1997年11月10日発行(第2・4月曜日発行)
聴能情報誌 みみだより 第3巻 第333号 通巻418
編集・発行人:みみだより会、立入 哉 〒790−0833 愛媛県松山市祝谷5丁目2−25 FAX:089-946-5211
購読料照会・新規購読申込・記事内容照会などは、郵便かFAXでお問い合わせいただくか、
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立入 哉 h-tachi@ma4.justnet.ne.jp
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ペーパーメディアによる「みみだより」購読のお誘い
記事訂正332号で、以下の講座の受講料が昨年度の受講料となっていました。
4,700円の表記ですが、→5,400円の間違いでした。
愛媛大学公開講座「聴覚障害幼児の教育とそのアプローチ」
愛媛大学公開講座「最重度難聴児の聴覚補償」
申し込みは、80円切手を貼付の返信用封筒および受講料 5,400円(国庫納付金)を添えて、教育学部学務係(〒790-77 松山市文京町3 電話:089-927-9377)へお申し込み願います。
【目次】第333号
- イヤモ−ルド奮戦記
- 製品紹介「テレホン トークフリー アダプタ SONY TL-7」
- 字幕付き映画会「GAMA 月桃の花」
- テレビ「君の手がささやいている」がテレビドラマ化
- 電子情報通信学会 教育工学研究会(ET)
- 学会誌紹介「音声言語医学 38(4),1997」
- 字幕放送:改正放送法施行、地方で字幕入り番組増える
- 展示会開催:CD-ROM 「真耳」
- 手話音声対話システムの初期バージョンを開発※
- ニュース:松下「発声発語訓練システム」がバージョンアップ
- 新製品情報:スタ−キ− プログラマブル補聴器を発売開始
- 舞台劇「 children of a lesser God 」
- 補聴援助システム「キッズプラザ大阪の赤外線補聴システム」
- 「赤外線システムに 2ch送信システム誕生」
- 衛星劇場:聴覚障害者向け字幕入り放送
- 字幕入り映画:「もののけ姫」を字幕付きで観ませんか?
- 字幕放送:同封の「黄色いハガキ」運動にご協力を
- 第3回 International Forum'98 開催のお知らせ
※電子情報通信学会誌 80(9)1001,1997より学会の許諾を得て転載した記事です。著作者にインターネット上での公開を求めていないため、掲載できません。ペーパーメディア「みみだより」をご請求下さるか、直接、学会誌をお買い求め願います。| NEXT | BACK |「みみだより」ホームページ |
イヤモ−ルド奮戦記(4)
イヤモ−ルドにまつわる奮戦記を募集しています。電子メールでの投稿も歓迎します。今回は、私が筑波時代に相談をお受けしていたお母様から頂戴したハガキを紹介します。
いつも「みみだより」を読んでいます。
以前、イヤモ−ルドのことで、立入先生に御相談したら、D先生のイヤモ−ルドを紹介されました。ちょうど、D先生が地方に来られる機会があったので、その時、D先生に直接、採型していただき(お話しは聞いていたのですが、ちょっと緊張しました。しかし、子どもの耳型を採るのに慣れていらっしゃるのか、息子Rも静かに採られていました)、それ以来、1年もハウリング無しで使えていました。1年ほど経った頃から時々、ピ−と鳴るようになったので、地元の聾学校に出入りしている業者さんにイヤモ−ルドの作成をお願いしました。しかし、良くなるどころか、新しいイヤモ−ルドの方が、ハウリングが止まらないのです。再・再・再・再作してもらいましたが、やっぱりハウリングして、「まぁ、しかたないか」とあきらめていました。その後、半年ほどしてから、さすがにピ−という音が止まらなくなったのと、補聴器のチェックのこともあり、立入先生のところに行き、採型してもらいました。D先生が作られたイヤモ−ルドが送られてきて、つけてみると、ハウリングしない。Rの耳を何度も見て型採った所のがハウリングして、立入先生に型採ってもらい、それも1回とってもらっただけで、ハウリングしない。納得できないナァと思いました。こちらで頼んだ業者に文句の一つも言いたい気分でした。聾学校の出入りの業者さんでもまだまだ技術がないんだなぁと、これ以来、立入先生に紹介してもらった業者さんで作ってもらい、その後はRが大きくなったこともあり、うまく使えています。「みみだより」を読んでいる皆さんも、聾学校に出入りしている業者さんだと信頼しないで、他の業者さんも紹介してもらったらよいのにと思います。私は巡り合わせが良かったと思っていますが、そうではない人も多いのでは?と思うので、ぜひ私の体験を話したくて書きました。
引き続き 「イヤモ−ルド奮戦記」を募集中
過去のいやな思い出、こんなことで解決できた、信じられない無関心!などなど
イヤモールドにまつわる様々な体験談の応募をお願い申しあげます。匿名可。
製品紹介テレホン トークフリー アダプタ SONY TL-7
主な機能
1.両手を空けて、通話ができる・・・・ 電話での手話通訳に有効 2.録音アダプタとして使用できる・・・ 電話での会話を録音することができる 3.電話の音声を補聴器に流すことができる ・・・ 電話での会話を明瞭に聞くことが可能
特に、3の機能は、応用が可能
例えば、電話での会話音をアンプに通し、ヘッドホンで聞くことで、明瞭でかつ大きな音で聞くことができるようになり、補聴器を使わない状態で電話コミュニケ−ションの練習ができるなど・・・。
製品の照会は、ソニー株式会社:〒141 品川区北品川6-7-35 TEL:03-3448-3311まで
字幕付き映画会「GAMA 月桃の花」
沖縄戦終結50周年記念作品、文部省選定。
日 時 11月15日(土)14時からと18時から 会 場 生野区民センター 入場料 大人 1,700円、高校生以下 1,000円、身障者 1,000円 照会先 GAMA関西(TEL:06-934-8876)
テレビ「君の手がささやいている」がテレビドラマ化
軽部潤子さん原作のコミック「君の手がささやいている」がテレビドラマ化されることになった。主役の武田美栄子役に菅野美穂、野辺博文役に武田真治があたる。
放送は、12月15日から、テレビ朝日系列で、20:00〜21:54。
また、「君の手がささやいている」は映画化も検討されているとのこと。
(足立ろう学校「聴言通信 第11号」より許可を得て転載)
研究会開催日本聴覚障害・教育工学研究会共催
電子情報通信学会 教育工学研究会(ET)
日時: 11月22日(土)10:00〜17:00 会場: 機械振興会館 地下3階2号室(東京タワー東下) 議題: −障害児(者)・特殊教育−
3. 補聴用狭指向性スピーカシステムの開発と
それによる高齢者のテレビ音声聴取効果の評価
大沼直紀(筑波技術短大)、小浦哲司・田名部教彦・小西周平(松下電子部品)
土肥裕司・石川孝志・佐伯徳夫(松下電器)4. 聴覚障害学生のためのリアルタイム字幕提示システム(3)
小林正幸・西川俊・石原保志・高橋秀和(筑波技術短大)5. 聴覚障害者における移動体通信の利用に関する検討
内藤一郎・及川カ・松井智・櫻庭晶子・斎藤まゆみ・村上裕史・石原保志・
加藤伸子・清水豊(筑波技術短大)9. 盲ろう者によるコンピュータネットワーク利用の可能性と課題
小田浩一(東京女子大)・小林厳(東北大)・加藤晴喜(日本医療福祉専門学校)
中澤恵江(国特研)・福島智(金沢大)・門川紳一郎(大阪盲ろう者友の会)
矢田礼人(東大)10. 手話電子化辞書によるインターネット上のコミュニケーションに関する基礎検討
亀井了・小島隆史・長嶋祐二(工学院大)
学会誌紹介音声言語医学 38(4),1997より
★ 「高度難聴を有する一重度精神遅滞児の長期経過からみた補聴器の効果」
田中美郷他 344-356★ 「日本手話の単語の認知に関する一考察」福田友美子 366-369
字幕放送10月1日より改正放送法施行、地方で字幕入り番組増える 今年5月14日、参議院での放送法一部改正案の可決により、全国の放送局について、文字多重放送による字幕放送などの補完放送を文字放送免許がなくても放送できるようになりました。この可決を受け、10月1日より改正放送法が施行となり、東京・大阪などでのみ行われていた民放各局の字幕放送が、その他の地域でも放送できる環境が整いました。これで、民放字幕放送の地域格差が縮まる法的条件は整いました。下記のように早速、字幕放送を始めた局もあります。一方、依然として字幕放送が行われていない地域は、その地元放送局に字幕放送を送り出す装置がない場合があります。もし、字幕放送が行われていない局がありましたら、編集部にお知らせいただくと同時に、その放送局に早期の字幕放送開始を嘆願してみましょう。この際、番組の地元スポンサーに嘆願することもお忘れなく! なお、各地域の字幕入り番組放送の状況は、地元大型電器販売店へ! 地元各局の字幕入り放送の一覧などの資料を用意しているお店が多いようです。
SBS(静岡放送テレビ)の場合・・・・
「水戸黄門」月曜 20:00〜20:54=10月3日より毎週字幕入りで放送
「月曜ドラマスペシャル」月曜 21:00〜22:54=10月13日より字幕入り(不定期)
花王「愛の劇場」月曜〜金曜 13:00〜13:30=11月3日より毎日、字幕入りで放送
照会先:SBS静岡放送テレビ編成部(石村様)FAX:054−284−8982
もっともっと字幕入り番組を増やすために!
字幕入りの番組をご覧になったら、
各放送局とスポンサーに、お礼のハガキを送ろう!
展示会開催CD-ROM 「真耳」 オーディオフェアにて 11月19日(水)から23日(日)の間、池袋サンシャインシティ コンベンションセンターにて、「オーディオフェア」が開催される。この会場で、「みみだより330号」で紹介した聴能力トレーニングシステム「真耳」の展示が行われる。「真耳」は聴者を対象とした聞こえのトレーニングシステムだ。補聴器に携わる者にとっても「耳の訓練は大事だなぁ」と思えるシステムだ。入場料 1,000円がかかる。
なお、「真耳」にMacintosh版が出た。価格・主な機能は Windows版と同じ。
照会先:日東紡音響エンジニアリング 〒130 墨田区緑1-13-12 FAX:03-3634-5353
ニュース松下「発声発語訓練システム」がバージョンアップ 聾学校・難聴学級等に導入されている従来機種「発発訓」が新しくなった。
まず、パソコンがDOS/V(Pentium100MHz以上推奨)になったこと。このことで、画面の見やすさが数段に向上、その他、5個のセンサーと10個のパラメータを組み合わせた複合訓練が可能になったこと、これにより波形練習・アニメ訓練に加え、マルチ訓練が可能になっている。様々なパラメータを個人ごとに管理できる「環境プリセット機能」や、「フォルマント抽出表示機能」などの機能追加も行われている。システム構成もより合理的になり、DOS/Vパソコンの拡張ISAバスに接続するDSPボード、センサーアダプタWH9610を中心に、必要なセンサーを組み合わせることで、システムが組めるようになっている。
もっともシンプルなシステム例
DSPボードとセンサーアダプタ WH-9610 650,000円 センサー一式(呼気流・マイク&鼻・声帯)WH-9551A,9552A,9553 250,000円 マイク/ケーブル/スピーカなど周辺機器 36,300円 かんたんソフト 50,000円 合計 986,300円 これに動作可能なDOS/Vパソコン(HDD 350MB以上の空きが必要)が必要。
必要に応じて、現地立ち上げ費(50,000円)、インスト費用(1回50,000円)がかかる
詳細は、松下通信工業(株)AVシステム事業部 営業部 教育マルチメディア課
〒224 横浜市都筑区佐江戸町600 TEL:045-939-1742 FAX:045-936-0509
Extend-Ear、福祉対応価格で販売中 FM補聴器が福祉法での交付が可能になっているが、この場合、福祉価格での購入が可能。耳かけ形FM補聴器(Extend-EarRX)155,700円、FM送信機(MTX-10pro)42,300円。
新製品情報スタ−キ− デジタル・プログラマブル補聴器を発売開始 スターキージャパン(株)が、従来のアナログ補聴器に加え、デジタル・プログラマブル(アナログアンプ)補聴器の発売を開始した。noahベースのフィッティングソフトを用い、HI−PRO経由で、プログラミングする仕組み。フルシェルタイプの「カスタムイヤ」、カナルタイプの「イントラ」、CICタイプの「ティンパネット」の3器種について、従来の回路に加えて、デジタル・プログラマブル回路が増えたというような構成になっている。うれしいことに、従来の回路の製品に+1万円で、デジタル・プログラマブル回路になるので、聴力が確定するか/しないかという幼児期3歳ぐらいから、耳あな形での補聴が検討できる可能性が出てくる。
価格例: 「シークエル」回路、「カスタムイヤU」+「2年保証」の場合 従来回路「シークエル」・・・・・・・・・・・・・・ 200,000円 デジタル・プログラマブル回路「シークエル」・・・・ 210,000円 なお、スターキー社の「2年保証」には、期間内の1回の紛失時同一製品無料、修理無料、シェル交換無料が含まれている。その他、「3年保証」「4年保証」も有償ながら用意されている。子どもの場合、シェル交換や修理が多くなるが、保証制度を上手に使えば、コスト的には耳かけ形補聴器と同じか、耳あな形補聴器の方が安くなる場合もある。
また、スターキー社は、PFS(プロフェッショナル フィッティング システム)の販売も開始した。これは、今はやりの複合測定装置で、PFSのセットで、インサ−トイヤホンによる聴力測定/CDプレーヤによる語音聴力測定/2ccカプラ等による補聴器周波数特性/プローブチューブによる実耳特性測定/ラウドネス測定評価/HIPROまたはプロコネクトによるデジタル・プログラマブル補聴器の調整/noahによる難聴児者の上記データの管理ができるようになっている。基本的性能は、SiemensのUnity、DanavoxのAuricalなどと同じ。今秋、某所の難聴幼児通園施設がDanavoxのAuricalを導入した。今後、こうした複合測定機の導入が進んでいくと思われるが、この選択肢に加えられる1台だ。なお、PFSの心臓部 PFS6000は、Rastronicsの筐体やREM部品を使ったWindows95内蔵のコンピュータになっていた!
【用語解説】
デジタル・プログラマブル(アナログアンプ) 従来の補聴器が、調整と増幅をアナログ回路によって行っていたが、デジタル・プログラマブル補聴器は、調整部のみデジタル化し、増幅部はアナログ回路を用いた補聴器。これに対し、OticonのDigifocusなどは、増幅部もデジタル化した「ピュア・デジタル補聴器」。調整部をデジタル化することで、補聴器に多くの調整装置を組み込めたり、それぞれの調整装置の調整幅を大きくとることができたり、調整状態をメモリに記憶させることができるようになる。 HI−PRO デジタル・プログラマブル(アナログアンプ)補聴器とコンピュータとを接続するためのインタフェース(媒介装置)。多くの補聴器メーカーが規格を統一しており、HI−PRO対応の補聴器であれば、メーカーを越えて、補聴器とコンピュータとを接続できる。HI−PROの販売は各補聴器メーカーで取り扱う。接続コード、アダプタなど込みで 120,000円程度。また、DANAVOXのAuricalのように、HI−PROが内蔵されている複合測定器もある。購入の際、ご注意を。 ノ ア
noahベースアメリカHIMSA社が提案した補聴関連ソフトの統一基本ソフト。顧客のデータを一括管理できたり、noah上にインサ−トイヤホンによる聴力測定などの機能を載せることができる。最近、日本語版が発売開始となり、各メーカーから供給されている。noahソフトは基本ソフトであり、どのメーカーからの供給を受けてもソフトは共通である。実際は、noah上に聴力測定用ソフトとか、補聴調整用ソフトを載せる必要がある。これら上に載せるソフトはオプションとなり、各補聴器メーカーが独自に作ったソフトをインストールすることになる。
日本語版noahソフトは、下記で扱っている。原則として、各補聴器メーカーを通じての購入になるらしい?。
メイトリックス社(TEL:03-5689-3535)、定価:アフタ−サポ−ト付き 160,000円「アフタ−サポ−ト無し」のnoahソフトは、メイトリックス社で扱っていない。各補聴器販売店等と販売形態については、交渉が必要な様子?。
ご案内舞台劇「 children of a lesser God 」
邦題「ちいさき神の、作りし子ら」。大阪市立聾学校の卒業生が手話指導を担当。
日 時: 12月5日 19:00〜、6日および7日 14:00〜 会 場: ピッコロシアター(阪急 塚口駅下車徒歩8分・JR 塚口駅下車徒歩5分) 料 金: 2,800円(ペア/パ−ティ/学生チケットなどあり) 照会先: オクト企画(TEL&FAX:06−432−7654)
補聴援助システムキッズプラザ大阪の赤外線補聴システム
キッズプラザ大阪は、大阪の中心地北区に7月、子どものためのミュ−ジアムとしてオープンした施設だ。施設の紹介文によると、『遊びの要素を豊かに盛り込み、展示とワークショップを結合した遊体験の学習空間を目指しています。参加した子どもは実際に、自分の手で触り、見て、聞くという体験の中で、こ<自然に学んでい<ことになります。「驚き、感動し、不思議に思う心」というテーマのもとに知的好奇心や創造性、また、異文化との交流や相互理解、自然や宇宙の理解と共生、文化の伝承と創造といった課題を育んで行こうという空間です。』ということだ。 この施設の考えの中に「ノーマライゼーションの重視」というテーマも掲げられており、難聴者に関しては赤外線補臆システム(一部有線システム)か導入されている。全館ではないものの、聴覚的要素の高いスペースやコミュニケーションが必要とされるスペースを中心に設置されている。例えば、「わいわいスタジオ」というテレビスタジオやアフレコの収録を行う「音響スタジオ」、そして、映像シアターの「キッズプラザシアター」などに設置されている。設置されているスペースの入口には、耳マークがつけられている。 ガイドブックの表記
広がる赤外線補聴システム 音質がよい/広い年齢層で使える/使用法が簡便など、いくつかの利点を持った赤外線システム。このシステムを導入する施設が増えている。95年は、埼玉県ふれあいの里「どんぐり」など10施設、96年は名古屋市の芸術創造センターなど19施設、97年は7月までに9施設が導入を実現した。主な導入先は、東北福祉大学ホール、府立上方演芸資料館「ワッハ上方」、名古屋市リハビリテ−ションセンター、キッズプラザ大阪(上に紹介)などである。
こうした動きを支援しているのは、難聴の補聴器使用者や人工内耳装用者。赤外線システムの音質の良さを多くの方が語る。10月18日の京都でのフィッティング・フォーラムの際、人工内耳を装用されている成人の方に、事前に「使用希望の情報補償システム」をお知らせ願ったが、最も希望が多かったのが「赤外線」、次いで「要約筆記」、そして第3位が「ループ」だった。「赤外線」システムの音の自然さは、多くのファンを育てつつある。
補聴援助システム赤外線システムに 2ch送信システム誕生
赤外線補聴システムを輸入販売しているベステックオーディオ(株)は、新たに2ch送信システム、「LIGHT SPEED」の販売を始めた。また、従来のポケット形受信機に加え、ヘッドホンタイプの受信機も用意し、公共施設などでの補聴援助システムとして使いやすいセットとなっている。赤外線システムの特徴でもある「音質の良さ」はそのままであり、CDの音楽を聴いていても音質の低下を感じさせない。このため、公共施設で行われる劇などの公演時、軽い難聴の方にも好評だと聞いている。もちろん、補聴器にも対応しており、ポケット形受信機を使えば、タイループ/シルエットインダクタ/外部入力といった方法で接続できるので、聾学校・難聴学級のある学校でも高音質のシステムが組める利点がある。 システムは、トランスミッターシステム SN-5000(赤外線送信機)と、受信機とで構成される。受信機は、ポケット形受信機 SP-200と、ヘッドホン形受信機 SF-200 のどちらかを選ぶことになる。
なお、ソニーの赤外線システムと互換性があるので、製品の相互利用が可能である。詳しくは、ベステックオーディ(株)〒130 墨田区緑4-25-5 FAX:03-5600-3687か、
アキト(株)〒605 京都市東山区八坂上町366 FAX:075-541-6260まで。
衛星劇場聴覚障害者向け字幕入り放送
11月 男はつらいよ/寅次郎夕焼け小焼け・・ 22日(土)9:00〜 蒲田行進曲・・・・・・・・・・・・・ 30日(日)9:00〜 幸福の黄色いハンカチ・・・・・・・・ 16日(日)9:00〜 ※ 「男はつらいよ/寅次郎夕焼け小焼け」のみ手話解説、手話解説ゲストがつく 12月の予定:うなぎ、男はつらいよ/寅次郎の縁談、釣りバカ日誌7
98年1月の予定:釣りバカ日誌9、男はつらいよ/寅次郎相合い傘、父ありき字幕入り放送へのご意見/リクエスト等は 衛星劇場編成部(FAX:03-5250-2324)まで。
受信に関する照会は、パーフェクトTV(FAX:03-5802-8438)か、上記衛星劇場まで。
受信はCS(通信衛星)放送からの受信の他、ケーブル局を通じても受信できる。
詳しくは、〒104 中央区築地4-1-1 東劇ビル5F 衛星劇場まで。
字幕入り映画「もののけ姫」を字幕付きで観ませんか? 空前のヒット映画「もののけ姫」。子どもを中心にロングラン上映が続いています。学校でも子どもたちの話題になっていますが、聴覚障害を持つ子どもは、ストーリーが絵からの情報に限られてしまい、十分に鑑賞できないのが現実です。
そんな中、今年8月、名古屋で「もののけ姫」が字幕付きで上映されました。これ以来、各地で字幕付き上映が自主的に行われています。10月25日には堺東宝を会場にして、上映会が開催されました。ぜひ、皆さんの地でも、字幕付きで「もののけ姫」上映会を実現しませんか?。
今回の字幕付き上映は、通常の「字幕入りフィルム」を上映するという形ではありません。名古屋の要約筆記サークル「まごのて」が、映画の字幕を文字に起こし、それをパソコンに入力し、画面に合わせて字幕が出るように、せりふごとに字幕投射時間を調節します。この後、実際の上映時、パソコンの文字を液晶プロジェクタで、映画館のスクリーンの左端に映し出すという手法を採っています。
上映に当たっては、要約筆記サークル「まごのて」のご援助と、東宝、上映館の3つとの交渉が必要です。もちろん、字幕付きフィルムにより、どこでも、いつでも、字幕付きで映画が楽しめる権利があるのでしょうし、そのための運動や、東宝、スタジオ・ジブリへの交渉も続けるとしても、『今、「もののけ姫」が見たい』という難聴の子どもも多いのではないでしょうか?。
こうした活動を通して、「聴覚障害児者も映画を見たいんだ!、楽しみたいんだ!」という主張を映画会社や映画館に伝えられたら良いのにと思います。
詳しくは、下記のインターネットにアクセスを
★ 名古屋での上映に関する情報
http://pweb.pa.aix.or.jp/〜mohri/mononoke/monolink9.htm★ 大阪での上映や、字幕付き上映の仕組みや、上映後の感想など
http://www.sannet.ne.jp/userpage/mgoto/mononoke.html
ニュース
京都で「もののけ姫」を字幕付きで観ることができます
上映日時 11月22日(土)/23日(日)/24日(祝)
AM 8:30〜10:43(8:20までに入場ください)
3日間とも上記時間1回のみの上映です上映場所 東宝公楽(三条通河原町 東入る北側)(座席数は509席) 料金 聴覚障害者(高校生以上)と同伴者1名 1000円
小中学生800円/それ以外の大人1500円
今回、字幕付き上映を実現させた「まごのて」の渉外/下出隆史様に、原稿を頂戴できましたので、自分の地での上映実現の参考にして下さい。
「もののけ姫」を字幕付きで楽しむ
私たちの「まごのて」というボランティアササ−クルは、18年前に結成されました。このサークルは、要約筆記を中心に、聞こえない人、聞こえにくい人の情報保障に協力しようとする会であり、12年ほど前から、日本映画に字幕を付ける活動に取り組んでいます。今まで字幕を付けた映画は約100本。ここ数年は、毎年7本から8本の映画に、コンスタントに字幕を付けてきました。3年ほど前から、ワープロ文字を液晶プロジェクタを用いて投影する方式になり、字幕も見やすくなりました。
私たちは、聴覚障害者だけを集めて上映会を開きたいと考えたことは一度もありません。一般の映画館で、一般の観客の一人として字幕付きの映画を共に見ることを目的としてきました。従って、早くから名古屋市内の普通の映画館と交渉し、封切り映画に一日か二日、字幕を付けるという試みをしてきました。「夢千代日記」「ハチ公物語」「寅さん」「となりの卜卜ロ」「おもひでぽろぽろ」「紅の豚」「美味しんぼ」「耳をすませば」「マルサの女2」「スーパーの女」「静かな生活」など、一般映画館での上映に字幕を出前してきました。
日本映画の興行記録を塗り替えた大ヒット作「もののけ姫」に字幕をつけたのも、私たちにとっては特別なことではなく、今年字幕を製作したうちの一本です。もちろん、この映画ほどたくさんの聴覚障害者が見に来てくださったのは初めてです。でも、私たちが映画に字幕を付け始めた理由は、耳が聞こえにくい友だちと一緒に日本映画が見たかったということなのです。ですから、入場者の数に目を奪われることなく、これからもみんなの見たい映画にこつこつ字幕を付けて行きたいと思っています。
最近では、プラネタリウムに字幕を付けたり、電気科学館のシアターに字幕を付けたりと、活動の範囲も広がってきました。あらゆる音声情報が文字化され、聞こえない人、聞こえにくい人に届くように願っています。
なお、要約筆記サークル「まごのて」の連絡先は、FAX:052−803−4624
事務局、下出隆史様へのご連絡は、上記FAXか、E-mail:msshimoi@alles.or.jpまで。
字幕放送もっと字幕入り番組を増やして!
同封の「黄色いハガキ」運動にご協力を数多く放送されているアニメや子ども向け番組など、画面だけで話をわかろうと思っても、限界があり、興味がうすれてしまったり、「今、どうしたの?」と難聴の子どもに聞かれても、すぐに言葉で伝えられないうちに、次の場面に移ってしまい、結局ストーリーがわからなくなってしまうと言うことをご経験と思います。
また、中・高校生になれば、家族と一緒にテレビを見ることもあろうかと思いますが、難聴の子どもは「もういいよ!」という気持ちの中に(わかりたい)という欲求を閉じ込めているのではないかと思っています。
昨年、「字幕放送をふやしてほしい」という署名運動を全国的に展開し、先の国会で1億2600万円の字幕制作補助金が認められました。が、アメリカと比べて大幅に遅れています。そこで、全日本中途失聴・難聴者協会が中心となり、さらに各聴力障害者団体が協力し、「黄色いハガキ」運動を全国規模で展開しています。
●民放のテレビに字幕を
テレビ番組の字幕はNHKで15%、民放は関東などの大都市で2%という数字にすぎません。さらに民放の地方局では、全国123社中14社(東京のキー局5社を含む)以外、字幕放送をしていません。また、字幕がつけられている番組が限られており、東京でも、おもしろい番組には字幕がついていません。各放送事業者に字幕付きでの放送をお願いするには、番組スポンサーにも制作費の負担等でご協力をお願いすることが必要です。
●みんなでハガキを出そう
放送法が改正されて、全国のローカル局でも字幕入りでの放送ができるようになりました。しかし、視聴者のニーズや声が届いていない放送局では、字幕付き放送の実施が遅れています。私たちがいかに字幕入り放送を熱望しているかを伝える必要があります。私たちが見ている東京のキー制作局には、「字幕番組を欧米並みに増やしてください」と要請しましょう。
●運動は急いでいます
来春の番組編成はこれからはじまります。来年の予算に取り入れてもらうためには、今から要望が必要です。私たちの声が届かないと必要としていないと思われてしまいます。
●番組スポンサ−にハガキ作戦のやり方
民放テレビ局は、スポンサーの収入で経営されていますので、私たちが直接スポンサーにハガキを送ることが効果的です。同封いたしましたハガキに(字幕が欲しいと思った番組のスポンサー名を覚えていただき、そのスポンサーの商品や製品に書いてある住所)住所、スポンサー名、消費者相談室などの宛名を書いて、50円切手を貼って投函してください。ハガキの中央の空欄には、どうして字幕をつけて欲しいと思ったかのコメントを書き添えて下さい。同封したハガキは1枚ですが、官製ハガキで同様の内容を書いて送って下さっても構いません。
作業例 @「この番組に字幕がついていればなぁ」と思う番組を見る
ACMスポンサーの企業名を覚える
あるいは、ビデオに録画してメモをとる
Bその商品をスーパーで購入する
この際、その企業の連絡先が書いてあることを確認する
C商品に書いてある企業の連絡先をハガキに表書きする
D50円切手を貼って郵送する
第3回 International Forum'98 開催のお知らせ(第1報)International Forum は、聴覚障害児の補聴器装用・人工内耳・聴能など Educational Audiologyに関して、外国人講師を招き、世界の実践を紹介する研究会です。2年に1回の開催を続けており、第1回目は1994年、Mark Ross氏を迎えて、FM補聴器の問題を取り上げ、第2回目は1996年、ロチェスター聾学校の Educational AudiologistであるChris 氏を迎えて、 Educational Audiologyの具体的中身を紹介して参りました。
第3回目の今回、アメリカのEducational Audiology Associationの元会長であり、コロラド州教育省オーディオロジー・コンサルタントをお勤めの Cheryl DeConde Johnson教育学博士をお招きする予定です。彼女は21年間に渡り、コロラド州のグレーリー学校区の Educational Audiologistとして、0歳から21歳の聴覚障害児のケァに携わったほか、コロラド州教育省オーディオロジー・コンサルタントとして、Educational Audiologyに関する政策やガイドライン作成に活躍されてこられました。その他、1997年に出版された Educational Audiology Handbookの著者でもあります。この著作は、この領域のまさに座右の書として、広く行き渡りつつあります。彼女を招き、下記の日程で、International Forumを開催いたします。詳細の参加ご案内は、11月下旬頃から「みみだより」を通じて行います。
1.日時: 1998年2月8日(日) 会場=横浜ラポール
1998年2月11日(水・祝) 会場=新大阪三和科学ホール2.参加費: 3,500円(当日 4,000円)
前売りチケットの購入用振込用紙は11月下旬にお手元に郵送します。3.内 容: Cheryl博士のご講演の他、
国内研究家とのディスカッションの時間を設けます。4.講演には日本語の逐次通訳がつきます
通訳=アメリカ テキサス州オーディオロジスト 田中美恵子先生(予定)5.主 催: 日本教育オーディオロジスト連絡協議会
連絡先:〒790-77 愛媛大学教育学部聴覚言語障害教育研究室 立入 哉6.その他: 受講者には協議会の名前による受講内容の証明証をお渡しいたします。
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