2004年2月23日・3月8日発行合併号(第2・4月曜日発行)
News Source of Educational Audiology
聴能情報誌 みみだより 第3巻 第471号 通巻556号
編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
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立入 哉 :h-tachi@js2.so-net.ne.jp
トライアングル勉強会「聞こえない子どもの高等教育のために」
国際学会開催:聾教育国際会議と世界難聴者会議
作品募集:第42回リハビリテーション懸賞作品募集
衛星劇場:日本語字幕入り映画放送
「高齢者用に副音声」日本経済新聞2004年1月13日掲載記事転載※
「音の聞こえ方標準データ」日本経済新聞2003年10月23日掲載記事転載※
特集「現代補聴器講」(※ホームページでは公開しません)
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特 集「 現 代 補 聴 器 講 」(※ホームページでは公開しません)
本号から連続して「現代補聴器講」をお届けします。補聴器に関するテキスト,教科書は良書が少なく,私が担当している補聴器に関する講義でも自主教材を使用してきました。今号からの「現代補聴器講」は,私の大学での「講義ノート」そのもの(ですから,一講義ごとに「試験」もあります)です。実際の講義ではOHCで学生さんに見せる実物は写真に収め,さらに「講義ノート」を基に,「授業時間に余裕があったら話しておきたい」または「指導者のための追加のページ」を設けました。内容が細かい反面,誤っている箇所があるでしょうし,追加すべき事項もあろうと思います。ぜひぜひそうした点をお教えくださいますようお願い申し上げます。(現時点での印刷物には誤りなどがある可能性があります。筆者の許可なく,複数部以上のコピーを取り,学生の教材に用いることを禁じます。将来的に1冊にまとまった時点でご利用願います。一方で,研修を行った後に,本テキストの問題点,誤り,表現がわかりにくい箇所などを報告していただくことを条件に,聾学校,難聴幼児通園施設等々の教職員が研修のためにコピーを取ることを歓迎します。)
トライアングル勉強会のご案内
「聞こえない子どもの高等教育のために」
講 師 大沼直紀先生(筑波技術短期大学学長)聴覚障害をもった子どもの将来にとって,高等教育はとても大切なことです。筑波技術短期大学は,聴覚障害と視覚障害の学生のために設置された全国で唯一の3年制の国立大学です。そこでは専門性をもった高等教育と技術指導を進め,学生の就職率は高く,社会的にも評価されています。学長でいらっしゃる大沼先生は,永年トライアングルの補聴指導に携わっていただいています。また,筑波技短は3年制の短期大学として設立されたため,予算や定員が抑えられて体制がまだ充分ではありません。先生はより良い教育の場にしていくことを願って,4年制大学にすることを目指しています。今回は,高等教育の実情や大学における手話や要約筆記による情報保障の大切さなどについて,幼稚部から大学生まで聴覚障害児の永い教育経験の中から,お話しいただきます。小さいお子さんをお持ちのご両親,高等教育に関心をお持ちの親御さん,中高生の本人たち,聴覚障害の教育関係や福祉関係の方々,ぜひご参加ください。
日 時 2004年4月24日(土)午後3時〜4時半
☆勉強会終了後,大沼先生を交えて懇親会(軽食を用意)を行いますので,ぜひご参加ください(会費別途 1000円)場 所 全国心身障害児福祉財団ビル4階会議室(東京都新宿区西早稲田2−2−8)参 加 費 500円(資料代)情報保障 手話通訳とパソコン文字通訳申込方法 前もって参加者のお名前・住所・電話・FAX・立場(親・専門家など)をトライアングル事務局までお知らせください。
懇親会の出欠もご記入ください。
申 込 先:トライアングル TEL/FAX:03−3203−9938
メールアドレス:aq2t-ueym@asahi-net.or.jp
※トライアングル会員に限らずどなたでも参加できます。
国際学会開催聾教育国際会議と世界難聴者会議 20th International Congress on the Education of the Deaf第20回聾教育国際会議会 期:2005年7月17-20日会 場:オランダ Maastricht のコンベンションセンター重要な日程:2004年12月1日 一般発表の締め切り
2005年3月1日 早期申込期限(参加費割引)
2005年5月17日 宿泊機関予約保証期限
なぜか公式ホームページ http://www.iced2005.org にいくと,自動的に http://www.iced-2day.org/ にジャンプする。補聴器や人工内耳メーカーといったスポンサー企業等々のページにジャンプできるが,ICEDに関する情報はほとんどない。
7th IFHOH World Congress in Helsinki, 4-9 July 2004,第7回世界難聴者会議
会期:2004年7月4-9日会場:フィンランド フィンランディアホール
下記のホームページから参加申込みが可能補聴器やそのフィッティング,耳鳴り,難聴者のアイデンティティに関するセッションなど,難聴関係の様々な話題が討議される。また同時に Danavox や Oticon 主催のシンポジウムも開催される。
全難聴では会議参加ツアーを募集中。
インドネシア ユネスコ大学教授イシザカヒサヨシ先生が「途上国における難聴予防策」について講演するほか,鈴木淳一先生も演者に含まれている。
作品募集第42回リハビリテーション懸賞作品募集
課題【旅と障害者】
世の中が国際化されるなか、障害者も国内のみならず、世界各国をまたにかけて旅をする人が年々増えています。しかし、障害者にとって旅を楽しむにはまだまだバリアが多いのが現実です。そこで、旅の途中で出会ったバリアフリーの状況、バリアを乗り越える際の援助等目にしたことや体験から、障害者が旅を楽しむためには、どの様であるべきかなど、あなたの意見や提言をお願いいたします。
賞 金: 一位(10万円)1編,二位(5万円)1編,三位(3万円)2編応募資格: 福祉に関心のある方枚 数: 400字詰め用紙10枚・たて書き、別紙にタイトル・住所・氏名(ふりがな付き)・性別・職業・年齢・電話番号・障害者の方は障害状況を書いてください。募集締切: 2004年5月31日(当日消印有効)入選発表: 2004年10月下旬そ の 他: 一人一編、未発表のもの。応募原稿は返却しません。著作権は当協会に帰属します。なお過去の優勝者は除きます。匿名はお断りします。原稿送付先: 〒102-0083 東京都千代田区麹町5−1
社会福祉法人 鉄道身障者福祉協会 TEL:03−5276−0360
衛星劇場日 本 語 字 幕 入 り 映 画 放 送
4月 ハッシュ!
眠狂四郎 殺法帖
棒たおし!
男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 4日(日)AM 7:00〜
11日(日)AM 7:00〜
18日(日)AM 7:00〜
25日(日)AM 7:00〜
字幕入り放送へのご意見/リクエスト等は 衛星劇場編成部まで FAX:03-5250-2324
受信に関する照会は,パーフェクTV FAX:03-5802-8438か,上記衛星劇場まで。
衛星劇場 http://www.eigeki.com/
衛星デフシアター http://www.eigeki.com/smsvc420.html
関連学会,研究会誌 Contents★Hearing 24(4)2003「Introduction− Earmold Technology」Chester Z. Pirzanski, B. Sc. 263-264「Ear Canal Anatomy and Activity」Robert T. Oliveira, Ph.D., and Gregory Hoeker 265-276「Abnormal Anatomy of the External Auditory Canal: Special Considerations for Making Earmolds」Robert T. Sataloff M.D., D.M.A., and Sandy Markowitz, M.A. 277-280「Custom Earmolds: Art and Science(Mechanical Design)」Karl Cartwright, A.A. 281-287「Chemistry and Rheology of Otoplastic Materials」
Vasant V. Kolpe, Ph.D.,and Robert J. Oliveira, Ph.D. 289-298「Earmold Acoustics」Mead C. Killion, Ph.D. 299-312「Physical Options for Custom Hearing Aids」Gail I. Gudmundsen, Au.D. 313-322「Ear Impressions for the New Laser Shell Technology」Chester Z. Pirzanski, B. Sc. 323-332「The Occlusion Effect and Ampclusion Effect」
Robert W. Sweetow, Ph.D.,and Chester Z Pirzanski B.Sc. 33-354★聴覚障害教育工学 27(1)2003「聴覚障害生徒を理解するための学習教材作成と活用に関する研究」永野哲朗 2-9「聴覚障害児のコミュニケーション手段の選択と指導法について」山之内幹他 10-27「我が国の聾教育における言語指導法及びコミュニケーション手段の歴史的考察」
小畑修一 28-94★AUDIOLOGY JAPAN 46(6)2003「聴覚検査法(2003)1,オージオメータによる純音聴力(閾値)レベル測定法」601-620「聴覚検査法(2003)2,語音聴覚検査法」621-637「聴覚医学会用語集」638-673
新刊図書紹介★聴覚障害者が見たアメリカ社会しみずよりお著 現代書簡 2200円 4-7684-3438-X★錯覚の世界 古典からCG画像までジャック・ニニオ著 鈴木光太郎・向井智子訳 新曜社 3800円 4-7885-0888-5★ADHD(注意欠陥/多動性障害) 治療・援助法の確立を目指して上林靖子他著 星和書店 1600円 4-7911-0527-3★「障害児なんだうちの子」って言えたおやじたち町田おやじの会著 ぶどう社 1500円 4-89240-171-4★自閉症児の育て方:笑顔で育つ子どもたち渡部信一編著 ミネルヴァ書房 1600円 4-623-03979-X★東京の福祉白書:首都東京の福祉実態と区市町別福祉水準高橋紘一他編著 東京自治問題研究所監修 萌文社 2400円 4-89491-051-9★特別支援教育とこれからの養護学校藤井聡尚編著 ミネルヴァ書房 2800円 4-623-03984-6★図解知的障害児の認知と学習 特性理解と援助梅谷忠勇著 田研出版 2000円 4-924339-97-0★LD・ADHDが輝く授業づくり見晴台学園研究センター編 クリエイツかもがわ 2000円 4-902244-16-0★調べて、まとめて、コミュニケーション 光村の国語1:ことばの不思議ベスト20森山卓郎監修 光村教育図書 2800円 4-89572-726-2★視覚障害者の自立と音楽:アメリカ盲学校音楽教育成立史岡典子著 風間書房 11500円 4-7599-1410-2★ダウン症者の思春期と性カナダ・ダウン症協会編 阿部順子訳 同成社 1200円 4-88621-288-3★自閉症児のための絵で見る構造化:TEACCHビジュアル図鑑佐々木正美監修・指導 学研 1900円 4-05-402186-7
お知らせ鳥取県立鳥取聾学校ひまわり分校のファックス番号の変更 (旧)0859−23−2810
(新)0859−23−2813
ひとこと世の中に「バカ」という言葉があって良かったと思うことがある。「バカ」としか表現できない人を知ったとき,「あぁ『バカ』と言えて良かった」と思うことがある。とはいえ,「バカ」と言っただけでは済まないことが起きている,そのことの深刻さに愕然とすることがある。
1.「イスラエル ハマス指導者暗殺」シャロン首相はバカだ。テロを力で封じ込められると思っているとするならば,余りに知恵がなさすぎる。国連のイスラエルに対する非難決議案に拒否権を行使したアメリカもバカだ。アメリカばかりに追従する小泉首相もバカだ。「日本国民はテロに屈しない」などという発言もバカらしい。テロに屈するとか,屈しないという低次元の話ではなく,テロを起こす側には起こす側なりの論理があり,正義があるのだから,テロを起こさざるを得なくなってしまった政治的状況をどう改善するべきかを考えるのが「智」の途であり,憲法第九条を擁する日本国民の途であると私は思っている。ブッシュ大統領のように武力をもって,力でねじふせることは,強者には実に簡単なことである。しかし,そこに力を持たない弱者がいることを忘れてはならない。弱者の存在を正しく認める政治はテロリストを誕生させない。そういう政治を目指すことこそ,日本の使命ではないか。他国に軍隊を送ることだけが,平和実現の手法ではない。
2.「養護学校生徒も壇上で卒業証書授与」東京都教委はバカだ。世はマニュアル世界と化した。こうしたらよい,こうすべきだとのマニュアル,通達のたぐいが氾濫し,それをなぞって行動することが良しとされる世となってしまった。大手ハンバーガーチェーンに行けば,いつも同じ声掛けがあり,近所のスーパーに行けば,時節を問わず同じ挨拶がなされることが美しいとされる。マニュアルのおかげで私たちは本当にバカになったと思う。自分で考え,あるいは自分で操作してみて,自分で発見する楽しみを奪われてきた。そんな中で東京都教委は卒業式実施のマニュアルを作成し,君が代,国旗に続いて,卒業証書の授与方法まで定めたマニュアルを盲・聾・養護学校に配布した。そのマニュアルに「卒業証書の授与は壇上で行うべき」と書かれていたという。それにただ自ら考えることなく,従わなくてはならないと考えた校長の学校では,今まで同じ平面で授与を行っていたが,今年から車いすに乗ったこどもたちも,スロープを使い介助者の手で壇上に上がり,授与を受けた。卒業式の主体は誰なのか。誰のための卒業式なのか。国歌や国旗を歌うも,揚げるもどうでも良い。さらにどこで証書を授与されるべきかなどということは,末節のことで,壇上にあがるときに右足からあがるか,左足からあがるかということと同様に,本質ではないことなのだ。何が必要で,そこの場は誰のために,何をしなくてはならないのかが理解できず,ただ表面的形式さえ整えば満足できるというバカな判断が横行することは実に残念なことである。マニュアルに慣らされた人間は自ら考えることをしない。そのことが一番恐ろしい。