電話の操作で、自宅のテレビに文字でメッセージを表示させることができる装置。

 具体的に説明すると・・・、まず、機器を、電話線とテレビに接続しておく。外出先から自宅に電話をかけて、あるタイミングでプッシュボタンを操作すると、9つの定型文か、ポケベルのように自由な文章を機器に表示命令を出す。

 自宅に置いてある「テレビ伝言」の「着信」ランプが付くので、テレビの電源を入れるか、入力を切り替える。すると、テレビ画面上に、メッセージが表示されるというもの。発信者が誰であるかを記号で表示できる機能もある。定型文は「おそくなります・食事いります・今から帰ります・無事つきました・先に寝て下さい・お風呂わかしておいて・元気です・お疲れさま」の9文。

 発信の際、電話口でプッシュボタンを押すタイミングが音声で指示されるため、聴覚障害児が使う場合、実際に「何秒たったら、○○を押す」というタイミングを覚える必要があるだろう。しかし、うまく使えば、相手が留守でもメッセージを送ることができる可能性もある。いかに使いこなせるか、利用者の声を聞いてみたい、オモシロイ機器である。価格が 18,000と安いのも魅力的だ。

 照会先:〒567 大阪府茨木市松下町1 松下電器産業
     AVC社 テレビ事業部 新規事業推進部 TEL:0726−22−8181


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技術情報
  Panasonic : FMワイヤレス補聴システム
Panasonic:FMワイヤレス補聴システム 1.耳あな形補聴器かPanasonic FMワイヤレス補聴システムか
   最近、読者からいただく質問は、「聴力60dB程度の子ども、耳あな補聴器か、このFM補聴器か、どちらがよいか悩んでいる」という質問。しかし、この補聴器はあくまでもポケット形補聴器であるので、日常生活でいつも使うことを、積極的に考えない方が良いと思う。日常生活は耳あな形補聴器で過ごし、テレビ視聴時や授業時間のみTPOにあわせて、FMが有効な場面で使いこなすことを、子どもの場合には考えていきたい。

2.Panasonic FMワイヤレス補聴システムは、軽度〜中等度難聴だけが対象?
   このシステムだけで補聴器として使用する場合には、だいたい聴力60dB前後が適用の限界。しかし、以前から利用されている「FM受信機+補聴器」という接続方法をとれば、聴力を越えて利用できる。この場合、補聴器の機能は失われるが、従来のワイヤレスガイドなどの製品に比べ、コスト・パフォーマンスが良い。受信機WH-AX100には、専用のマイク内蔵レシーバが付いてくるが、これを使わず、その替わりに2.5φ のステレオミニプラグを使用する。そして、外側のアースと、最も内側のプラスを取り出し、補聴器の外部入力端子に直接、接続するとか、シルエットインダクタに接続すればよい(写真)。ハンダコテさえあれば、簡単にコードは自作できる。この際、できるだけプラグの持つ部分の直径が細いものを選ぶこと。受信機のジャックが奥まったところにあるので、直径が太いと差し込むことができない。オーティコンのE39PLに接続した場合の周波数特性は下図の通りであり、E39PLを使っているような重度の難聴児でも、このFMワイヤレス補聴システムを使用できる。今後、家庭/家族の中での補聴システムとして有効利用が期待されよう。 FM受信機+補聴器
プラグ
E39PL に接続した場合の周波数特性

3.Panasonic FMワイヤレス補聴システムは、据え置きでしか使えないの?
   製品のカタログなどではテレビの横に置いて使うような設計になっていて、今までのFMマイク→FM受信機のようなシステムとしては使いにくいような印象を受ける。しかし、別売のタイピンマイクを利用すれば、アンテナも上手く処理でき、普通のFMマイクと同じような使い方ができる。

 ところが、別売のタイピンマイクのプラグだと、写真のように横に出っ張り、ポケットに入れづらい(右)。そこで、プラグをL字形のものに替える(左下)。そうすれば、ポケットにスムースに入り、携帯性も良いFMマイクとなる(右下)。

横に出っ張るプラグ
    L字形プラグ L字形プラグでポケットにスムースに入る

4.Panasonic FMワイヤレス補聴システムは、人工内耳でも使えるの?
   人工内耳装用児者に対するFM利用については、「みみだより」322号 p.2で紹介した。ここで紹介しているFMシステムはパナガイドだが、もちろん、この替わりに、今回紹介しているTX-100→AX-100のシステムが使用できる。基準外交付の制度対象外である成人人工内耳装用者にとっては、費用減となるだろう。人工内耳装用児にとっても、学校の体育館等のPAシステムと混信の可能性があるパナガイドより、福祉用専用周波数帯使用のTX-100→AX-100システムの方が安心して利用できるメリットがある。

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衛星劇場
  聴覚障害者向け字幕入り放送
12月 うなぎ・・・・・・・・・・・・・・・27日(土)9:00〜
男はつらいよ/寅次郎の縁談蒲田行進曲14日(日)9:00〜
釣りバカ日誌7・・・・・・・・・・・ 16日(日)9:00〜

※「うなぎ」のみ手話解説(妹尾映美子)、手話解説ゲスト(軽部潤子)がつく

 98年1月の予定:釣りバカ日誌9、男はつらいよ/寅次郎相合い傘、父ありき


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