1997年7月14日発行(第2・4月曜日発行)
聴能情報誌 みみだより 第3巻 第326号 通巻411号
編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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立入 哉 h-tachi@ma4.justnet.ne.jp
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【目次】第326号
- 第10回フィッティング・フォーラム開催案内
- 耳かけ形FM補聴器 Extend-Ear フィッティング・ガイド
- こんなにあったNGO活動
- 講習会:聴覚障害児の学習指導
- NHK「盲ろうの助教授・福島智さん」放送
- 聾学校教諭免許状、認定講習会開催情報
- 聴覚障害関係リンク先紹介
- 夏本番:「汗」対策
- 朝日新聞投稿記事「難聴の娘育て教えられた私」(※)
- 小学校・中学校教員免許状授与にあたり、介護等体験を義務化
- 東映アニメフェア:日本語字幕付き上映日程
- 新刊図書紹介「手は脳について何を語るか」
- 自費出版冊子増刷「ことばをもとめて」
- ミニ ニュース
- 補聴器新製品:セイコーヒヤリングシステム 708シリーズ
- 会誌等紹介
※朝日新聞(大阪本社):5月29日掲載:インターネット上での公開許諾が得られていないため、掲載できません。朝日新聞をご覧いただくか、ペーパーメディア「みみだより」をご請求下さい。| NEXT | BACK |「みみだより」ホームページ |
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研究会開催
━━━━━━第10回
フィッティング・フォーラム’97 in 京都メインテーマ 「人工内耳、良く知り、良く使う」
日 時: 10月18日(土)9:00〜16:00 会 場: 未定(京都市内で交渉中:8月中には改めてお知らせ申し上げます) 内 容: AM=講習会 ・人工内耳のマッピング(補聴器フィッティングの視点から)
・最先端の人工内耳ハビリテ−ションPM=講演 「補聴器創世期から人工内耳時代を見据えて補聴を考える」
【講師交渉中】PM=パネルディスカッション「医療と教育とハビリテ−ション」 コーディネータ: 大沼直紀先生(筑波技術短期大学教授)
高橋信雄先生(愛媛大学教育学部教授)パネラー: 井脇貴子先生(大阪大学医学部耳鼻咽喉科)
加藤慶子先生(埼玉県立大宮聾学校)
田中多賀子先生(人工内耳装用児のお母様)参加費: 2,000円程度を予定(共催各会の会員は1,500円程度を予定) 主 催: みみだより編集部 共 催: 日本聴覚障害・教育工学研究会、京都聴覚障害研究会 参加申込: 編集部まで以下の事項をFAXでご連絡下さい。
参加申込書: フィッティング・フォーラム'97に参加します。送信先FAX:089-946-5211
お名前: ご所属: 24時間連絡可能なFAX番号:
もし、時間限定のFAXならば、受信可能時間帯 時〜 時
当日参加は定員に余裕がある場合のみ、お受けいたしますが、できるだけ事前にお申し込み願います。
訂正 325号の記事に以下の間違いがありましたので、ご訂正願います。
★ 「普通の補聴器の状態(M)での60dB入力時周波数特性と、FMマイクのみの状態(F)での80dB入力時周波数特性を一致させることが原則」と書きましたが、以下のように訂正いたします。→「普通の補聴器の状態(M)での65dB入力時周波数特性と、FMマイクのみの状態(F)での80dB入力時周波数特性を一致させるようにするのが比較的合理的」
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新製品情報
━━━━━耳かけ形FM補聴器
Extend-Ear RX フィッティング・ガイドもう新しい Extend-EarRXはお手にとってご覧になりましたか?
★MTX-10のAGCはどのように動くの?
前号で、MTX-10に内蔵されている適応型AGCに関して触れましたが、AGCによる可変量について具体的に示すことが難しく、簡単な入出力(IO)特性で示しました。しかし、この特性から読みとれる2〜5dBという圧縮量は間違えです。下の図は、1kHz80dBの音を5秒間、MTX-10に与えた後に、測定した曲線に、各周波数ごとに100dBの音を5秒間与え、その後、80dBに落としたときにAGCが復帰するまでの間(リリースタイム、約2秒)の出力音圧の変化量を縦線で示しています。
つまり、強大音が入力されたとき、低音部では25〜30dB、中音部では16dB程度の量をAGCが圧縮しているということがわかります。また、復帰(リリース)に約2秒ほどかかるため、強大音を与えた直後に純音・ウォーブルトーンなどスィープによる周波数特性を測定すると、測定を始めた低音部分では復帰(リリース)途中であるため、低めの音圧が測定され、高音部に行くに従い、完全に復帰し、正常な音圧に戻るため、低音のゲインが落ちたかのような結果が得られますので、故障と混同しないよう注意が必要です。
また、AGCの機能が働き出すポイントが約70dBと、比較的低いために、聞いている者によっては、音量感の不足を訴えると思います。このような場合は、GCトリマでマイク側のゲインをあげるようにして下さい。LRR-200、旧Extend-Earの使用者がRX+MTX-10に移行する場合の設定例は、いずれ報告したいと思っています。
★電池ボックスの奥にあるF/Mバランストリマは何に使うの?
今回のRXシリーズには妙な場所にトリマが1コ付いています。このトリマは、補聴器内部のマイクと、FMマイクからの音とのバランスをとるトリマです。RX補聴器のスイッチを「B」「F」にしたとき、FMマイクからの音を優先させるようになっています。今回、このFMの強調量を9dB内で可変できるようになりました。図が標準のトリマ向きです。可変量については、前号の周波数特性表をご覧下さい。
このトリマはどのようなときに使うのでしょうか?
FとMのバランスを調整すべき時は、主に以下の2つだと思います。
@上記のように音量感の不足を感じるときで、FMマイクのGCトリマを操作できない場合。例えば、複数のFM補聴器使用者がいる場合。
AFM補聴器装用者が乳幼児で、環境音よりも母親の声を優先的に届けさせたいとき。FM補聴器装用者がおとなの場合には、主観的感想でF/Mバランスを変えてよいいと思います。
むしろ、教育的な視点から見ると、主にAによる調整が多いような気がします。この場合、「では何dB優先させればよいか」という点は、むしろ皆様からのご意見をお聞かせ願いたく思っております。
★旧LRT-100のマイクは使えるの?
同じ学級にLRR-200、旧Extend-Earを使っている子どもが在籍している時、マイくをどうするのか?という問題が起きます。結論から言えば、MTX-10を使用した方が無難なようです。と言いますのも、今回のRXシリーズの場合、FM信号に強大音が入力された時に、スケルチ機能が働くようになっていますが、旧Extend-EarのLRT-100 FMマイクをボリューム2.5以上で使用すると、このスケルチ機能が働き、音圧が落ちてしまうのです。LRR-200とLRT-100のセットで用いる場合、ボリュームを3で使う場合が多いのですが、LRT-100とRXというセットで使用すると、LRT-100に80dBを与えたときは良いのですが、100dBを与えると増幅されなくなってしまいます(下図)。 そこで、以下のように注意するか、MTX-10を共通使用することが良いようです。
LRR-200と、RXとを一緒に使う場合は、MTX-10を使う。
もし、LRT-100を使わざえるを得ない場合は、2.5以下のボリュームで使用する。
測定データ
RX/LIN
M.V.=2
TONE/PC=開放
1500Ωフィルター
★MTX-10と旧LRR-200の相性はどうなの?
上記のように、RXを使っている子どもが学級にいると、MTX-10を使わざえるを得ない状況が生まれます。では、FMマイクがMTX-10で、受信機が旧LRR-200の時はどうなのかを調べました。すると、下記のように、LRT-100とは違う特性が出てきます。MTX-10がAGC内蔵なので問題は小さいとは思いますが、特性を一致させることは難しいようです。
測定データ
LRR200SP
M.V.=2
TONE/PC=開放
dana-PPイヤホン
※ 次の項目の記載の通り、補聴器内蔵マイクへの入力音65dBの周波数特性とFMマイクへの80dB入力時の周波数特性とを一致させることを最も合理的と考えると、MTX-10proとLRR200シリーズとの組み合わせで、比較的一致した周波数特性を得ることができます。しかし、その次の項目に記載のAGC動作との兼ね合いで、低音部分の周波数特性については、どの状態で一致させるべきか悩みます。
★FMマイクへの80dB入力周波数特性を決定する際に基準とする、
補聴器内蔵マイクでの周波数特性をとる測定の音圧は?
以前も話題になったので、「みみだより」305号を元に改作したものを掲載します。
補聴器の周波数特性測定時の入力音圧を考える場合には、まず、話し手の平均会話音声レベルを考えることが合理的です。この平均会話音声レベルは、口元から1mの地点では66.2dB、先生の口元に近いFMマイク(音源から15cm)では、83.5dB注)という値です(下図1))。前号では、「M(補聴器内蔵マイク)への60dB入力時とF(FMマイク)への80dB入力時の周波数特性を一致させることが良いだろう」と書きました。しかし、より合理的な調整法を考えるならば、FMマイク位置での音声レベルと、補聴器のマイクの位置での音声レベルの差、つまり、83.5-66.2=17.3dBの差を、M入力とF入力を測定する際の測定音圧の差とすればよいと言うことになります。簡略化すると、F80dB=M63dB入力時の周波数特性と一致させれば、より合理的な調整になると言えるかも知れません。アメリカではFMに関するガイドラインで、M65dB入力時とF80dB入力時の周波数特性を一致させるという指針を出しています2)。 実際聞いてみると、M60dB特性にF80dB特性を一致させると、ややFMマイクからの音が足りないような気がしますし、F80=M68程度が、自然な感じだと話す先生もおられます。
いずれにしろ、こうした音響的な調整の後、教師の声の大きさなどにより、多少のアレンジを加える必要があるでしょう。いつも大声の先生ならば、以上の音響的調整結果より少し下げ目に、声の小さい先生ならば、音響的調整結果より3〜5dBほど上げてみるなど、使用状況に応じた調整が必要となるかも知れません。例えば、目安として、最初に、男の大声の先生ならばM60〜65=F80、女の小声の先生ならばM65〜M70=F80に設定するのも、近道かも知れません。
図1:会話音声レベル測定のための防音室内の配置1)
図2:音源からの距離によるレベルの違い
枠の数値は平均を示し、( )内は標準偏差を
示す1)文献
1)芳之内修、高橋信雄(1994)、FM補聴システムのフィッティングの試みについて、聴覚障害教育工学,18(1),2-9
2)American Speech-Language-Hearing Association(1994).Guidlines for fitting and monitoring FM systems.ASHA,36(12)1-9
注)文献2では、先生の口元(音源から15cm)での平均会話音声レベルを80〜85dBSPLとしている。
★MTX-10pro搭載の適応型(adaptive)AGCとは・・・・・
今回、MTX-10proに搭載された適応型AGC回路は非常に動作が複雑で、コンポジット信号などの非純音音源によるFFT測定、周波数特性測定でないと真の特性は得られにくいようです。また、周波数測定前にFMマイクに入力された音によって周波数特性が変わるので、『「真の特性」とは何だろうか』ということを考え直させられます。
※AGC=Automatic Gain Control
(1)PC(ピーククリップ)とAGC回路補聴器の出力制限装置としては、通常、PCとAGCが用いられます。PC(ピーククリップ)は、ある音圧以上の音圧が出力されそうになると、その音圧レベル以上の音(波)をカットするという処理をします。AGC回路は、ある音圧レベル以上の音が入力されると、自動的にボリューム(利得)を下げるような動作をします。PCは、フィルターのようにあるレベル以上をカットしてしまうので、音が歪んでしまうという欠点を持ちます。しかし、処理に時間を必要としないという長所もあります。一方、AGCの場合、音が入力されてから、「強大音が入力された」という判断がなされてから、ボリューム(利得)が落とされる時間(=アタックタイム)がかかってしまいます。しかし、AGCはボリュームを下げることと同じ動作をしますので、音が歪まないという長所を持っています。
(2)AGC処理特有の問題点さて、強大音が入力され、AGCがかかった後、ボリューム(利得)が落とされたままだと、次の小さな語音について、ボリュームが足らなくなります。そこで、強大音の入力によって一時的に下げられたボリューム(利得)を元に戻さなくてはなりません。ここで、強大音が入って、ボリューム(利得)がズトンと落ち、その音がなくなったからと言って、すぐにボリュームを元に戻すと、聞いている補聴器装用者の耳からすれば、絶えず、ボリューム(利得)が上がったり、下がったりしていて、音がフワフワと聞こえる(このことをポンピング現象と呼ぶ)ということになってしまいます。そこで、一般的にAGCがかかってボリューム(利得)が下げられた後、徐々にボリューム(利得)を元に戻すようにAGC回路は設計されています。この元のボリューム(利得)に戻るまでの時間のことをリリースタイムと呼びます。リリースタイムが短ければポンピング現象を起こすし、長いと次の語音聴取に影響を与える事になってしまい、このことがAGC処理のやっかいな問題として残っていました。
(3)適応型(adaptive)AGCそこで、このリリースタイムを、強大音の持続時間によって自動調整しようと言うのが適応型AGCの主たる狙いです。長い強大音が継続した後は、リリースタイムが長くなるように設定され、瞬間的な強大音の場合は、リリースタイムが短くなるように設計されています。このことで、強大音入力を避ける・ポンピング現象・後続音に対する利得不足などの妥協をはかろうという考えです。MTX-10proに搭載の適応型AGCは、こ うしたリリースタイムの自動調整に加えて、AGCを掛け始める入力音のレベル=「この音以上であれば、強大音だ」と判断するレベルも自動調節できます。FMマイクを使用する場合、タイピンマイク(ラペルマイク)の位置によって、入力される音声レベルが変わってしまうことが問題となっていました。例えば、マイクの付け位置は口元から10〜15cmと指示し、先生が男の大きな声の先生ならば、送信側マイクのボリューム(GC)を下げるといった調整を経験的にやってきました。しかし、この方法では、話者が変わってしまってはかえってボリュームが足りなくなってしまう場合があるなどの問題もはらんでいたのです。そこで、MTX-10proでは、AGC動作開始レベル(このレベル以上になったら、AGC処理を開始せよという音圧レベル)を自動調整します。強大な入力音がある一定時間持続すると、「これはマイクが口元に近すぎる場所にある」と判断し、AGC動作開始レベルを70dBに落します。弱い入力音が続くか、電源を切ると、AGC動作開始レベルが、初期状態の80dBに復帰します。この機能は、MTX-10proが特定話者のためだけに使われる場合には不要です。このため、MTX-10proの電池ボックス内のディップスイッチ1番のスイッチによって、要・不要を切り替えられます。購入時は要(ON)になっていますので、特定話者であるか、かえって、この機能があると声が浮つくように感じると装用者が言う場合、ラウドネス異常が見られる装用者の場合は、不要(OFF)に設定して下さい。
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NGO活動
━━━━━━こんなにあったNGO活動 昨年度、国際ボランティア貯金による支援を受けたNGOの内、聴覚障害に関する援助をしているグループ、3つを簡単に紹介します。
1. フィリピン耳の里親会(北海道)
聴覚障害児教育の指導者等に対する指導、教育機器の配布など2. パレスチナ子どものキャンペーン(東京)
現地にスタッフを派遣し、聴覚障害児学校の運営、補聴器補装具の製作を行っている3. 新ユーゴ難民を助ける会(東京)
補聴器・集団発声練習装置等の配布、障害児のための施設の整備なお、NGOの活動状況については、郵政省のホームページでも紹介されている。
http://www.volunteer-post.mpt.go.jp
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講習会のご案内
━━━━━━━━聴覚障害児の学習指導 主催:ろう教育科学会 近年、早期教育、統合教育、高等教育の進展に伴ない、聴覚障害児の学力の向上が強く求められています。両親の願いと聴覚障害児自身の向上心に応え、いかに学力の向上を図るかは、この教育に携わる先生方や関係者にとって重要な課題であります。新任の先生方にとっても、中堅の先生方にとっても、日々の授業の展開、学習指導の実際は、この教育での専門性が強く要請されるところです。
こうしたことから、今回は幼稚部、小学部、中学部段階で、それぞれ優れた実践経験を持つ3人の講師をお招きして、学習指導と授業のポイントについて、共に学びたいと考えました。実践の場での一貫教育の必要性から、各発達段階での学習指導の実際について学ぶことは、有意義なことであると企画しました。
皆様の多数のご参加をお待ちしています。
1. 期日 1997年8月7日(木) 2. 会場 筑波大学 大学会館 特別会議室 3. 日程 ( 9:30〜10:00 受付) 10:00〜11:30「幼稚部における学習指導−授業のポイント」講師:松本末男 1)子どもとの気持ちの通い合い
2)話しかけのポイント(子どもに伝わるために)
3)各年齢段階の指導(3歳未満、3歳、4歳、5歳)
4)母親援助11:30〜12:30 昼食 12:30〜14:00「小学部における学習指導−授業のポイント」講師:中山哲志 1)話しことばから書きことばへ
2)能動的な学習態度を育むために
3)子どもの生活との関わりを意識した指導14:15〜15:45「中学部における学習指導−授業のポイント」講師:林園枝 1)「読む力」・「言葉の力」について
2)国語の授業の目的
3)聾学校における国語の授業7. 申込先 〒305 つくば市天王台1-1-1 筑波大学心身障害学系 四日市章
TEL・FAX:0298−53−47868. 申込方法 参加費:5,000円、申込締切:7月31日(当日消印有効)
申込み用紙をお送り下さい。受付次第、受講票をお送りします。
同時に、下記の郵便振替口座宛、参加費をお振り込み下さい。
原則として、参加費は当方の事情による以外はお返しできません。
手話通訳、要約筆記の必要の有無も、併せてお知らせ下さい。
◎参加費の振込先口座加入者名:ろう教育科学会
口座番号:00980−8−310105
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紹介
━━━NHK「聴力障害者のみなさんへ」で
「盲ろうの助教授・福島智さん」放送NHK教育の「聴覚障害者のみなさんへ」で、盲ろう者の福島智氏の1日が取り上げられる。福島氏は、「指点字で交信する日々:渡辺荘の宇宙人」の著者でもあり、また、昨年から、金沢大学教育学部聾学校教員養成課程の助教授として、後進の養成に勉めておられるとも伺っている。
放送は、7月20日(日)・27日(日・再放送)のいずれも午後7時40分〜55分までの予定。
聾学校教諭免許状 認定講習会開催情報
開催県 開催科目 開催日程 受講申込締切 兵庫県 聾教育 8月6〜8日 締切済み 兵庫県 聾心理 8月1・4〜5日 東京都 本質および目標について 7月28〜8月1日 東京都 社会的制度的経営的事項 8月6〜7日 東京都 心理・生理・病理 7月30日/8月8・20・21日 東京都 教育課程および指導法 8月11・18・19・22日 新潟県 静岡県 宮城県 障害児の心理・生理・病理 宮城県 障害児の教育課程・指導法 山形県 聾教育の本質・目標 7月29〜31日 山形県 聾教育の社会的・制度的・経営的事項 8月4〜6日 既に受講申込を締め切っている県があるが、そうした県は来年も同じような開講される可能性が高い県だ。来年の情報を早めにキャッチできるようにご準備を!。
・・・・・・・・・開催情報をお寄せ願います。
聴覚障害関係リンク先紹介
━━━━━━━━━━━━全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 http://pweb.aix.or.jp/~tadash-t/
滋賀県中途失聴難聴者協会 http://www.mediawars.or.jp/~machida/index.html
小野測器 http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/medical.html
トライアングル http://www.asahi-net.or.jp/~aq2t-ueym
全日本ろうあ連盟 http://www.deaf.or.jp/jfd/
「みみだより305号」の再掲
1.まずは、汗から守る・・・
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夏本番!
━━━━「汗」 対 策 特 集 2.補聴器を使わないときは必ず乾燥を
@ モイスチャーガード = ラップ状のもので補聴器をグルグルに巻き、補聴器に汗が侵入するのを防ぐ。市販価400〜800円。サランラップを細く切って巻けば同じ効果がある。しかし、一度、中に汗が入ると発散されにくくなるのも事実。
A 布サック(製品・指包帯・軍手) = 綿でできたサックを補聴器をかぶせるもの。
綿が外部からの汗を吸い取り、補聴器内部に汗が侵入するのを防ぐ。市販価2ヶで、400円。また、軍手の指を切って切り口をしぼったものを使う、あるいは、大きな薬局で売っている指包帯を使うこともできる。しかし、びちょびちょの布サックを巻いたままにするとかえって逆効果。乾燥剤にいれる際は布サックを補聴器からはずし、補聴器から汗が発散されやすいように気を使って!。
図は「音・きこえのノ−ト No.155」(奈良県立ろう学校・聴能部刊)より許可を得て転載。
汗対策は「とにかく乾燥させること」。上記の方法はあくまでも侵入を少なくする方法で、一度入ってしまった汗には逆効果。補聴器を使わないときは、一時を惜しんで乾燥させるべし。
@ いいシリカゲルを使う = 煎餅の袋の中のものなどを使わない。青々とした良いシリカゲルを調達する(調達法は前号参照)。十分な量(少なくとも100〜200g)をタッパの中に入れ、その上にティッシュを置き、その上に補聴器を置く。 A 持ち運び用シリカゲルにはダシ袋を使う上記の方法だと、持ち運ぶとシリカゲルがタッパの中で散ってしまう。そこで持ち運び用ケースにシリカゲルを入れる場合は、鰹節や茶葉を入れるダシ袋(下注)を使うこと。
但し、補聴器用電池は乾燥剤の中に入れないこと=寿命が短縮する
シリカゲルの調達法は、前号をご参照願います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ダシ袋はスーパーなどで入手可能。
参考:ダシ袋製造元:〒799-04 愛媛県伊予三島市寒川町4227 TEL:0896-74-6115
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新法誕生
━━━━━小学校・中学校教育職員免許状授与にあたって、
介護等体験を義務化「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律案」が議員立法で提出され、両院を通過した。
この成立に伴い、約8万人が、盲・聾・養護学校で体験をすることになる。盲・聾・養護学校が、全国で約1000校として、平均して各校80人の体験希望者が来ることになるが、一体、それだけの人数の体験希望者を果たして、少人数化が激しい聾学校が受け入れられるのだろうか?。仮に受け入れるとしても、たった2日でどのように体験させるのだろうか?。また、1校の在籍児が40人という学校が多くなる現状で、結局、学校の廊下を素通りする授業参観とか、遠足に一緒に付き合うようなことしかできないだろう。そうした体験が本当に必要なのであろうか?。
本当にこうした体験が必要なのは、こうした現状を理解していない、法案に賛成票を投じた人たちであるように思えてしようがない。
義務教育教員志顧者に対する介護等体験の義務付けに関する新制度案の概要
1.立法化「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律案」(仮称)を議員立法で提出
2.趣旨教員が個人の尊厳及び社会連帯の理念に関する認識を深めることの重要性にかんがみ教員の資質向上及び学校教育の一層の充実を図る観点から、当面、小学校及び中学校の教諭の普通免許状取得希望者に、介護等体験をさせること
3.制度の対象者小学校及び中学校の教諭の普通免許状を取得しようとする者:約8万人
「義務付けを免除する者」=
@教育職員検定に係る者/A介護等に関する専門的知識及び技術を有する者
B身体上の障害により介護等体験が困難な者(省令で具件的に規定)
4.介護等体験の内容等
(1)介護等体験の内容障害者、高齢者等に対する介護、介助、これらの者との交流等の体験
(2)介護等体験の実施施設盲・聾・養護学校又は社会福祉施設その他の施設
(3)介護等体験の時期及び期間
@ 「社会福祉施設その他施設」は、省令で規定するが、保育所を除き法令に根拠を有するほとんどすべての福祉施設(約9,000施設)や、老人保健施設(1,500施設) A 盲・聾・養護学校は、全国で約1,000校 18歳に達した後の相当期間→7日以上:省令で規定
(4)免許状申請にかかわる手続き(省令で規定)
(目途:少なくとも盲・聾・養護学校2日と、社会福祉施設5日の計7日)@施設は、教員になろうとする者が介護等体験をしたことを証明する書類を発行
A都道府県教育委員会への免許状の申請に当たっては、上記の証明書を提出
5.採用者の責務:採用に当たり、教員志望者の介護等体験を勘案するよう努める
6.関係者の責務
(1)国、地方公共団体及びその他の関係機関等:介護等体験が適切に行われるよう必要な措置を講ずるよう努めるものとする
(2)介護等体験が行われる施設の設置者:介護等体験希望者に必要な協力を行うよう努めるものとする
(3)大学等:学生の介護等体験が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとする
7.施行及び適用:平成10年4月1日から施行、平成10年度の大学等入学者から適用
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字幕付き映画
━━━━━━東映アニメフェア
日本語字幕付きプリント上映のお知らせ
4本立て: 「ゲゲゲの鬼太郎」「地獄先生ぬ〜ベ〜」
「たまごっち」「キューティーハニーF」尚,身体障害者手帳をご持参の方は,ご優待料金にてご入場いただけます。
大人・学生(高校生以上)1000円、中・小学生・幼児800円
また,付添いの方は一名様まで1000円にてご入場いただけます。お問い合わせ先 東映株式会社映画営業部 飯塚
TEL:03(3535)7179 FAX:03(3535)7186
上 映 劇 場 上 映 日 程 電話番号 FAX番号 札 幌 東 映 8月3(日)〜5日(火) 011(231)2568 011(231)2569 丸 の 内 東 映 7月26(土)〜28日(月) 03(3535)4741 03(3563)1777 横浜伊勢佐木町東映 8月2(土)・3日(日) 045(261)3800 045(253)6838 名 古 屋 東 映 7月30日(水)〜8月1日(金) 052(971)3440 052(971)4012 豊 橋 東 映 8月6(水)〜8日(金) 0532(53)0515 0532(53)0515 京都大宮東映 7月28日(月) 075(841)3714 075(841)3059 梅 田 東 映 8月7(木)・8日(金) 06(345)7096 06(345)7296 福 岡 東 映 8月7(木)・8日(金) 092(281)0757 092(281)0776 小 倉 東 映 8月4(日)〜5日(火) 093(521)5250 093(551)6080 上映時間は各館によって異なりますので、各館にご照会願います。
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新刊図書
━━━━━手は脳について何を語るか
手話失語からみたことばと脳 新曜社刊聾の手話使用者が脳損傷を起こした症例を取り上げ、音声言語と手話言語について、脳内での処理過程などを究明しようと試みた書。解明したいと試みている内容、そこから得られた知見など、わからなくない場所も少なくないが、全体として難解で、私も途中で投げ出してしまった。
Howard Poizner,Edward S.Klima,Ursula Bellugi著
河内十郎監訳、石坂郁代・増田あき子訳、4,200円。
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自費出版物増刷
━━━━━━━━ことばをもとめて 原田末子著
−ある聴覚障害者の成長記録−既報「みみだより320号」10ページ参照。
自費出版「ことばをもとめて」の初版本をもとに、間違いの訂正や、当時使っていた資料をイラストとして掲載する、一部文章も書き入れるなどの追加をした新版が作られた。初版は全国からの御注文をいただき、多くのお母様などからのお手紙を頂戴することにもなったと作者の原田様より伺った。もし、まだお読みでない方がおられたら、下記にご照会いただきたい。1冊1200円。自費出版なので、下記に郵便にてご照会下さい。
〒714 岡山県笠岡市大宜648−27 原田末子様 TEL/FAX:0865-66-0193
ミニ ニュース
★ダイエーがコミュニケーション・ハンドブックを作成
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ダイエーは全国376の直営店で「聴覚・言語障害のお客様とのコミュニケ−ションサービス」を始めた。売場の全従業員が、補聴器・筆談・手話・口話のコミュニケ−ション手段について理解を深められるよう、「コミュニケ−ションハンドブック」を作成し、対応の向上をはかる。
★オーティコン親会社がホニックイヤ社を買収
アメリカで古くからFM補聴システムを開発・販売してきたホニックイヤ社が、オーティコングループに買収された。ホニックイヤ社は、以前からオーティコン社とつきあいがあり、アメリカではホニックイヤ社の耳かけ形FM補聴器の販売にオーティコン社の販売ネットワークが使われるほどであった。
★WIDEX社がSensoのCICタイプを発表
フルデジタル補聴器として斬新な機能を盛り込んだWIDEX社のSensoのCIC形(完全耳挿入形)が、アメリカのAAAコンベンションで展示された。
★アメリカ・ディズニーランドが聴覚障害者配慮を開始
アメリカ・ディスニーランドでは、パビリオンなどに、字幕・補聴援助システム・手話通訳者を配備することとなった。
★Danavox社Danasound耳かけ形補聴器、フランスで受賞
Danavox社のDanasound、デジタルプログラマブル耳かけ形補聴器が、フランスのデザインセンターから、Janus賞を受賞した。
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新製品情報
━━━━━━セイコーヒヤリングシステム 708シリーズ セイコーヒヤリングシステム(株)は、新たに708耳かけ形シリーズを発売開始した。708シリーズは下記の3器種。708P K-AMP・708ATC・708P-AI。
708P K-AMPは、K-AMP搭載。コンプレッションを広帯域でかけるか、TILLでかけるかが選択可能。 NH/TK/FT/GCトリマ付。
708ATCは、adaptiveAGC(適応型AGC)搭載の機種。NH/NL/PCトリマ付。
708P-AIは、プッシュプル増幅回路・PC/AGC回路搭載。NH/NL/AGC/PCトリマ付。
708P K-AMP 125,000円
708ATC 125,000円
708P-AI 110,000円
右図は708P-AIの特性。
詳細は下記までご照会を。
セイコ−ヒヤリングシステム株式会社。
〒113 東京都文京区湯島2-31-6 フリーダイヤルFAX:0120−332834。
会誌等紹介
★「難聴者とパソコン通信」野下和子 リハビリテ−ション誌 395号 p.22-25
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野下さんは育児をしている聴覚障害母親のためのネットを主宰中。そうした立場でパソコン通信を始めた頃から今までのことを振り返って書かれたもの。
発行元:鉄道身障者協会 FAX:03−3264−4824
★「相互理解のための一歩を」ナーシング・トゥデイ,12(4)49,1997
聴覚障害をテーマにした漫画の原作を書いた倉嶋果林さんを紹介。倉嶋さんは、筑波技術短期大学の卒業生。
発行元:日本看護協会出版会、FAX:03−3499−5943。
本体価格777円、送料137円、消費税46円の合計960円を下記に送金すれば入手可能。
〒150 渋谷区神宮前5-8-11 日本看護協会出版会
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